エヴェリン・グレニー/Touch the Sound、TED talk"How to listen to music with your whole body" 

2012, 05. 24 (Thu) 12:00

『Touch the Sound』
『Touch the Sound』は、スコットランド出身のパーカッショニスト、エヴェリン・グレニー(Evelyn Glennie)の生い立ちとその音の世界を追うドキュメンタリー映画。2006年公開。
12歳の時に聴覚をほとんど失ったグレニーは、英国王立音楽院で学び、今ではプロのパーカッショニストとして有名。
この映画で登場するグレニーの演奏の舞台は、コンサートホールではなく、街の中 - 路上、駅、建物のアトリウム、日本の居酒屋、廃墟の工場、公園、etc.。
映画の中に出てくるシーンは、街のランドスケープと"生活騒音"、いろんな場所でドラムを叩く大道芸人のようなグレニー、自らの生い立ちを語るグレニーとそのゆかりの場所、ギタリストのフレッド・フリスと演奏する廃墟の工場など。時間の流れが断ち切られて、モザイクのように情景が組み合わされていく。
グレニーが来日した時に、日本の和太鼓を叩いたり、和太鼓に合わせてドラムを弾くくシーンも映っている。(Touch The Sound Part6)[Youtube]
映画の中では、普段聞き流している街の騒音がクローズアップされて、空気を伝わってくる振動とそのリズムが、一種の環境音楽のように聴こえてくるのが不思議な感覚。


グレニー自身のYoutubeチャンネル"DameEvelynGlennie"に投稿されている予告編。
Evelyn Glennie, Touch the Sound movie trailer



『Touch the Sound』の抜粋映像は、グレニーと英国のギタリスト、フレッド・フリスの演奏する《A Little Prayer》。
この映画のなかで最も美しい音楽。
廃墟の工場のなかから画面を通して伝わってくる音のバイブレーションは、映画「グラン・ブルー」の海の世界のように、静謐でどこかしら神秘的。
電気的なギターが弾いているのは、地上の世界とは異なるゆったりとした時間が流れている海中の音楽のようなメロディー。
それとは全く異質なマリンバの木質的な音の組み合わせが面白い。
グレニーの弾くマリンバは、硬くて丸みのあるフェルトのような感触。周期的で歌謡性のない音のオスティナートがアンビエント(環境音楽)的でとても心地良い。

Evelyn Glennie & Fred Frith, A Little Prayer from Touch the Sound



<関連情報>
『Touch the Sound』 エヴリン・グレニー記者会見

『Touch the Sound』 [ほぼ日刊イトイ新聞 - ご近所のOLさんは、先端に腰掛けていた。vol.111]
福嶋真砂代さんによる映画紹介とグレニー来日時のインタビュー。


                                  

 TED talk "How to listen to music with your whole body"
2003年に開催された「TED talk」(TEDカンファレンス)で、"How to listen to music with your whole body"(全身で音楽を聴く方法)をレクチャーするグレニーの映像。
ドラムとマリンバを使って、「音楽を聴くことは単に鼓膜を振動させる以上に、いかに多くの機能を使うものであるか」を実演を交えてレクチャーしている。最後の5分間はグレニーの独奏。










打楽器には、グロッケン、ヴィブラフォン、マリンバなどの種類があるらしい。
マリンバとシロフォンは木琴、グロッケンは鉄琴の一種。ビブラフォンは鉄製で、ダンパーペダルによって余韻をコントロールしてロングトーンを演奏できる。これはマリンバや木琴と大きく異なる点。
いずれの楽器も、マレットという名のばちを2本~4本使って演奏する。


<TED(Technology Entertainment Design)>
TEDは、米国カリフォルニア州モントレーで年一回、講演会"TED Conference"を開催。芸術、学術、医療、環境、エンターテイメント等の幅広い分野の著名人がプレゼンテーションを行う。
"TED Talks"は、過去の講演会の動画無料配信プロジェクト。
一部の講演会は、日本語字幕付映像でも視聴出来る。["Translations Talks in 日本語" アーカイブサイト]

2 Comments

matsumo  

Yoshimiさん、こんにちは

エヴァリン・グレリーですか、大昔と言うか、1992年に来日公演をサントリーホールで開いたので、その時の実況録画がNHKで流されたので、VHSテープに録画したのを持っています。

確か、舞台に座り込んで、幾つかの鉢をたたいている場面があったことを覚えています。

2012/05/24 (Thu) 18:15 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

マリンバの音

matsumo様、こんばんは。

グレニーは昔から有名だったので、パーカッション関係に疎い私でも知っている演奏家でした。
グレニーのYoutubeチャンネルにたくさんライブ映像が載っていますね。
>確か、舞台に座り込んで、幾つかの鉢をたたいている場面があったことを覚えています。
そういう演奏シーンは良くみかけますし、映画でも入ってました。
映画の中では、廃墟の工場での演奏が不思議と違和感がなく、曲も良かったと思います。

パーカッションというと、ヴィブラフォーンは何度も聴きましたが、マリンバはあまり聴いたことがありません。グレニーの演奏を聴いていると、木質感のあるアコースティックな音色が良いですね。

2012/05/24 (Thu) 22:39 | EDIT | REPLY |   

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