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アックス&ティルソン・トーマス/サンフランシスコ響 ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
シェーンベルクの《ピアノ協奏曲》の録音が素晴らしく良かったので、エマニュエル・アックスの録音をまとめて数枚CDで聴いてみた。
そのなかで、シェーンベルク以外にとても気に入ったのが、ブラームスの《ヘンデル・ヴァリーエーション》、それにベートーヴェンの《ピアノ協奏曲第4番》。
ブラームスの方は、別記事にまとめて書いておくので、ここではベートーヴェンの方を。

アックスは、ピアノ協奏曲第4番を2回録音している。
最初はプレヴィン/ロイヤル・フィルハーモニックとのスタジオ録音(1986年)。こちらは未聴。
2回目がこのライブ録音で、2009年12月のティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ響との演奏会。

Symphony No.5/Piano Concerto No.4Symphony No.5/Piano Concerto No.4
(2011/2/8)
Emanuel Ax(Piano), San Francisco Symphony , Michael Tilson Thomas (Conductor),

試聴する(米国amazon)


第1楽章冒頭のピアノ・ソロがとても印象的。第4番は、この最初のピアノソロが最大の難所。
"皇帝"よりも第4番の方を好んでいたバックハウスでさえ、この冒頭の数小節は、何度弾いてもなかなか納得いくように弾けなかった..と、どこかで読んだことがある。
アックスの冒頭のピアノソロは、今まで聴いた録音のなかでも、とりわけ素敵に思える演奏の一つ。
特徴的なのは、一番最初の和音をアルペジオで弾いているところ。
それが全く違和感がなく、逆にアルペジオの方が柔らかくて、ずっと自然に思えてしまう。

全体的に、アックスのタッチはフォルテでは力強くてシャープな切れがあり、音色は輝くような光彩があって、私の好きなレーゼルの演奏に方向性が似ている感じがする。
元々アックスの音色はやや固く鋭いところがあるので、フォルテのタッチがきつくて、少し音が尖った感じはする。
レーゼルの力強くもやや柔らかい音色に慣れているので、強演部分ではちょっと音が粗く感じることが時々。
演奏は微細な弱音に拘ることもなく、ルバートを多用して表情たっぷりに弾くこともなく、堂々として"正攻法"と言いたくなるようなベートーヴェン。
技巧的に危ないところがなく、演奏に勢いといきいきとした生気と輝きがあって、音楽が淀みなく流れていく。
テンポも速すぎず、遅すぎず、安定していて、技巧も切れ良く、表現には誇張や過剰な感情移入がないので、最初から最後まで安心して聴ける。

第4番は、昔から聴いていたのが、ゆったりしたテンポで静寂で聖母のような慈愛を漂わせるようなアラウ、時々テンポが走りがちだけれど弱音の静けさに引き込まれるようなカッチェン。
アックスは、レーゼルと同じく(またはそれ以上に)、第1楽章は陰翳が薄く、ポジティブで輝くような明るさ。
もう少し静寂な雰囲気が漂っている方が好みではあるけれど、"女帝"マリア・テレジアのように堂々とした第4番は、"皇帝"よりも好きなので、レーゼルと同じくアックスの第4番もマイベストの一つ。

《ライブ録音のCDレビュー》
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番をアックスのピアノで聞く[鎌倉スイス日記]
ティルソン・トーマス指揮,サンフランシスコ響のベートーヴェン・ライヴ[Classical CD Information & Reviews]


tag : ベートーヴェン アックス

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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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