マーラー/交響曲第5番第4楽章アダージェット(管弦楽曲版&ピアノ編曲版) 

2012, 03. 24 (Sat) 18:01

マーラーの《交響曲第5番》第4楽章「アダージェット」の珍しいピアノ編曲版をイリーナ・メジューエワが録音している。
「アダージェット」は、映画『ヴェニスに死す』で使われていたので有名。
マーラー自身の編曲版はなかったはずなので、調べてみると編曲者は大輪公壱氏。

オーケストラの流麗で濃密な旋律と響きが記憶に刷り込まれていたので、ピアノ編曲版を初めて聴いたときは、響きも叙情感もあっさりしていて、ちょっと物足りない感じ。
中間部はピアノの響きだとすっきりし過ぎて、マーラーらしい和声の響きが薄くて、もう一つ。
聴き慣れると、最初の主題提示部の静謐で清楚な雰囲気は、そう悪くない気がする。

マーラー アダージェット(ピアノ編) 交響曲 第5番から (ピアノ:イリーナ・メジューエワ)




これはシノーポリ&フィルハーモニア管弦楽団(たぶん)の原曲版。
マーラーの流麗で濃密な音のタペストリーはオーケストラで聴くのが一番。

Adagietto from Symphony no.5 ( Mahler )



[追記]
カツァリスもピアノ編曲版をコンサートで弾いていた...と、コメント欄でchokujinさんに教えていただいので、探してみると彼のプライベートレーベル<Pisano21>のCD『Piano Rarities Vol.1/Transcriptions』に収録されている。
こちらの「アダージェット」の編曲者はKarol A.Penson。

Gustav Mahler:Adagietto (from Symphony no.5) - 試聴ファイル(曲目リストの6曲目)[Cyprien Katsaris homepage]


Piano Rarities Vol 1Piano Rarities Vol 1
(2009/10/13)
Cyprien Katsaris

試聴する(MP3ダウンロード)


カツァリスのホームページで試聴して最後まで聴きたくなるくらい良い感触だったので、amazonでMP3ファイルをダウンロード。
試聴したときの印象どおり、カツァリスのアダージェットは、柔らかい響きで包み込むような温もりがあって、とてもロマンティック。
ゆったりとしたテンポは悠然とした河の流れのようで、ときに低音の重層感のある響きがドラマティック。
ゆうゆうとした深みのある叙情感が、ピアノソロとはいえ、マーラーの「アダージェット」のもつ独特の雰囲気を醸し出している気がする。

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6 Comments

chokujin  

No title

いつも拝見させていただいてます。掲載されている楽曲を流しながらパソコン触ってます。自分の好きなマーラーのアダージェットの話題なので嬉しく読みました。実は、カツァリスのリサイタルでピアノ版を聴きました。これが聞きたくて行ったようなものですが、彼はテクニックだけの人ではないな、というのがよくわかる名演でした。オケ版に劣らない、というかあるいはオケ版とは別のというか、感動がありました。今調べてみると、ベンソン編とのことです。

2012/03/24 (Sat) 20:42 | REPLY |   

yoshimi  

カツァリスのアダージェット

chokujin様、こんばんは。
いつもお読みいただいて、ありがとうございます。

カツァリスもピアノソロで弾いていたのですね。
あまりに美しいのでピアノでも弾いてみたくなる曲でしょう。
探してみるとCDになっていて、彼のホームページに試聴ファイルがありました。
メジューエワよりもずっと柔らかくい響きがロマンティック、それでいて、ドラマティックな雰囲気がします。
これは最後まで聴いてみたくなりますね~。
編曲者は、Karol A. Penson と書いてました。

カツァリスの編曲ものというと、私が聴いたことがあるのはリストのベートーヴェン交響曲です。
彼の録音は有名ですね。音をかなり足しているので、とてもシンフォニックです。
楽譜どおりに弾いている(らしい)シチェルバコフの演奏とはまた違った演奏が楽しめました。

2012/03/24 (Sat) 21:36 | EDIT | REPLY |   

chokujin  

No title

カツァリスのCDの情報ありがとうございます!早速聴いてみます。

2012/03/24 (Sat) 22:21 | REPLY |   

yoshimi  

カツァリスのトランスクリプション集

chokujin様、こちらこそ教えていただいてありがとうございました。

本文中にも、カツァリスの録音について追記しました。
このトランスクリプション集は選曲がいいですね。
Vol.2はフランスものですが、Vol.1の方が多国籍なので、楽しめそうです。フィオレンティーノ編曲のラフマニノフ《Vocalise》も入っているのも珍しいです。
バッハのトランスクリプションのCDもあるので、これも聴きたくなってきました。

PS.
最後まで聴きたかったので、amazonで「アダージェット」1曲だけ、MP3ファイルをダウンロードしました。
やはりメジューエワよりもずっと叙情豊かで良かったです。
ピアノソロなのに、どことなくくぐもったような独特の雰囲気があって、マーラーの世界にいるような気がしてきます。

2012/03/25 (Sun) 01:08 | EDIT | REPLY |   

primex64  

adagietto

アダージェットのピアノ独奏版を書いた人がいたとは知りませんでしたわ。不勉強で・・。

メジューエワって、実は筋肉質で、基本は男性的で割り切ったストレートな強音を出すピアニストです。風貌とは丸で違いますので要注意(笑・・。

※マーラーの《交響曲第4番》  →5番 の誤記ですね。因みに試聴ファイルのキャプションは正しいです。

2012/03/30 (Fri) 17:12 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

メジューエワ

primex64さま、こんにちは。

曲名の誤り、ご指摘ありがとうございます。早速訂正しました。
編曲版は、この2つ以外にも、まだあったかもしれません。

>メジューエワって、実は筋肉質で、基本は男性的で割り切ったストレートな強音を出すピアニストです。風貌とは丸で違いますので要注意

彼女のCDや演奏会のレビューでも、そう言っている方は多いですね。
彼女のベートーヴェンの録音を聞いたことがありますが、どうも合わないものがあって、今のところはCDを集めるまでには至らずというところです。
そういえば、1枚だけ持っていたメトネルのCDは処分してしまったような...。(惜しいことをしましたが)
ずいぶん評判が良いので、いろいろ試聴ファイルがあれば、チェックしてみたい気はします。

2012/03/30 (Fri) 17:45 | EDIT | REPLY |   

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