ヴァルヒャとコープマン ~ バッハ/前奏曲とフーガ 二長調 BWV532 

2012, 03. 01 (Thu) 17:00

バッハの書いた《前奏曲とフーガ》のなかでも最も有名なのは、20代の若かりしバッハが書いたニ長調BWV532。
バッハのオルガン作品のなかでは技巧華やかな曲で、あの有名な《トッカータとフーガニ短調》とは違って、とても明るく快活な曲想。[作品解説(S.H.web)]

この曲もブゾーニのピアノ独奏用に編曲している。
レーゼルが録音したブゾーニ編曲版を初めてきいて、明るく晴れやかでクリスマスの朝のように清々しく楽しげなところがいたく気に入ってしまった。
原曲のオルガン演奏で聴くと、音色がピアノよりも多いので、数種類の楽器でアンサンブルしているようで楽しい。

これはヘルムート・ヴァルヒャのオルガン演奏。
モノラルとステレオの2種類あるけれど、こちらは音質がずっと良いステレオ録音の方。
モノラル録音は残響が短く、速いテンポで淀むことなく、歯切れの良い演奏。
引き締まった音と一気に弾きこんでいくようなシャープなところは、若々しく颯爽としている。
ステレオ録音では、テンポは同じくらいだけれど、軽快で快活。
モノラル録音の演奏で感じる切れの鋭さは薄くなり、残響が長く響きがまろやかで伸びやかなので、こちらの方が耳には心地良い。
どちらも、響き自体はクリアで旋律線も明瞭。
ピアノのソノリティに慣れている耳でも、オルガン独特の重層的な響きが混濁しているようには聴こえない。

Helmut Walcha BWV 532 Prelude 1/2



ヴァルヒャのフーガは、笛やアコーディオンのような音色があったりして、音色がとっても面白い。
ガラス玉のような球体がシャボン玉のようにあちこち浮かんでいる小宇宙のようなイメージ。
他のオルガニストの演奏をいくつか聴いてみても、このヴァルヒャの音はとりわけ遊び心に満ちているみたい。
クリスマスに子供達が楽しそうに遊んでいる情景にぴったり..と思えるような軽やかさと愉快な雰囲気がいっぱい。
<朝歌>の管理人さんが、ヴァルヒャのフーガのストップの選択がどうも納得できない..と書いていた。それもわかるような気はするけど)

Helmut Walcha BWV 532 Fugue 2/2




これはコープマンのフーガの演奏。ヴァルヒャとはまったく音色も響きも異なるので、この曲の印象も随分変わる。
コープマンのオルガンやチェンバロ演奏をいくつか聴くと、装飾音が多くて凝っているけれど、このフーガは違う。
ヴァルヒャの音色に比べると、落ち着いた重みのある音色で響きも厚くて、"真面目"に明るくて荘重な感じ。
オルガンらしい自然な音色に聴こえるので、フーガに関しては、ヴァルヒャよりもコープマンの演奏の方が、私にはしっくりとくる。

Fuga BWV 532 Koopman - Arp Schnitger organ



 鳴るほど♪楽器解体全書第1回パイプオルガン [YAMAHAホームページ]
パイプオルガンに関する知識’(構造、歴史、発音原理、素材と工程、雑学)が4回に分けて掲載されている。
この説明を読んでいると、パイプオルガンは楽器というよりは、オーダーメイドの建造物。
ヤマハが設置したパイプオルガンリストを見ていると、ストップ数が掲載されている。
京都コンサートホールがストップ数90と最多。いずみホールが46、シンフォニーホールは54。
京都コンサートホールのホームページには、「オルガン史におけるドイツ様式とフランス様式を独創的に統合したもので、規模的にも90ストップと国内最大級であり、加えて世界でも始めての試みである尺八、篠笛等の伝統的和楽器のストップも備えた」と書かれている。

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