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ケンプ ~ リスト/《伝説》より ”海を渡るパオラの聖フランチェスコ”
ブレンデルの『対話録「さすらい人」ブレンデル』を読むと、彼が尊敬するピアニストはフィッシャー、コルトー、ケンプの3人。
ケンプについては、特に1950年代くらいの録音が全盛期だと評していた。
モノラル期の録音は、ケンプのテンペラメントの強さがストレートに出ていて、強く荒々しいタッチがあまり好きではなく、ほとんど、1960年代以降のステレオ録音の方しか聴かなかったけど。

ブレンデルは、ケンプがモノラル録音したリスト作品のうち、《伝説》の素晴らしさを讃えていて、「ケンプの弾く2曲の聖フランチェスコ伝説は、美しく高貴な音楽を聴いているという印象だけにとどまらず、どこか聖なる情景に立ち会っているような気持ちにさせられました。「静粛」さに浸っているとは信仰ぶっているのではなく、純粋な感情から行き出てくる尊いなにかを感じました。」

ブレンデルがそれほど素晴らしいというのなら、モノラル録音であっても、ケンプの《伝説》は聴いてみたくなる。
以前は第1曲"小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ"の方が名曲ではなかろうかと思っていたのに、ケンプのモノラル録音で第2曲"海を渡るパオラの聖フランチェスコ"を聴くと、この曲の方がずっと好きになってしまった。

ケンプのテンペラメントの激しさで、この曲の持つ崇高で神々しい高揚感が力強くダイナミックに伝わってくる。
本当に感動的なほど輝かしくて、ブレンデルの言うとおり素晴らしい《伝説》でした。

Kempff plays Liszt - Deux légendes, S. 175; No. 2; St. François de Paule marchant sur les flots


作品解説:『リストの《伝説》と2人の聖フランチェスコ』[PDF]


ケンプの"海を渡るパオラの聖フランチェスコ"の録音は、1950年と1974年の2種類。
旧盤の音源は、『Steinway Legends』に収録されている。

Steinway LegendsSteinway Legends
(2007/06/11)
Wilhelm Kempff

試聴する(英amazon)


新盤は、ステレオ録音のアルバム『リスト作品集』に収録されていて、これはCDとMP3ダウンロードの両方で入手可能。

Liszt: Annees De Pelerinage Italie (Excerpts) GondLiszt: Annees De Pelerinage Italie (Excerpts) Gond
(2011/01/25)
Wilhelm Kempff

試聴する(英amazon)



ブレンデルは筆の立つ人で、翻訳されている著書は、『対話録「さすらい人」ブレンデル リストからモーツァルトへの道程』『音楽のなかの言葉』『楽想のひととき』
3冊とも読んだけれど、『対話録「さすらい人」ブレンデル』は、『アラウとの対話』と同じインタビュー形式で、話があちこち飛んでいったり、インタビュワーの見解に反論したりと、論文形式の著作とは違った"即興的"な面白さがあって、読みやすい。
『対話録「さすらい人」ブレンデル』を読んだのは最近のことで、ブログ<さすらいの記>のさと子さんに教えていただきました。



tag : ケンプ ブレンデル フランツ・リスト

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(非公開コメント受付中)

《伝説》、感動しました
Yoshimi様、こんばんは。

ケンプの《伝説》は、対話録を読んで一度聴いてみたいと思っていましたので、こうしてご紹介くださり本当にありがとうございます。
じつにすばらしい演奏ですね! 圧倒されてしまいました。
ケンプは、ステレオでのベートーヴェンソナタを昔ちょっと聴いていましたが、これほどすごいリストを弾いていたとは全然知りませんでした。
『Steinway Legends』もいいですね。試聴してみてリスト以外の曲もとてもよかったです。

それにしても、Yoshimi様の情報収集のすごさにはいつも驚かされてしまいます。ネットがあるのだからだれにでも収集できるはずなのですが、自分はまったく使いこなせていないのだなあと痛感いたします。
こうしてYoshimi様の優れた実例に触れさせていただくのは本当に勉強になります。

対話録、お楽しみになられたようでよかったですね。拙ブログの記載までたいへん恐れ入ります。
"即興的"な面白さとは本当にその通りですね。
おそらくブレンデルのようなひとは、評論では隅々まで緻密に練り上げて執筆しているのでしょうけれど、対話形式ならば思わぬ展開や連想が見られておもしろかったです。
ただ固有名詞が私にはたいへん厳しかったです。音楽関係はもちろん、文学関連ではほとんどすべてが初めて聞く人名ばかりで困りました。
それでも対話録は私にも何とか読めそうなレベルなので、何度も繰り返し読もうと思っています。
ケンプの《伝説》、素晴らしく良いですね!
さと子様、こんばんは。

ケンプの《伝説》については、他のブロガーの方からもお勧めいただいておりましたので、私もいつか聴きたいな~と思っていたものです。
70年代のスタジオ録音と50年のモノラル録音の2種類がありますが、ブレンデルはモノラル録音の方を絶賛していましたね。

概して、モノラル録音時代のケンプの演奏は、テンペラメントに駆られたような激しいタッチで弾くことがありますから、ステレオ録音とは違うのだと思います。
そのタッチが、パオラの《伝説》のダイナミックで荘厳とした雰囲気につながっていて、技巧的に難があると言われるモノラル時代のケンプを見直してしまいました。

『Steinway Legends』も、モノラル録音が多そうですね。
ステレオ録音ならCDで聴いている曲も多いのですが、このCDなら特にバッハとブラームスが好きな演奏です。
ケンプの50年代のモノラル録音集のBOXセットが出ているので、手に入れたかったのですが、すでに廃盤でした。残念。

ブレンデルの対話録は大変面白くて、勉強になることがとても多かったです。
私にとっては、演奏で聴くブレンデルよりも、本で読むブレンデルの方が理解しやすかったです。
どうしてああいう弾き方になるのかがわかることも多々あり、録音を聴き直せば以前よりも理解できることが多いような気がします。
アラウの対話録も出ていますが、作品解説・演奏解釈の例示が多くて、細かいですね。話の中身自体は、ブレンデルの方がより論理的に説明されている感はあります。
でも、2人が同じことを言っているところが何ヶ所かあって、タイプが違う演奏家にしては、似ている部分があるのかなあと思いました。
よく考えると2人は同門なのですね。アラウとフィッシャーはクラウゼに師事し、そのフィッシャーにブレンデルは師事してますから。リストが得意という点は共通していますが、演奏解釈は違いますし、リストに対する評価もブレンデルの方が高いと思います。

音楽関係の固有名詞は、音楽史を一通り知っておくと、ほとんどでてくる名前ですから、そのうち知識が増えれば、読みやすくなりますよ。
さらに個々の作品自体を聴いたことがあれば、彼らが何のことを話しているか、よくわかるようになると思います。
文学・美術関係も欧州の作家が多いですが、ムジールなどは、それほどポピュラーではないですね。ブレンデルが”インテリ”と言われるだけのことはあります。

あまり取り上げられることのないブゾーニやシェーンベルクのピアノ作品について説明されている点も、勉強になりました。
私は2人の作品が好きなので、またいろいろ聴きなおしてみようと思います。

面白いのは、グルダ、グールドに関する部分ですね。
どうもあの2人とはメンタリティと音楽観が全く違うらしく、彼らがいかに間違っているかを力説しているところが、理知的なブレンデルにしては、ムキになっているかのようで、かえって親近感が湧いてきました。

グルダも自身の対話録のなかで、ブレンデルについて触れていて、”いつも自分が1番で、ブレンデルはどうやっても2番でしかなかった。ウィーンではパっとしなかったが、英国へ渡ってから、自分なりのピアニズムを作って成功した”という趣旨のことを書いてました。(この通りの文章ではありませんが)

この本は、最初から終わりまで、大変読み応えがありました。
個々の作品論は『音楽のなかの言葉』に詳しく書かれていますので、そちらもまた読み直してみようと思います。
とても良い本を教えてくださって、ありがとうございました。
BWV 639 と BWV 543
Yoshimiさん、こんばんは。

Steinway Legendsの第1曲目、「Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ, BWV 639 - Arranged by Wilhelm Kempff」は、先月Yoshimiさんのブログで紹介されていたLise de la Salleの「Choralvorspiel 'Ich Ruf' Zu Dir, Herr Jesu Christ' BWV 543」と同じ曲のように思いますが。。。っとそんなクラッシク駆け出しの自分がそんな事と言ってよいのやら。。。ケンプの演奏の方は、ややテンポが早く、力強い感じがしました。女性奏者と男性奏者の違いでしょうか。
ピアニストの演奏の違い
アメーバの友さん、こんばんは。

まず、「Choralvorspiel 'Ich ruf' zu dir, Herr Jesu Christ' (BWV 543)」については、
「BWV 543」 は誤りです。正しくは、「BWV639」です。

したがって、'Ich ruf' zu dir, Herr Jesu Christ'は、ケンプもde la Salleも、同じコラール前奏曲を弾いています。
ただし、編曲者が違っています。ケンプは自分の編曲版、de la Salleはブゾーニ編曲版を弾いているので、曲の中身が多少違います。
耳から聴いた限りでは、ブゾーニ版は左手伴奏が低音部に寄っていて、ケンプ版よりも低音部の音に厚みがあるように感じます。

ケンプとde la Salleでは、たしかにテンポもタッチも違いますが、それは女性と男性の違いではなく、ピアニストの奏法の個性(タッチや音色など)と演奏解釈(テンポ、強弱、声部の弾き分けをどうするか、など)の違いです。
女性でもパワフルな演奏をする人もいますし、男性でも線の細い繊細な演奏をする人もいます。
いろんなピアニストの演奏を聴くようになれば、そういう違いがよくわかるようになると思います。
持ってます♪
ケンプの「波を渡る…」は私の最もお気に入りのCDのうちの一つです。
ヨーロッパにいた時に先生やいろいろな方からも勧められて買いました。
ブレンデルの本も読んで、あ~ぁやっぱりと思いました。
ケンプの演奏は情感があって感動的に盛り上がるのに、宗教的な崇高さを失っていないところが素晴らしいですね。
ブレンデル自身の演奏は中間部がちょっと面白くない気がします。
本は大変面白かったですが…。
ケンプは大好きなピアニストです。
このリストやベートーヴェンのソナタは言うに及ばずですが、私はシューベルトの即興曲がお気に入りです。
ケンプの伝説、神々しさを感じます
マダムコミキ様、こんばんは。

ケンプのパオラの《伝説》は、以前ご紹介いただいたので、聴きたいと思っていました。
ケンプの録音はステレオ録音中心に聴いているのですが、モノラル録音も良いですね。

>ケンプの演奏は情感があって感動的に盛り上がるのに、宗教的な崇高さを
>失っていないところが素晴らしいですね。
本当にそうですね!ケンプの演奏は、ドラマティックでありつつ、筋が一本通ったような凛とした気品や気高い神々しさを感じます。
ブレンデルの録音は、先日入手したのですが、未聴CDの山の上に積んでいます。
涼しくなったら、あの山を片付けていかないといけないのですが...。

ケンプは、私も好きなピアニストの一人ですが、演奏によってちょっとシンクロできないこともあるので、曲によって印象が違います。
特に好きなのは、バッハとその編曲もの、それにベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番(特に第1楽章)。第1番も好きですけど。
ベートーヴェンのソナタなら、「月光」や第22番などでしょうか。後期ソナタも良いですね。
ブラームスの小品集もとても好きです。

ケンプのシューベルトは定評がありますね。
残念ながら、私はシューベルトとはすこぶる相性が悪くて、好きなアラウやゼルキンで聴いても、やっぱりダメでした。
例外的に、「ピアノソナタ第19番」と「3つの小品」の第1曲は好きな曲です。
ピアニストの違い
Yoshimiさん、おはようございます。

演奏の違いについては、やっぱりそうですよね。安易な考えでした。
これから、まだまだ色々な方の演奏を聞いてきたいと思います。
ところで、BWVの539と639、de salleのアルバムの方のタイトルでは539になっていて、でもgoogleで検索すると639方が正しいような。頭がこんがらがってしまいました。
BWVとタイトルとの齟齬
アメーバの友さん、おはようございます。

>ところで、BWVの539と639、de salleのアルバムの方のタイトルでは539になっていて、でもgoogleで検索すると639方が正しいような。頭がこんがらがってしまいました。

コメントの返信のなかで、”「BWV 543」 は誤りです。正しくは、「BWV639」です。”と、書いておいたと思いますけど。

de salleのアルバムの曲名タイトルを見ると、直後の曲(トラック6)は「Prélude en La Mineur BWV 543 (Transcription by Liszt)」となっています。
同じBMWで、曲名が2つあるということは、まずありません。
つまり、「Choralvorspiel 'Ich ruf' zu dir, Herr Jesu Christ' (BWV 543)」の「BWV 543」(539ではありませんよ)は、表記ミスであることが明らかです。

バッハを聴き慣れていればすぐにわかることですが、ネット検索でも判断がつかないようなら、バッハの作品リストをチェックすれば確実です。

http://imslp.org/wiki/List_of_compositions_by_Johann_Sebastian_Bach,_by_BWV_number

IMSLPのバッハ作品一覧(BWV順)を見ると、

BWV 543  Prelude and Fugue  A minor
BWV 639  Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ F minor  Chorale preludes

となっています。
したがって、”Ich ruf zu dir, Herr Jesu Christ”の作品番号は、「BWV 639」が正しいです。
バッハの作品リスト
Yoshimiさん

バッハの作品リスト、確認しました。
こういうリストもあるのですね。
ご教示、ありがとうございました。
私のコメントの方も、539などと結構いいかげんで、すいません。
購入した曲の情報の方も正しい値に書き換えたところです。
iTUNES storeで購入したので、購入先側のデータベースは変えることができませんけど。。。
お手数お掛けしました。
作品番号はややこしいです
アメーバの友さん、バッハの作品は膨大にあるので、作品番号がとても多くて、よく取り違えます。
でも、自分の好きな曲の作品番号とタイトルについては、そのうち条件反射のように、すぐにピンとくるようになると思います。
ブレンデルの対話録、Yoshimi様のご感想が大変助かります
Yoshimi様、こんばんは。

いつもごていねいなお返事をありがとうございます。
このたびも、特に対話録についてお詳しく書いてくださり本当にありがたく感謝いたします。

私はこれまで音楽関係の本を読んだことがなく、初めの一冊がこの対話録でした。ですから、取り上げられている個々の内容について、どこまでが常識の範囲でどこからが一般的な範囲を超えたレベルなのかがまったく見当もつきませんでした。
けれでもYoshimi様にいただいたお返事でかなりよくわかりました。

>音楽関係の固有名詞は、音楽史を一通り知っておくと、ほとんどでてくる名前ですから、そのうち知識が増えれば、読みやすくなりますよ。

なるほど、音楽関係の言葉は常識の範囲内なのですね。

>さらに個々の作品自体を聴いたことがあれば、彼らが何のことを話しているか、よくわかるようになると思います。

取り上げられている作品は、いま徐々に聴いていっています。

>文学・美術関係も欧州の作家が多いですが、ムジールなどは、それほどポピュラーではないですね。ブレンデルが”インテリ”と言われるだけのことはあります。

文学・美術関係はかなり専門的なのですね。日本文学には詳しい友人に訊いてみても文学関係の人名はほとんどわからないと言われて、これは相当難しいのだなと思っていましたが、やはりそうみたいですね。まずは音楽関係の理解が先ですね。

>あまり取り上げられることのないブゾーニやシェーンベルクのピアノ作品について説明されている点も、勉強になりました。

この本を読んでいると、シェーンベルクやブゾーニをとても聴きたくなってきました。ブレンデルの演奏で少しずつ聴いておりブゾーニはいいなあと思っています。この二人の作曲家が取り上げられることは、どちらかといえば珍しいのですね。

グルダ、グールドについては本当に辛辣でしたね。
私も初めて読んだときは、ブレンデルらしからぬ不寛容さに驚きました。
ピアニストに文学の、音楽学者にピアノの素養を求めているところもおもしろかったですね。ケンプの表現を揶揄したり、音楽学者の演奏を下手と言ったり。ブレンデルにとっては音楽と文学が両立しているのが理想的な芸術家のありかたなのだろうなと思わせられました。

アラウも対話録を出しているのですね。ブレンデルと同様な内容があるとのこと、気になるのでいつかアラウの対話録も読んでみたいと思います。演奏も聴いてみなくてはいけませんね。

私は、この対話録を音楽に詳しいひとはどのように読んでいるのだろうかとずっと考えていました。
こうしてYoshimi様のご見地をうかがえて、本当にうれしいです!
もしかして、ブレンデルのように自身の考えをこうして多くの著作に表している演奏家は少ないのでしょうか? 演奏を理解するうえで、こういった著作はたいへん大きな手掛かりになるのでしょうね。
Yoshimi様にとっても読み応えがおありだったとのこと、価値ある一冊とあらためて認識して何度も読み込んでいこうと思っています。
ブレンデルの著作について
さと子さま、こんばんは。

文学・美術関係の固有名詞については、特に知らなくても、本の内容を理解する上では、ほとんど支障はありません。
作家の場合は、近現代のドイツ文学が多いですから、日本文学専門の方にはよくわからないでしょう。

ブゾーニは聴きやすい曲が多いですが、それは編曲ものに限った話です。
ブレンデルは、特に後期の作品を評価しているようですが、調性感が曖昧になっていきますので、好みが分かれます。

ブゾーニ作品なら、ポール・ジェイコブスのブゾーニ録音集が、個人的には良いと思いました。
一般的に人気のあるバッハ編曲作品や珍しいブラームス編曲もの、それに、オリジナル作品が収録されてます。
ブレンデルが評価していた《ソナティネ第2番》も入ってます。

試聴ファイルはこちらです。
http://www.amazon.com/Legendary-Busoni-Recordings-Paul-Jacobs/dp/B00004W1KS/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1316098165&sr=8-2

>この二人の作曲家が取り上げられることは、どちらかといえば珍しいのですね。
これは、「音楽評論として取り上げるピアノ作品の作曲家としては」という意味です。
作品自体は、ブゾーニのバッハ編曲はとても人気がありますが、それ以外のオリジナル作品はほとんど知られていません。
シェーンベルクは、《浄められた夜》などの初期作品以外は、かなりとっつきが悪いと思います。私は数種類の演奏を聴いてようやく慣れました。
シェーンベルクのピアノ協奏曲・ピアノ小品集とも、いろいろ録音はありますが、一般的なリスナーの間で人気はないでしょう。
音楽の専門家・研究者には重要な作品ですが、普通のリスナーが聴いて楽しむには、リスナー側で意識的に努力する必要があるように思います。

>ピアニストに文学の、音楽学者にピアノの素養を求めているところもおもしろかったですね。ケンプの表現を揶揄したり、音楽学者の演奏を下手と言ったり。ブレンデルにとっては音楽と文学が両立しているのが理想的な芸術家のありかたなのだろうなと思わせられました。

私は、そういう風には受けとらなかったのですが...。
「音楽と文学が両立しているのが理想的な芸術家」というのは、現実的にもありえないような気がします。
たまたまブレンデルが文才があっただけで、「実際に弾いている演奏家が書いているというところが私の利点」と思っているだけだと思います。
教養として、文学的素養があれば、作品解釈にも深みが出て良いでしょうが、ブレンデルのように立派な音楽評論を書いている人はほとんどいないでしょう。
文章が書けるピアニストはいますが、自分が録音したCDの作品解説を自分で書いています。スティーブン・ハフ(作曲もしてます)やポール・ジェイコブスなどが、そうです。
中村紘子さんが数冊本を出してましたが、音楽評論というよりは、読み物的な本ですね。

音楽学者に対しては、"本当に研究するのであれば、楽譜を読みこなして、まともに研究対象を演奏できるくらいのレベルであれば、理解できることも多くなるので望ましいのだが..."ということを言いたかったように思いました。

アラウの対話録は、ブレンデルよりも読みやすいですし、インタビュワーもずっと穏やかなトーンで質問してます。
プライベートな生活の話もいろいろ入っていて、アラウが好きな人にはとても楽しく読める本です。

アラウやリヒテルの伝記・対話録を読んでいると、同業者に対してはっきりと評価していますね。
ただし、現役ピアニストに関しては、アラウは論評を控えているようです。影響力のある人が評価を言ってしまうと、支障がでてきますから。
グールドやグルダは、すでに亡くなったピアニストなので、ブレンデルもはっきりと論評したのでしょう。

ブレンデルの著作は、いろいろメモをとりましたので、少しずつ記事のなかに記録として残しておこうと思います。
何度もありがとうございました
Yoshimi様、こんばんは。

ふたたびごていねいなお返事をありがとうございます。
まずはお詫びを申し上げたいのですが、いろいろと軽率なコメントをいたしましてたいへん失礼しました。もともと音楽の知識がないうえに、国語力不足で本の内容も読み違えておりました。
それに対しまして、ひとつひとつ丁寧にお応えくださり本当に深く感謝いたします。ほんの初心者に対しての細やかなお心遣い、ありがたく存じます。Yoshimi様にとってレベルの低いお話に多くのお時間を取ってしまい誠に申し訳ありませんでした。
鑑賞も読書も、これから自分なりに努力を重ねていきたいと思っております。
どうぞお気になさらず
さと子さま、こんばんは。

私なりの解釈をコメントでお返事させていただいのですが、かえって気を使わせてしまったようで、すみません。
レベル云々ということは考える必要はないですよ。たまたま私が長く音楽を聴いていて、知っていることが多かっただけのことですし、私よりも音楽的造詣が深く、的確で優れた解釈をする人はいくらでもいます。
また、同じ本を読んだり、音楽を聴いたりしたとしても、いつも同じ意見である必要もないと思っています。私は思い込みで間違って記憶していて、読み返したら結論が違っていた....ということもよくあります。
自分の見方を明確に書く方なので、書かずとも良いことまでつい書いてしまうこともありますので、コメントの内容については、あまり気にしないでくださいね。

SL Kempff
遅いレスになります。

>『Steinway Legends』はMP3ダウンロードで入手できるが、日本では未販売。

え? 普通に売っていると思いますけれど・・。私は5年ほど前のリリース時にシリーズ全て買いました。もちろんケンプのもあります。

http://musicarena.exblog.jp/7428725/

全枚入ったグランド・エディションというのもあるようです。変なケース入りですけれど・・・w

http://www.hmv.co.jp/product/detail/1224001

ケンプの弾き方は独特の肌触りでよいですね。いまどきの「弾き倒す」ヴィルトゥオーゾにはない濃やかな表現と周到を尽くした解釈は余人を持って代え難い孤高の魅力ですね。

primex64@MusicArena
Steinway Legends
primex64さま、コメントありがとうございます。

>『Steinway Legends』はMP3ダウンロードで入手できるが、日本では未販売。
>え? 普通に売っていると思いますけれど・・。私は5年ほど前のリリース時にシリーズ全て買いました。もちろんケンプのもあります。


これはダウンロードデータが未販売という意味でしたが、itunestoreで売ってました。
CDはいくつか盤があって、一部が廃盤だったので、全部廃盤かと勘違いしていたようです。
ご指摘ありがとうございました。
そういえば、私も先日HMVでCDを買ったところでした。
10日ほどで届くはずが、3週間以上たっても届いていないので、在庫がないかもしれません。

ケンプは全体的にスタジオ録音の方が音が綺麗に整っていて好きなのですが、旧盤はテンペラメントが強く感じられるところが面白いところです。
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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