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アメリカ耳鳴協会(American Tinnitus Association)の概要(1) 歴史・組織・財政
耳鳴協会(Tinnitus Association)は世界でいくつか設立されているが、その中でも歴史的に古く、活発で幅広い活動を展開している組織がアメリカ耳鳴協会(American Tinnitus Association:ATA)。

アメリカ耳鳴協会(以下、ATA)は、耳鳴治療分野に関して米国で最大の非営利組織。
耳鳴治療研究の進展を促進するために、様々な活動を行っている。
主な活動:
 -耳鳴り研究への助成(原因究明と治療法開発)
 -耳鳴りカンファレンス・セミナー・ワークショップ開催
 -サポートネットワーク構築
 -著名人(俳優、歌手など)によるATAのPR(TV・雑誌などマスメディア、Youtubeの公開動画など)
 -ワシントンでのアドボカシー活動(影響力のある議員・政府機関への働きかけ、議会向けキャンペーン、議会での証言など)

ATAに関する情報サイト
- ATAのホームページ
- アニュアルレポート(年間活動報告書)
- ATA概要(Wikipedia)
- ATAのYoutubeサイト


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ATAの歴史
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1971年 耳鳴り患者でもあるJack A. Vernon博士とCharles Unice博士が、オレゴン州ポートランドで"American Tinnitus Association"を設立。 耳鳴り関連分野で唯一の全国規模の組織の誕生。
1975年 会員向けに最初のニューズレターを発行。当時の会員数は95。耳鳴りをマスキングするための器具を作るという最初のアイデアを紹介している。
1976年 Gloria Reich博士が、最初のボランティアコーディネーターとして参加。
1976年 "Scientific Advisory Committee"設置。
1977-1980年 耳鳴りに関する教育的ワークショップ開催。全国規模で実施され、1200人以上の専門家に、耳鳴り患者の評価・マネジメントに関する情報を提供。
1978年 Vernon博士とRobert Hocksが耳鳴りマスカーに関する特許申請。
1979年 ATAが "501(c)(3) organization"の非課税組織(非営利状態)となる。
1979年 Parade magazineが耳鳴りとATAの活動関する記事発行。20,000通以上の手紙がATA事務局に到着。有償スタッフが必要になる。

1980年代~1990年代 耳鳴治療の医学的研究が大きく進展。耳鳴りの発生原理や発生部位を特定する研究が進む。
1982年 ATAが全国規模のサポートネットワークを設立。1年以内に全国で80グループができる。
1983年 俳優のウィリアム・クリストファー(「M*A*S*H*」のマッケイ神父役)が、ATAのために耳鳴りに関する広報活動開始。
1986年 ATAのサポートネットワークが150以上に増加。米国内とカナダに広がる。

1994年 女優バーブラ・ストライサンドが耳鳴り患者であることを公表、ATAの研究活動のため25,000ドルを寄付。
1995年 第5回International Tinnitus SeminarをATA主催でポートランドで開催。25カ国の科学者が参加。
1995年 俳優ウィリアム・シャトナーとGloria Reich博士が議会で証言。シャトナーはATAのための広報用ビデオを録画。"1995 - William Shatner tinnitus PSA"

2002年 Sid Kleinman(70歳になるATA Board of Directors議長)が、ウィスコンシン、アイオワ、イリノイ、テネシーまで1000マイルを自転車で走破。耳鳴りへの関心を高めるための歴史的イベント。
2004年 匿名の耳鳴り患者による寄付をもとに、Floyd David Lisinskiを記念した"The FDL Tinnitus Assistance Fund"を設立。200人以上の耳鳴り患者に対して、聴力検査や治療のために上限1500ドルを支給。
2005年 治療ロードマップ(ATA's RoadMap to a Cure - The Scientific Version)公開。Path A and B :耳鳴り発生の原理。Paths C and D:治療に焦点。
2008年 ウィリアム・シャトナーが。ATA会員と世界中の耳鳴り患者のために、個人的ビデオ"William Shatner speaks about his tinnitus"を公開。
2010年 テニスのジェニファー・カプリアティが、耳鳴り患者である母と耳鳴りに関するビデオ"Jennifer & Denise Capriati talk about tinnitus in their family"を作成。


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組織・スタッフ
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ATA Board of Directors
理事会(会社の取締役会に相当)は理事16名で構成。理事長はMark K.Johnson。

名誉理事:設立者のVernon博士、俳優のウィリアム・シャトナー
シャトナーは、『スター・トレック』のカーク艦長役などにより、米国では超有名人。耳鳴り発症後に、ジャストレボフ博士に会い、TRT療法による治療を受ける。

Scientific Advisory Committee
科学的アドバイザー委員会。ボランティアの医師・研究者17人で構成。。
助成申請に対して研究内容を審査し、助成対象となる研究をBoard of Directorに推薦する。
Board of Directorが承認した研究に対して、助成金が支給される。

事務局スタッフ
エグゼクティブ・ディレクター 1名
研究・特別プロジェクト/パブリック・アフェアーズ(広報活動)/ファンドレイジング担当 各1名 (合計3名)
メール管理・製品販売のコーディネーター 1名
会員・支援者担当マネージャー 1名
受付担当者 1名

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財政状況
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歳入と歳出 (会計年度:2009年7月~2010年6月末)

歳入:約88万ドル=7000万円
  Revenue and Support $ 877,273
  個人寄付が90%。助成金が10%。

歳出:約107万ドル=8600万円
  Total Program Services $ 811,366 
  Total Supporting Services $ 263,302
  (内訳)
   22% Advocacy (政策提言)
   39% Research (調査研究)
   15% Support  (サポートサービス)
    4% Management (運営管理)
   20% Fundraising (ファンドレイジング/資金調達活動)

期末純資産:約58万ドル=4600万円
  End of Year Net Assets $ 576,787

※歳入・歳出の差分は、資産勘定から繰り入れ。
『2009-2010 ANNUAL REPORT』 AR-6頁参照

寄付
「Our Generous Donors」として、寄付者の一覧リストをホームページで公開している。

寄付区分は以下の通り。
 -Research Advocate ($10,000 to 49,999)
 -Principal Investigator ($5,000 to 9,999)
 -Benefactor ($1,000 to 4,999)
 -Sponsor ($500 to 999)
 -Friend ($100 - 499)

オンライン寄付
ATAのホームページで、入会や寄付の手続きができる。

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会員制度
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ATA会員(ATA Membership)
『Tinnitus Today』の定期購読、ATAホームページでの会員限定サイト、近隣の耳鳴ケア専門家とサポートネットワークのリスト。会費は年間40ドル。

専門家会員(Professional Membership)
耳科医、内科医、心理学者、耳鳴治療・研究に関心のある専門家対象。会費は年間150ドル。
会員特典は専門家向けの情報提供が中心。
希望すれば、ATAホームページ上にある"Health Professional Listing"に名前を載せることができる。

企業会員(Corporate Membership)
耳鳴り治療の研究推進に対するパートナーシップに関心のある企業対象。会費は250~50000ドル以上まで4区分。

会員になる以外に、ATAの活動に参加する方法として、寄付、"Action Alliance"(アドボカシー活動)、耳鳴りネットワークのボランティア活動、などがある。

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加入・提携団体
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Tinnitus Research Initiative:非営利の研究組織
National Institutes of Health(アメリカ国立衛生研究所)
Department of Defense(国防総省)
Department of Veterans Affairs(退役軍人管理局)
Veterans of Foreign Wars(海外戦争復員兵協会)
Disabled American Veterans(米国退役軍人障害者協会)
Coalition for Iraq and Afghanistan Veterans(CIA)

>> (2)に続く


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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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