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William Shatner Talks About His Tinnitus (ウィリアム・シャトナー、耳鳴りを語る)
ウィリアム・シャトナー(William Shatner)といえば、米国で人気のSFドラマ『Star Trek』シリーズの初代エンタープライズ号艦長キャプテン・ジェイムズ・カーク(Captain James Kirk)役で、米国では知らない人はいないほどの有名人。
(日本では、数十年前に関西TVで『宇宙大作戦』という番組名で深夜に放映されていて、いつも見ていた)

そのシャトナーが、長年耳鳴りを患っているのはよく知られている。
発症してから数年の間に徐々に耳鳴りが悪化したシャトナーは、最後にはジャストレボフ(Dr.Pawel Jastreboff)博士の元をおとずれて、TRT療法による耳鳴り治療を行い、今では生活や仕事に耳鳴りが影響することがないほどに改善した。
彼は、米国耳鳴協会(America Tinnitus Association:ATA)の支援者でもあり、現在、名誉理事(Honorary Director)となっている。
また、議会の公聴会での証言、ビデオを製作して広報・啓発活動、TV・ラジオ番組で自身の耳鳴り体験を語るなど、耳鳴りという症状や患者の心理・治療の現状に関する広報活動、さらには、研究資金の寄付や拡充を訴える活動に積極的に関わっている。

シャトナーが今月10日にブロードウェイで開催する90分のワンマンショー"Shatner's World: We Just Live in It."のプロモートのために、National Public Radio(NPR)の番組に出演してインタビューに答えている。
その中で、彼自身の耳鳴り経験について、2分間ほど語っている。

インタビュー番組の録音。"Tinnitus"(耳鳴り)の話は、3:54~5:45。
It's 'Shatner's World' And He Wants You To See It


 全文のトランスクリプト

以下は、トランスクリプトに載っている耳鳴り話の部分訳。

SIMON: 耳鳴りを持っていることを一般にオープンに語っておられると私は思うのですが。

SHATNER: その通り。私は耳鳴りもちだ。耳鳴が聞こえ出したのは15年前。そいつは私を狂わせた。もう正気を失うのではないかと思ったよ。

SIMON: それがどのような音なのか、どんな気持ちがするのか、私たちにも理解できるように話していただけますか?

SHATNER: 放送局に合わせずにテレビをつけてごらん。耳鳴もちは多いがその音は違っている。一番よく聞こえる音は、私もそうだが、ヒスノイズとスタティックノイズ(hiss static)。

SIMON: Mm-hmm.

SHATNER: 耳鳴りはそういう音なんだ。ドクターのところへ行っている間、ドクターたちは耳鳴り音の性質を突き止めようとした。あらゆる種類のヒスノイズなどを再生する装置をひねくり回して調整し、やっと私の耳鳴りを見つけたんだ。同じ音色とトーンになったときは涙が出てきたよ。誰かが木を切り払いながらこの音のジャングルを突破して、私がたった独りで苦しんでいた場所へとたどり着いたんだ。それに感動して泣けてしまった。

SIMON: お話しいただいて、どうもありがとう。

SHATNER: もし、誰かの助けになるなら...、耳鳴りをもっている人は多いし、戦場からの帰還兵も耳鳴りもちが多い。
耳鳴りはいろんな事が引き金になる。加齢もその一つ。それに、薬、多くは外傷性の音だ。サウンドエンジニアの多くも耳鳴りがする。
内耳にある繊毛のいくつかが死んでしまうと、生まれた時に持っていたこの沈黙の掟(code of silence)が破られてしまう。耳鳴りは脳の活動なんだ。

もしこれを聞いている人がいるなら、こう言うことが何か助けになるかもしれない。絶望してはいけない。本当に、ついには耳鳴りは聞こえなくなる。耳鳴りが消え去っていくことはない、でも、聞こえなくなるだろう。
"If one person is listening to this can be helped by [me] saying, don't despair. I promise you, eventually you won't hear it; it won't go away, but you won't hear it."


シャトナーの耳鳴り経験に関する記事はウェブ上にも多数ある。

 June 25: Easing the torment of tinnitus, The Seattle Times[Nose & Throat Associates. June 2007 News ArchivesEar]
 Sound of Silence By William Shatner:When All Else Was Still, the Noise in His Head Drove This Star to Despair(people.com,May 19, 1997) (この記事は、シャトナー自身の話が掲載されていて、かなり詳しい)

記事によると、60歳前半の頃に耳鳴りを発症したシャトナーは、原因ははっきりとはわからないが、レナード・ニモイも耳鳴が聴こえることから、2人が出演していた『Star Trek』映画撮影中に大きな爆発音があったことを思い出した。シャトナーは左耳、ニモイは右耳で耳鳴りが聴こえる。

シャトナーが怖れたのは、耳鳴りの音自体に対して、そして、それが悪化して、眠くことも集中することも再びできなくなるのではないかということだった。
「これから逃げ去らないといけない。」とすぐに直観した彼は、仕事に集中して耳鳴りから注意を逸らすように努力し、薬物・マスカー療法も行ったが、5~6年の間に悪化していった。
特に、耳鳴りを悪化させたと思われる酷く誤った行動は、TV番組で耳栓を差し出されたのに、それを断って爆発音にさらされたこと。その後、大きな音や加齢が耳鳴りの主要因のなかに含まれているのを知ったのだった。
レナード・ニモイも義理の息子も耳鳴りがあったが、シャトナーほど酷くはなく、すっかり慣れていた。
シャトナーは耳鳴りについては話さなかった。同じ病のコミュニティを見つけて話し合うことはできるが、耳鳴りについて話せば話すほど、ますます耳鳴りについて聞くことになる。

薬草療法、点耳薬を試したり、マスカー装置を買ったり、日本の音楽や水音などのレコード・テープを聴いたりした。
自宅には小さな滝があったので、その水音はとても安らぎになった。
夜が最悪の時で、寝付かれずに一晩中テレビをつけていることもあった。
耳鳴りが私生活にも影響し、かれにとっては必要なノイズが、他人にとっては神経に触るものになる。夫人とは別居し、その後、離婚裁判になる。
マスキング音がなければ眠ることができず、悪化する耳鳴りに絶望的な気持ちになった。

1996年に、義理の息子のすすめでメリーランド大学のジャストレボフ博士をたずねてTRT療法を開始。
バックグラウンドで雨音や車の行き交う音が聞こえるが、それを聴くことはないというのに似ていて、安らげるものがある。
3ヶ月くらいで耳鳴りが和らいでノイズ・ジェネレーターを外そうとしたが、「1~2年は続ける必要がある」という博士の言葉どおり、さらにジェネレーターを使い続けた。(7ヶ月間は、1日24時間装着していた)
シャトナーは、徐々に耳鳴りにも慣れてゆき、それにつれて不安感も去り、私生活も仕事も耳鳴りに影響されることは無くなった。
やがて、米国耳鳴協会、メリーランド大学とジャストレボフ博士のための研究資金調達を手助けすることを申し出た。
米国中の耳鳴りをもっている有名人たちに電話をかけて、研究資金の提供を頼んだと言う。

                    

シャトナーが耳鳴り経験とATAの活動を語る(American Tinnitus Association 広報用ビデオ)

William Shatner speaks about his tinnitus


最初はシャトナー自身の耳鳴り経験の話が少し。その後はATAの活動内容の概要と、ATAへの参加・寄付の呼びかけ。


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備考
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日本語訳文については、厳密に正確な翻訳ではありません。
正確な内容については、英文原文をお読みください。

tag : 音響・音楽療法

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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

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