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耳鳴り治療のための音響・音楽療法 (6)脳のリセット/リブート療法
この記事は、次の2件の記事に分割ずみ。最新情報は、それぞれの記事に記載。

耳鳴り治療のための音響・音楽療法 (4) Acoustic CR® Neuromodulation (アップデート版)
耳鳴り治療のための音響・音楽療法 (7) Serenity System™ therapy (アップデート版) 


                     

新しい耳鳴り治療のための音響療法として、現在、臨床試験段階にあるのが、"脳のリセット/リブート療法"。
調べたところでは、少なくとも2種類の治療法が開発途上にある。

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Acoustic CR® Neuromodulation
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"Acoustic CR® Neuromodulation"は、ドイツの医療技術会社 ANM Adaptive Neuromodulation GmbH が開発中している治療法。(CR® = Coordinated Reset)
療法の原理は、耳鳴りを学習してしまった脳に、その学習内容を"unlean"(消す、忘れさせる)するよう訓練するもので、脳を"リセット"する治療法。
具体的には、あるアルゴリズムを使って、個々の患者用にカスタマイズした音響刺激を作成し、専用のスティミュレーターを使って一定期間聴く。
適用対象は、音型(tonal)型慢性耳鳴りで、耳鳴周波数が200Hz~10,000Hzなどの条件があり、拍動性耳鳴りなどは対象外。
"Neurostimulator"という専用の医療機器を使用。患者ごとに適した神経的刺激シークエンスがプログラムされた小型サウンドジェネレーターと医療用イヤフォーンが付いている。

現在、第2フェーズまで治験が完了している。
2011年中に第3フェーズとして、拡大した一般臨床試験を実施予定。

なお、2010年2月には、慢性耳鳴りの治療機器として、"acoustic CR® neurostimulator"がCEマーキング取得、TÜV認証取得、欧州での商標登録完了。


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‘reboots’ the brain (脳をリブートする)
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ダラスのテキサス大学のDr Michael Kilgardが提唱した治療法で、高周波の音と迷走神経への電気的刺激を併用し、聴覚皮質を耳鳴発生以前の正常な状態に戻すもの。

耳鳴り患者に朗報!? 脳をリブート(再起動)すると耳鳴りが解消する{日本語記事]
How high-pitched music could cure tinnitus by 're-booting' the brain[英語原文]
「足りない音信号を補完している脳の状態を、以前の耳鳴りのない正常な状態に戻すこと、つまり脳のリセットで耳鳴りの根本原因を取り除く」という治療法。
音響外傷により難聴となったラットの聴覚皮質を元の正常な状態に戻すという動物実験を実施。
無線の電極装置を首にある左側の迷走神経に外科手術でつなげ、迷走神経を電気的に刺激し、同時に高周波数の音を流す。

"Cure for Tinnitus Has a Nice Ring to It"[Washington Examinerの紹介記事]
記事中のほかの医師のコメントでは、"そもそもラットが耳鳴りを持っているかどうか自体が不明。人間の被験者に対する臨床試験の結果を見ないと何とも言えない、方向性は妥当"。


Dr Kilgardの論文"Externally Directed Neural Plasticity for the Treatment of Neurological Disease"
この療法の研究リーダーであるテキサス大学のDr Michael Kilgardの論文。
療法の原理とラットによる動物実験の結果などが記載されている。
-脳の奥深くに刺激を与える方法に代って、迷走神経を短時間刺激することにより、脳の可塑性を導き、聴覚皮質ニューロンの情報処理システムに信頼性の高い変化を引き起こすことができる。
-この変化の内容は、音刺激によって引き起こされる活動パターンに依存する。
-ラットを使った実験では、”Pairing rapid trains of sounds”が、耳鳴りとそれを引き起こしている病理学的可塑性を反転(reverse)させる効果があった。


microtransponder社のホームページ
米国のバイオテクノロジー企業microtransponder社は、この療法に使用する専用のスティミュレーターを開発。


tinnitus-update(www.willrosellini.com)
sbirs-and-tinnitus(www.willrosellini.com)
microtransponder社のCEOのホームページ www.willrosellini.comで、臨床試験の進捗状況が掲載されている。
現在、ベルギーの臨床試験結果の要約作成中。
米国では最初の3ヶ所の臨床試験が完了。さらに次の臨床試験と器具の商業化プランを作成し、NIDCD(国立聴覚・伝達障害研究所)に助成金を申請予定。
9人の被験者の試験結果について、2012年に論文公表予定。

[2012.2.12追記]
microtransponder社のCEOのブログ記事によると、同社が2012年に計画しているEUの臨床試験を実施するために、自ら資金調達する必要に迫られている。(NIHは、米国外での治験に対して助成は行わない。)
米国の臨床試験は、FDAの要求基準を同社が達成することが2012年中は不可能なため、2013年に願わくばNIHの助成を得て、実施することができる。
EUの臨床試験の結果により、ベンチャーキャピタル等が同社へ投資すると示唆しており、この投資が実現すれば、EUでの機器販売および米国でのより大規模な臨床試験実施が可能となる。
SECの規定により、資金調達のためには、10万ドルの投資家10人が必要である。

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備考
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医学的文献については、大意要約のため訳文の精度は高くはありません。正確な内容については、必ず原文を確認してください。

tag : 音響・音楽療法

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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

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