新譜情報:ムストネン ~ スクリャービン/ピアノ作品集 

2012, 02. 03 (Fri) 18:00

2月末にリリース予定のムストネンの新譜は、スクリャービンのピアノ作品集。
レスピーギの《ミクソリディア旋法のピアノ協奏曲》という珍しい選曲の次は、初録音のスクリャービン。
それも、ピアノ・ソナタは第10番の1曲だけで、あとはエチュードやプレリュードなど。

2月末リリースなのに、すでに試聴ファイルが公開されている。
ムストネンのタッチが以前とは少し変わっているような...。全体的にチェンバロ奏法的なノンレガートが控えめになって、レガートよりのタッチが多くなっているような印象。(曲にもよるけど)
ソノリティは、いつもながら色彩感と透明感があり、硬質でクリア。レガート的なタッチが増えているせいか(それにペダリングも入っているので)、ムストネンにしては響きの厚みがあるような感じ。
初期の華麗で激情的な雰囲気はあるけれど、情念過剰でもなさそうだし、晩年の神秘的なオドロオドロしさがやや薄くて、少し爽やかな(?)スクリャービンかも。
レーベルはONDINE。リリースされたらNMLで全曲聴くことができるので、また印象が変わるかもしれない。
[2012.2.6 追記:すでにNMLに登録されているので、会員なら全曲聴けます。]


Scriabin Piano WorksScriabin Piano Works
(2012/02/28)
A. Scriabin

試聴する

<収録曲>
 12の練習曲 Op.8
 6つの前奏曲 Op.13
 5つの前奏曲 Op.16
 ピアノ・ソナタ第10番 Op.70
 詩曲『炎に向かって』 Op.72


スクリャービンは、10曲のピアノ・ソナタの他にも、練習曲や前奏曲などの小品集をいくつも残している。
どれも演奏時間は短い。ピアノ・ソナタでも、初期の第1番と第3番は20分近いけれど、他の曲は10分前後。
ピアノ・ソナタ以外の曲で演奏機会が多いのは、《12の練習曲 Op.8》や《5つの前奏曲 Op.16》。
初期作品は、ショパンの影響が強く、濃厚なロマンティシズムがあるけれど、ショパンを聴いている時に感じる"甘さ"は薄い。
そのせいか、ショパンは好きではなくても、スクリャービンなら抵抗なく聴けてしまう。

ピアノ・ソナタだと第4番までは、ロマンティシズム漂う作品なので普通に聴ける。
第5番以降になると、段々調性感が崩れてきて、神秘的な雰囲気漂う独特の和声も使われ、オカルト風(?)の曲想になっていく。
風変わりで奇妙な面白さはあるけれど、どうも好きとは言い難いものが...。

有名な曲の一つが《12の練習曲 Op.8》の第12番。
これは、くまさんのブログ<無題 - 404 Title Not Found>で紹介されていたキーシンの演奏。
ずっと若い頃のキーシンが渾身の力を込めた演奏は、ダイナミックで激情ほとばしる熱演。

Scriabin Etude op 8 no 12 by Evgeny kissin



《5つの前奏曲 Op.16》の第4番も有名。
この曲を初めて聴いたのは、リッチー・バイラークのジャズアルバム《Round About Bartok》
このスクリャービンのプレリュードを素材にした曲が収録されていて、ヒューブナーのヴァイオリンの旋律がずっと記憶に残っていた。


こちらも若かりし頃のガヴリーロフの録音。かなりゆったりとしたテンポで内省的というか、ちょっとべたっと情念が濃い感じ。
Scriabin - Prelude Op.16 No.4



ムストネンの新譜には収録されていないけれど、《練習曲 Op.2》の第1番もとても叙情的で美しい曲。
これはアムランのライブ録音。アムランはスクリャービンのピアノ・ソナタ全集を録音している。
Hamelin in Stockholm - Scriabin - Etude, Op 2 No 1 13/14


タグ:スクリャービン ムストネン キーシン ガヴリーロフ アムラン

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

0 Comments

Leave a comment