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アラウ ~ リスト/巡礼の年 第2年「イタリア」より "ペトラルカのソネット第104番"
リストの《巡礼の年 第2年「イタリア」》で一番有名な曲は、ダンテ・ソナタという通称で知られる《ダンテを読んで-ソナタ風幻想曲》。
それ以外の曲は単独ではあまり演奏機会が多いようにも思えないけれど、なぜかとても好きなのが《ペトラルカのソネット》。
第47番、第104番、第123番の3曲あるけれど、よく聴くのが第104番。
第123番と第47番も素敵な曲だけれど、第104番のようにドラマティックな強い印象の残る旋律と曲想ではないので、もう一つ印象が薄くなる。

初めて聴いたアラウのリスト録音集の分売盤(国内盤)に収録されていて、この《ペトラルカのソネット第104番》と《ダンテ・ソナタ》がとっても印象的だった。
1969年とアラウの全盛期終盤の録音。philipsの録音音質が素晴らしく良い感じで、アラウの音色の美しさと豊かさを良く捉えているのでは。
名盤とされる《ロ短調ソナタ》や《孤独のなかの神の祝福》と近い時期に録音されたので、テクニカルな衰えもなく、アラウのリスト録音のなかでは、技巧と感情が最もよいバランスで融合している演奏の一つなのだと思う。

ピティナ作品解説によると、イタリア・ルネサンス期の代表的叙情詩人、フランチェスコ・ペトラルカの『カンツォニエーレ』の「ソネット」(イタリアで生まれた14行の定型詩。「小さな歌」)が題材。
この《ペトラルカのソネット 第104番》の詩は恋に落ちた喜びと苦しみの二面を歌ったドラマティックな曲。
単独での演奏機会も多いというのもよくわかる。

冒頭、短調で鍵盤上をせりあがっていく和音の旋律がややデモーニッシュ。その後には、対照的にロマンティックな旋律が現われる。これは、清楚さと優美さを兼ね備えたとても気品のある美しい旋律。
元々、ドラマティックな曲だけれど、アラウの線の線の太い伸びやかで膨らみのある豊饒な響きと、深い感情移入を感じさせる演奏がとてもよく似合っている。

Liszt by Arrau - Sonetto 104 del Petrarca from "Les Années de Pèlerinage"




1年前にリリースされたアラウのリスト録音BOX。
Philipsの「Arrau Heritage」シリーズのリストBOXが廃盤になっていたので、リストイヤーを機にDecca/eloquenceシリーズで再販されたもの。
独奏曲とピアノ協奏曲の両方のスタジオ録音がほとんど収録されている廉価盤なのでとてもお勧め。(廃盤を含めて分売盤をこつこつ集めてきたので、このBOXセットは買わなかったけど)
残念なのは、《ロ短調ソナタ》は新盤(1985年録音)を収録していること。
技巧が安定した1969年録音の旧盤の方がはるかに内容が良く評価も高い(と思う)。(新盤はSACDの分売盤が出ているので、そちらのセールスを優先したのかも?)

Die KlavierkonzerteDie Klavierkonzerte
(2011/05/26)
Liszt

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tag : アラウ フランツ・リスト

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アラウの60年代
こんにちは。
アラウのペトラルカのソネット、初めて聴きましたが、呼吸が深くていいですネ。60年代のアラウはベートーヴェンのソナタにしろブラームスのコンチェルトにしろ脂がのっています。
といいつつ、先日に買ったロ短調ソナタは「85年」の録音でした! はっはっは。いろいろ聴き比べてみることにしましょう^^
晩年のアラウは人気がありますね
ポンコツスクーター様、こんにちは。

アラウの全盛期は1950-60年代だと思いますが、これは海外でもそういう評価でしょう。
そのせいか、ベートーヴェンのソナタ全集も、旧盤は何度も再販されていますが、新盤は廃盤状態のままです。(そのうち再販するでしょうが)

日本の場合は、晩年になって来日演奏が続いたことと、とある著名評論家が晩年の録音を絶賛していた影響もあるのか、1980年代の録音を好まれる方が大変多いように思います。
たしかに晩年の演奏には、以前にはなかった境地を聴くことはできますが、それが部分的な輝きに留まっていることも多く、技巧と表現のトータルで考えると、個人的には晩年の演奏は聴きづらく感じます。
でも、こういうのは好みの問題ですので、世評はともかく、自分が魅かれるものを聴くに限ります。
アラウのリスト
おじゃまします
アラウによるリストのソナタだと、僕も旧録の方が好きです。

アラウのリスト録音全体で言うと60年代/70年代のモノが好きですが、愛の夢第3番の1989年録音はすごい名演だと思います。
アラウの「愛の夢」
ミッチさま、こんにちは。

「愛の夢第3番」はポピュラーな曲ですが、ピアノの練習で弾いた小品というのは、なぜかCDで聴くことが少ないです。
この曲はアラウの名曲集を集めたCDに入ってましたので、久しぶりに聴いてみました。
本当にこれはいいですね!骨太のしっかりしたタッチで、あまりセンチメンタルなところがなく、甘すぎないロマンティシズムがアラウらしいところでしょうか。
アラウのショパンのバラード第1番も感傷的ではなく、こういうロマンティックピースは、アラウの演奏がほどよい叙情感があって、私の好きなタイプの演奏です。

それにしても、1989年の録音にしては、かなりしっかりした打鍵で、とても86歳のピアニストの演奏だとは思えませんね~。
それほどテンポも速くなく、ルバートを多用しているせいもあるでしょうが、技巧的に苦しさを感じるベートーヴェンのソナタと違って、そういうところは全然感じられず、晩年のアラウの煌きが輝いているようです。
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
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