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ドイツ耳鳴協会(Deutsche Tinnitus-Liga e.V. :DTL)の概要 (1)
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耳鳴り治療をめぐるドイツ国内の概況
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患者数
ドイツ国内で耳鳴りでひどく苦しんでいる人は100万人以上。
慢性耳鳴患者は、毎年27万人増加している。

急性耳鳴の治療
経験上、耳鳴りから回復するには、できる限り早く治療を始めれば始めるほど良い。
耳鳴り発症時の適切な治療法は、突破性難聴と同じ。
急性耳鳴りに対する第一の治療は、内耳への酸素供給を改善するため、点滴(コーチゾンとリドカインの両方、または、どちらか一方と一緒に血漿増量剤(plasma expander)を使用)により、血行を刺激すること。
この期間中、患者を私生活・仕事両面のストレスから遠ざけるために、入院治療を推奨。

今までのところ、治療成功が血行循環刺激によるものか、平穏・静寂な環境と医者のエンパシー(共感)によるものか、証明できていない。
もし、この治療が失敗した場合は、騒音性難聴の初期治療に使われる気圧室(barometric chamber)での治療が効果的な場合がある。
応急治療と同時に、耳鳴りの考えられうる原因を特定するために複数の診断方法も実施される。(頚椎、顎関節のチェックも含む)

一連の治療の費用は、国の健康保険制度および民間保険によってカバーされる。
ただし、気圧室内での酸素療法は保険対象外。

慢性耳鳴の治療
ドイツでは、耳鳴発症後、3~6ヶ月間が治癒または病状緩和が可能な期間であり、時間が経過するにつれて、その可能性も低くなっていき、その後、耳鳴は慢性化すると考えられている。
慢性耳鳴の治療法は、主に精神身体的なものとなる。
現在、30以上のクリニックがあり、合計して年間8,000人の耳鳴患者を治療することができる。(少なくとも3週間の入院治療(stationary treatment))

国の健康保険制度で治療費用はカバーされる。(DTLがほぼ10年間に及ぶ活動の成果で実現した)
現在では、クリニックとDTLは相互に情報・相談を行う密接な関係にある。

一方、TRT療法は約75のTRTチームによって実施されている。
しばしば特別なコンセプトを持った神経生理学ベースの治療手法と捉えられている。

耳鳴りに対するマスカーの適用は、英国とは違って、ドイツでは全く重要視されていない。
専門家は、マスカー装置を処方・提供するのを非常に躊躇している。
DTLの長期間にわたる努力の末、保険者がマスキングを療法として認め、約400ユーロを上限として支給するようになった。支給条件は、耳鼻咽喉科医による処方であり、少なくとも4週間以上の使用(試用)後、原則的に効果があったと証明された場合のみ。これはTRTマスキングにも適用される。

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ドイツ耳鳴協会(Deutsche Tinnitus-Liga e.V. :DTL)の組織と活動
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組織
ドイツ国内で唯一の耳鳴関係の協会であり、会員数は世界の耳鳴関連組織の中でも最多。
本部:ヴッパータール
スタッフ数:13
活動の目的:研究・開発、専門家への指導、社会政治学的な改善などの促進
会員数:現在約22,000名。うち1,200名は専門家(科学者、医師・精神科医、聴覚訓練士、補聴器販売者、クリニック。
(参考)米国耳鳴協会の会員数は2万人。

財政
財源:収入の95%超までが、協会の独立性を保障する会費と寄付。
公的助成:セミナー開催に対してのみ受入。
年間会費:耳鳴患者45ユーロ、専門家は75ユーロ。 (会員の経済状況により減額可能)

広報活動
機関誌"Tinnitus-Forum":季刊で年間4冊発行。部数27,000部。会員や提携機関、3,000人の科学者・医師・その他の専門家へ配布。
新聞とTV・ラジオ放送局へ送られた新聞発表や論評などに対して、月間3,000件の質問が電話・メール・手紙で寄せられる。質問については、少なくとも国際的にみて標準的な情報を掲載したパンフレットで回答している。
質問者の約10~15%は、その後入会申し込みをしている。

サポート活動
電話ヘルプライン:1日8時間、本部事務所に繋がっている。
セルフ・ヘルプグループ:DTLは地域のセルフ・ヘルプグループ-特に、会員が組織したグループや、地域の会員に対するサポートを提供しているグループ-を育成・サポート。この種のグループの数は150以上。
"friendly ears":全国規模で120人の会員がボランティアで行っている活動。耳鳴りに苦しむ人たちの問題を電話で聞く。
その他の活動:耳鳴りに加えて、メニエール病患者(2,000人以上の会員)に対するケアを強化中。

他機関との連携
数年来、DTLは”German association for hard of hearing (DSB = Deutscher Schwerhorigenbund)”や他の国内組織と活動上密接な協力関係にある。
さらに、世界の耳鳴関連組織とも良好な関係にある。現在、ポーランドなどの東欧の医師・専門家と協力関係を築こうと努力している。
多年に渡って、耳鳴り予防がDTLの重要な目的となっており、その活動の成果として、ドイツ連邦軍は10年前に効果的な防音保護具を導入した。

協会を取り巻く現在の状況
1986年に登録非営利法人(registered charity)としてDTLが設立されて以降、ドイツ国内の耳鳴りに関する状況は、満足というには依然として程遠いが、良い方向へと劇的に変化している。
DTLの活動により、"Tinnitus"という言葉がよく知られるようになり、ドイツ人の4人に1人がその言葉と意味を知っている。

耳鳴りに対する社会の関心や気付きが増加するにつれて、支援組織の活動量が急増している。
患者たちは以前よりも人間的に対応されるようになっている。

近年、耳鳴に関する教科書と約20冊のセルフヘルプ本が発刊されている。
なかでも、 Richard Hallamの"Living with Tinnitus: Dealing with the Ringing in Your Ears"のドイツ語翻訳版はこの分野のベストセラーとなった。
その間、TV、ラジオ、新聞、雑誌といったメディアは、より頻繁に、より適切な方法で耳鳴りに関する話題を登場させるようになった。
しかし、依然として、ドイツの耳鼻咽喉科の医師たちは、耳鳴患者をどうやって治療するべきかわからないまま、患者に"There is no help - you have to live with it"と言い続けている。

近年の活動トピックス
- 学校への奨励活動を実施;生徒に”聞く”ことに関する正しいルール(discipline)や衛生について啓蒙。
- 急性状態での耳鳴り治療の促進・要望。
- 集中的かつ複数の医療分野にまたがった診断と、耳鳴が慢性化した当初1年間に系統的(または標準化された)治療やリハビリ(rehabilitation)を実施することを促進。
- 慢性耳鳴においてほとんど無駄な治療を行う代りに、リハビリ(rehabilitation)を促進。
- 代替治療法の評価;効果的だと証明された(しかし未承認の)代替治療法を標準的な耳鳴り治療に組み込む。
- 医師・科学者に対する奨励:研究、教育、指導などの枠組みの中で、より多くのことを行うこと。

以上

 ドイツ耳鳴協会の概要 (2) ウェブサイトの主要コンテンツ 

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利用上の注意
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本記事は、ドイツ耳鳴協会のウェブサイトの英文を要約したものです。
正確な内容は原文で確認してください。



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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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