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救世主兄弟
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『私の中のあなた』
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"Medical Response Dog"のことを調べていて、「てんかんアラート犬」を連れている辣腕弁護士が登場するので、偶然知った映画が『私の中のあなた』。
ストーリー自体は実話ではないけれど、かなりリアリティを感じさせるお話。
白血病の姉のために、臓器を提供するドナーとなるべく、遺伝子操作によって生まれてきた妹。
姉のために何度も手術を繰り返してきた妹は、片方の腎臓移植を求められた時、ついに両親を相手どって臓器移植拒否の訴訟を起こす...というストーリー。
遺伝子操作で臓器移植のドナーとして子供が生まれてくるなんて、近未来のSF的な話しなんだろうと思っていたら、実はかなり現実に近い話だった。
昔、このテーマが生命倫理の問題になっていたのは覚えている。すでにドナー目的で生まれた子供が200人以上もいるというのは、かなりの驚きだった。
ただし、現在行われている手法は、体外受精によって受精卵を複数作り、兄姉と遺伝子が適合するものだけを選び出して、ドナーとなる子供を作るので、遺伝子導入や遺伝子組換えを行う「遺伝子操作」ではないのだろうけど。

 映画『私の中のあなた』予告編

映画『私の中のあなた』公式サイト
最後に姉妹のどちらかが死んでしまう。奇妙なのは、原作小説と映画では死んでしまう子供が違うこと。
監督は原作の設定に同意できなかったのか、映画のストーリー展開や訴えたいメッセージを考えて、正反対の結末にしたのか、よくはわからない。
小説のエンディングは、著者の思い入れが反映されているのか、ご都合主義的に問題解決をしたような気もする。
映画の方も、訴訟によって提起された問題と判決が引き起す結末・影響について、明確な答えを出しているというわけではなさそう。
どちらかというと、映画の方がストーリー的にはまだしも自然な展開のようには思える。

原作小説「私の中のあなた」。
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救世主兄弟
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「救世主兄弟」(Savior sibling)とは、子供の病気を治すために、臓器提供のドナーとして適合する遺伝子を選別して生まれてくる別の子供のこと。
数年前にNHKがドキュメンタリー番組を報道して、かなりの反響があったらしい。
今のところ、映画のように「救世主兄弟」が臓器提供を拒否して裁判沙汰になったという話はないらしい。
たとえ裁判をしたとしても、「救世主兄弟」側が勝訴するに違いない。ドナーとなるべく生まれてきたとは言え、本人の意思に反して臓器提供を義務・強制化する判決が下されるとはとても考えられない。
NHKスペシャル 「人体“製造” ~再生医療の衝撃~」
NHKスペシャル【幹細胞生殖医療救世主兄弟】詳細情報


米国では、医師と患者の個人的な良心に判断をゆだねているために明確な法的規制がなく、すでに多数(200人レベル)の「救世主兄弟」が生まれている。
イギリスやフランスでも、相次いで最初の「救世主兄弟」が誕生している。
イギリスでは、「救世主兄弟」は血液の病気に限定するという条件付きで法律が制定されたという。
First successful saviour sibling treatment for UK(BBC NEWS,2010.12.21)
France's first "saviour sibling" born (RFI、2011.2.8)

"救世主兄弟"[Ashley事件から生命倫理を考える]
「救世主兄弟」に関して詳しい情報が載っているブログ記事。


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『わたしを離さないで』
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クローン人間は、まだ現実世界では実現していない。法規制のない中東で研究している医師はいるらしい。
SFというか、近未来小説として、クローン人間をテーマにしたのが、『日の名残り』で有名な文学作家カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』。
この小説は村上春樹が原作を絶賛していたそうで、映画化作品も昨年劇場公開されている。
これは臓器提供だけの目的で遺伝子操作でつくられたクローン人間の子供の物語。
彼らは臓器提供のためだけに作られたので、彼ら自身が生存し続けることは前提でも目的でもない。いわば"生きたスペア臓器の集合体"みたいな存在。

最近は小説も映画もあまり見なくなっているので、この本と映画のことを知ったのは、Tea316さんのブログ<Wohin?>の記事"映画「わたしを離さないで」"


 映画『わたしを離さないで』予告編

カズオ・イシグロ『わたしを離さないで』
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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