カニーノ ~ バッハ/ゴルトベルク変奏曲 

2012, 05. 17 (Thu) 18:00

ゴルトベルク変奏曲のピアノ録音は多数あるけれど、アーティキュレーションに凝った演奏のなかで好きなのはカニーノ。
カニーノはピアノ伴奏者として有名なので、室内楽の録音は多いけれど、ソロ録音はそれほど残っていない。
彼の有名なソロ録音というと、ゴルトベルクとドビュッシーらしい。

カニーノのゴルトベルクは、歯切れの良いインテンポのリズムで淀みなく、明るくクリアな音の開放感が爽やか。
きれいに分離した声部の線と輪郭もくっきりして立体的。
ややゆったりとしたテンポで、走らず、騒がず、粘らず。すっきりとした明晰さが気持ちよい。
タッチが繊細で洗練されているとか、弱音の微妙なニュアンスが多彩というわけではないけれど、少し甘くて明るい、煌びやかすぎない色彩感とクリアな音色が、自然に耳に馴染んでとても心地良く。
ピアノ演奏にしては、装飾音がいろいろ工夫されていて、遊び心がいっぱい。
装飾音はかなり凝っているけれど、不思議と作為的には感じられず、旋律の流れの中に違和感なく入っている。
興の向くままに弾いているようで(実際はよく練っているだろうけど)、即興的というか、自然体というか、飾っているのに飾り立てていないように聴こえてくるのが不思議。
聴けば聴くほど、思わず微笑みたくなるような愛らしさと和やかさが素敵なゴルトベルク。

Bruno Canino plays J.S.Bach Goldberg-Variation Aria~var1.2.3.4.wmv


Bruno Canino plays J.S.Bach Goldberg-Variation var,5.6.7.8.9.10.wmv



カニーノのゴルトベルクを録音したCDは数種類出ているけれど、原盤らしきAura盤は入手しにくい。
一番手に入りやすそうなのは、Membran(Document)の『Great Pianists』BOXセット(CD10枚組。有名なピアニストのライブ録音集)。カニーノのルガーノでのライブ録音が収録されている。
グルダ、バックハウス、ゼルキン、ギレリス、シフラなどのライブ録音もそれぞれ1枚のCDに収録されているお得なBOXセット。数年前に発売されたときは、かなり売れていたはず。
カニーノ以外では、ゼルキンのライブ録音が選曲・内容とも良くて、別盤でもリリースされている。

Great PianistsGreat Pianists
(2007/08/14)
Frederich Gulda、Wilhelm Backhaus 他

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カニーノのソロ録音では、他に有名なのはドビュッシーの《前奏曲集》らしい。
ユニークな録音は、現代音楽集『Clash』。(私は試聴のみ)
カニーノは現代音楽の演奏にも積極的なピアニストなので、著名な現代音楽作曲家(ベリオ、カーゲル、リーム、クセナキスなど)から作品を献呈されているという。
彼は作曲家でもあり、この現代音楽録音集には、カニーノの自作自演曲も収録されている。
いかにも現代音楽といった感じの曲が多いけれど、比較的聴きやすいのは、《In S (Matteo Yes)》(G.Sollima)、《5 Pezzi (Da "Come Io Passo L'estate")》(N.Castiglioni)。

Bruno Canino - ClashBruno Canino - Clash
(2009/06/22)
Bruno Canino

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