アラウ ~ アルベニス/イベリア第2巻より "トリアーナ(Triana)"  

2011, 12. 11 (Sun) 09:00

アルベニスのピアノ作品の録音で有名なのは、スペインのピアニスト、アリシア・デ・ラローチャ。
チリ生まれのアラウが、アルベニスの《イベリア》を録音していたのはあまり知られていない。
アラウは、1947年に米コロンビアに《イベリア》の第1巻&第2巻の録音を残していた。
たいそう古い録音なので、CD化されたのが2006年。
このCDは、録音年が1947年にしては、"驚異的な音質"という宣伝文句に違わず、驚くほどに音質が良い。
音が煌めいてロマンティックでパッショネイトな雰囲気には、スペイン風のエキゾティシズムの薫りが漂っている。

Birth of a LegendBirth of a Legend
(2006/11/27)
Claudio Arrau

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アラウといえば、晩年の録音を聴いている人が多いようなので、概して遅いテンポのイメージが強い。
昔はそれほどスローテンポなピアニストだったわけではないのは、1950年代くらいまでの録音をいろいろ聴いていると、よくわかる。
若い頃は、逆に速すぎると批評されていることもあると、アラウ自身が対話録で言っていた。

《イベリア》第2巻の"トリアーナ(Triana)" の演奏時間は4分30秒。
この曲は6分~6分半で演奏する人が多い。
アラウのテンポは、この間聴いたカッチェンのライブ録音と同じくらいにかなり速い。(演奏もちょっとカッチェンと似ている気がしないでもないし..)
中間部はとんでもなく音が密集したパッセージで、他のピアニストの録音を聴いてもテンポが落ちている。
初めから遅いテンポをとっていると、かなりもたもた感がでるところ。
アラウも少しテンポは落としているけれど、それほどもたつき感はなく、細かいパッセージの音の粒も立っている。
線が太めで力強いタッチがいつものアラウらしい。
濃厚な表現のラローチャに比べると、全然華やかではないけれど、粘りのないさらっとした表現と叙情感がとても爽やか。

Claudio Arrau plays Albeniz "Triana"




これはラローチャの1962年録音。
リマスタリングのせいか、エコーがかかったような煌びやかな音。
高音のフォルテのタッチがかなりきつくて、キンキンと耳に刺すように響く。
線の細い鋭い音とアクセントを強く利かしたシャープなリズム感に、強弱のコントラストが明解で濃淡の濃い色彩感が華やか。
音の密集したアルペジオもそれほどテンポが落ちず、軽やかで和声の濁りもなく流麗なところが、とても鮮やか。
細部まで凝った表現で油絵的な濃厚な色彩感と叙情感のある、とても華麗な"Triana"。
(でも、バターと生クリームたっぷりのケーキのようで、私にはかなりコッテリした後味)





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