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カッチェン ~ ローレム/ピアノ協奏曲第2番(1954年初演のライブ録音)
カッチェンの珍しいライブ音源は、ネッド・ローレムの《ピアノ協奏曲第2番》を初演した演奏会。この音源は9年前にしばらく聴いていたのにいつの間にか削除されて、また復活していた。

《ピアノ協奏曲第2番》は、アメリカ人作曲家のローレムが戦後パリに住んでいた頃の1951年に作曲。戦後間もない頃、パリに住んでいたアメリカ人の演奏家は結構いたらしく、カッチェンの友人グラフマンやレオン・フライシャーもパリに滞在していた。

この曲の録音は少なく、2006年8月のNAXOS盤が世界初録音。サイモン・ムリガンのピアノ、ホセ・セレブリエール指揮ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団による演奏。NAXOS盤の作品解説によると、同じくパリを拠点に演奏活動をしていた友人のカッチェンのために書かれた曲で、1954年にカッチェンのピアノ、ジャルディーノ指揮フランス国立放送管弦楽団の伴奏で初演。
その初演のライブ録音が残っていたなんて、本当にびっくり。Youtubeの音源はラジオ放送をそのまま録音したものらしく、録音音質はかなり悪いし、雑音も入っていても、そんな古いテープが残っていて、こうして聴けるのは嬉しい。

スタジオ録音と初演のライブ録音の演奏時間を比べると、全体的に初演のテンポが速い。
NAXOSのスタジオ録音は、聴いていてもテンポが遅めな感じがする。特に第3楽章のタイトルが”III. Real Fast!”にしてはちょっと遅い。(カッチェンが滅法速いのでなおさら遅く感じる)

NAXOS盤スタジオ録音 15:58/12:32/5:43 (約34分30秒)
初演ライブ録音      11:25/09:55/4:30 (約26分)

Ned Rorem Piano Concerto No. 2


この曲は指回りの良いカッチェンを念頭に書かれた曲なので、アタッカで演奏される第1楽章と第2楽章はピアニスティック。
音がキラキラと輝き、淀みなく流れて、とても華麗。緩徐部分は透明感のある瑞々しい情感が美しく、カッチェンの明晰で叙情豊かなピアニズムが映えている。

全楽章を通してラヴェル・ガーシュウィン・プロコフィエフのピアノ協奏曲を連想させる旋律や和声が聴こえてくる。
第1楽章の冒頭はプロコフィエフの初期のピアノ協奏曲に似ている。その後はまるでラヴェルの《ピアノ協奏曲》を聴いているような錯覚がするほど、良く似ている。時々、ジャジーな旋律が聴こえてくるところはガーシュウィン風。
第3楽章は冒頭から”Real Fast!”の如く、速いテンポでオーケストラとピアノが協奏していき、舞うように軽やかで華麗。
ラヴェル風の雰囲気が薄れているけれど、時々前の楽章の主題の回想が出てきたりする。ピアノが弾く細かく高速のパッセージは軽妙で、どことなく洒落たユーモアも感じる。ガーシュウィンのピアノ協奏曲のように、管楽器があちこちで突発的に騒ぎ出して賑やかだし、ラストでの管楽器での締めくくり方もアメリカの音楽を聴いているような雰囲気。

↓はNaxos盤の音源。第3楽章のテンポの遅さはともかく、音質が良いとやっぱり聴きやすい。
I. Somber and Steady


II. Quiet and Sad


III. Real Fast!


tag : ローレム カッチェン

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クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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