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アメリカ耳鳴協会(American Tinnitus Association)の概要(2) 活動内容
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ミッション
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ATAのミッションは、耳鳴研究を前進させるリソース(資源・方策) 開発により、耳鳴りを治癒すること。
ATAの特徴は、その際立った独自性(Standout Identity)にある。

【研究サポート】
1971年の設立以降、ATAは米国の非営利組織(NPO)として、耳鳴治療分野で研究者個人に対して研究資金を提供する唯一の団体。

【公的資金の確保】
アドボカシー(政策提言)プログラムにより、耳鳴り研究に公的資金が必要であると立法者の認識・理解を得ることに成果を上げている。耳鳴り研究のために公的資金を連邦予算の中に組み込むよう、省庁・委員会・立法者(議員)に強く働きかけている。

【徹底した情報の提供】
ATAは継続的に最新情報を提供する情報センター。ウェブサイト、電話や社会的なメディア、会員間のコミュニケーション、機関誌「Tinnitus Today」を通じて、人々の耳鳴りに対する理解やマネジメントに役立つ情報を提供する。

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研究助成活動
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1980年以降、耳鳴り研究に関する助成開始。
Scientific Advisory Committeeが申請された研究を審査し、助成対象に推薦。
最終的にBoard of Directorが承認した研究に対して、助成金が支給される。

ATAが助成した研究をベースに、研究者の多くはアメリカ国立衛生研究所(NIH)や国立聴覚・伝達障害研究所(NIDCD)から、より多額の研究助成を受けている。

助成実績
累積助成総額(1980年以降累積):4,843,659ドル
助成研究件数(1980年以降累積):104 件(耳鳴りの原因・治療法に関する研究)
研究助成額:1件当たり1万ドル~15万ドル程度。助成金総額は年間20~40万ドル程度、助成件数は5件前後。
研究期間:単年度と2年~3年の複数年研究。それぞれ毎年助成金が支給される。

助成研究一覧
最近および過去の助成研究概要

"Roadmap to a Cure"
ATAのScientific Advisory Committeeが作成した治療ロードマップ"ATA's RoadMap to a Cure - The cientific Version"(図)
助成研究がロードマップのどの段階に該当しているのか図示されているバージョン"ATA's RoadMap to a Cure"もある。


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アドボカシー活動
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議会・政府機関に対して、効率的・効果的な戦略に基づくアドボカシー(政策提言)活動を実施。
ATAの耳鳴治療のための活動は、直接的および非直接的助成研究を通じて展開されている。
毎年、議会キャンペーンを行い、有力議員に対する広報・提言活動通じて、政府機関の耳鳴り研究予算の増額や、議会での予算法案の立法化を働きかけている。
会合する相手は、ワシントンの議会リーダーで、最も目的にかなった影響力のある委員会に所属している人々を対象。

ATA’s advocacy toolkit
耳鳴りに関する説明用資料(「What You Should Know About Tinnitus」)や、議員へのレターを作成する方法などが載っている。

「What You Should Know About Tinnitus」(PDF)
耳鳴りに関する医学的情報、患者数、耳鳴り関連の予算動向などを、文字・グラフでわかりやすくまとめた資料。
PDFファイルをダウンロードして、自分の選挙区の上院・下院議員にコンタクトすることで、ATAのアドボカシー活動に参加するという仕組み。

Action Alliance
ATAのボランティアのネットワーク。議会や他の政府関係者へ耳鳴り関連の話題について情報を広めている。
助成決定や公的政策の形成に関して影響力のある人物に対して、ポジティブな影響を与えることが目的。


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アドボカシー活動の成果
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近年、耳鳴り研究予算が増加している背景の一つは、耳鳴りが幅広い年齢層の人にみられる症状というだけでなく、現役・退役軍人の間で広がっていること。
退役軍人管理局は、イラク・アフガニスタンから帰還した兵士の軍務に関わる機能障害として、3年連続で耳鳴りをNO.1にランクしている。

国防総省は、軍人が軍役についている全期間について、耳鳴による障害に対して110億ドルを費やしている。
近年この費用は増加傾向にあり、2014年までに226億ドルに達し、対象となる軍人は150万人以上になると予測されている。
軍人の場合は、日常的に銃声や爆発音に晒されているため、急性音響外傷にかかりやすく、戦地から戻った帰還兵・退役軍人が耳鳴りに悩まされることとなる。
ATAは、耳鳴治療法やより良い診断方法・予防方法の研究促進に議会が注目するよう、議会への啓蒙・提言などを継続的に行っている。

"Tinnitus Research for Military Health Improvement Act,H.R.5203"
下院外交委員会(House Armed Services Committee)は、"H.R.5203 -- Tinnitus Research for Military Health Improvement Act"(軍人の健康改善のための耳鳴り研究法案)を議会提出。[法案テキストへのリンク]
耳鳴り研究に対して、今後5年間にわたって毎年1000万ドルを拠出することを定めたもの。
ATAのアドボカシー活動において、この法案の提出は歴史的な瞬間。法案を議会通過(可決)させるため、継続的に多大な努力と活動が必要である。

"House version of the National Defense Authorization Act for Fiscal Year 2011, H.R.5136"
防衛関連法案の一部として、この耳鳴(研究)法案が米国議会の下院を通過した。
法案では、耳鳴りを患っている個々人(特に退役および現役の軍人)に対する2つの直接的利害規定を含む。
1)軍人が軍役前・後に耳鳴り診断を含む聴覚検査の適用を受けることを確保する。
2)Department of Defense (DoD)に、軍事の聴覚機能保護を改善するための方法の進言とあわせて、研究と報告を要求する。
この2つの条項は、 共和党下院議員により加えられた修正条項である。
これは、2010年5月に2人の共和党議員から提出された、より包括的な耳鳴り法案"H.R. 5203,"The Tinnitus Research for Military Health Improvement Act."からとられている。

"H.R.5136"は下院を2010年5月29日に通過。上院版の"FY 2011 DoD bill,S.3454"はまだ検討されていない。
この2つのバージョンが最終的に法律の形になるように妥協させる必要がある。

国立聴覚・伝達障害研究所 (NIDCD; National Institute on Deafness and Other Communication Disorders)が研究加速
ATAのアドボカシー活動による立法化促進により、NIDCDは過去数年に渡って、耳鳴り研究予算を増やし続けている。

150万ドル(2005年) ⇒ 490万ドル(2008年) ⇒ 850万ドル(2009年)

国防総省の最新予算と合算すると、米国政府の耳鳴り研究助成額の合計は、2009年で最大1000万ドルに達する。
国防総省は、Peer Reviewed Medical Research Programを通じて、耳鳴研究者への助成を継続している。
医学・基礎科学研究者が研究助成について情報を得ることが確実になるように、ATAは助成金申込の詳細を放送した。

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サポート活動
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サポートネットワーク
耳鳴りに関する情報、ヘルスケア専門家、サポートグループとボランティアを提供している。
"Support Network"は全米にある36の耳鳴りサポートグループで構成。
さらに、156人の個人ボランティアにより一対一の個人ベースのサポートを行う。

ATAホームページの<Support Network>サイトでは、以下の4つの機能を提供。

【Find a Support Network Contact】サポートグループの検索

【ATA Calendar】 (meeting time, location and details);サポートグループの会合予定表

【Volunteer to Start a Support Group】ATAサポートグループのリーダ用手引書“Help Book”

【Becoming A Help Network Volunteer】サポートネットワークのボランティアになる方法の紹介


サポートグループ以外のサポート活動として、ホームページや機関誌を通じて、耳鳴り・治療に関する情報提供や製品販売を行っている。
ATA Online (http://www.ata.org/)
1日あたり約1000人がホームページにアクセス。
マネジメントツール、研究者・患者向けリソース、耳鳴りに関するメディア情報。会員限定サイトもあり。
コンテンツは、耳鳴りに関する知識治療法、サポートネットワーク、ATAへの参加・寄付方法、アドボカシー活動への参加方法、など。

ATA オンラインストア
個々人がempowerment感覚を持つために役立つ製品の提供。
耳鳴りをマネジメントし、聴力を保護するためのツール(自然環境音のCD,有益な情報が入っているDVD・書籍、音響機器など)を販売。
別頁に<オークションサイト>も開設している。

『Tinnitus Today』
機関誌。会員・寄付者とATAや国際的な助成研究に関する報告を共有する。
耳鳴り治療の専門家による記事やQ&A、アドボカシー活動の紹介、果敢に耳鳴りに対処した家族に関する読み物など。

American Tinnitus Association's Channel[Youtube]
Youtubeの公式チャンネル。耳鳴りに関する広報活動のために、ATAの会員・支援者が出演したTV番組や、自主制作したビデオなどを公開。
TODAY SHOW with Dr Stephen Nagler 1997(Nagler前ATA理事長と俳優のシャトナーが出演)
William Shatner speaks about his tinnitus
Jennifer & Denise Capriati talk about tinnitus in their family



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プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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