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マーガレット・プライス&カツァリス ~ リスト歌曲集
ロマン派歌曲のなかではあまり有名でないリスト歌曲は、ピアノ独奏曲を連想させるところがあるせいか、シューマンとシューベルトよりも私にて馴染みやすくて、好きな曲が多い。
ピアノソロで有名な「愛の夢第3番」や「ペトラルカのソネット」(《巡礼の年 第2年》に3曲収録)を歌曲で聴くと、また違った味わいが楽しめる。

多作家のリストなので歌曲も書いているとは思ったけれど、歌曲は70曲くらいしか残っていないらしい。
好きな女声による録音を探してみると、古いものではマーガレット・プライス、
シュトラウスとリストの録音が良いといわれるプライスは、リスト歌曲を2回スタジオ録音している。
EMI盤は1973年録音でピアノ伴奏はロックハート。CDはシュトラウス歌曲が多く、リストは数曲。
Apex盤は1986年のデジタル録音。全てリスト歌曲。珍しくも、ピアノ伴奏がカツァリス。
選曲が良く、有名なピアノ曲《愛の夢第3番》の歌曲原曲、《ペトラルカのソネット》が3曲入っている。

試聴盤を聴くと、プライスの声色はやや硬質で、透明感と芯のしっかりした力強さがあり、凛として気品がある。
歌も線がしっかりして、弱音でも隅ずみまで明瞭で、格調高く聴こえる。(結局、プライスのCDを2枚とも購入)

カツァリスのファンサイト<ものごっついピアニスト シプリアン・カツァリス>に、リスト歌曲の録音にまつわるエピソードが載っている。
リストの歌曲は総じて伴奏のピアノパートが難しく、良いピアノ伴奏者が見つかりそうにないため録音を諦めていたプライスだったが、(超絶技巧の)カツァリスを擁するテルデックがレコーディングをオファーしたという。
リストを難なく弾けるカツァリスなので、煌くような美しい音と淀みない流麗なピアノ伴奏も、リスト歌曲を聴く魅力の一つ。

最近のリスト歌曲集なら、ドイツの若手ソプラノのディアナ・ダムラウが、ヘルムート・ドイチュのピアノ伴奏で録音している。プライスのCDに収録されていない曲が多い。
プライスとはまた違った柔らかな歌声で、起伏が大きくニュアンス豊か。


プライスのリスト歌曲集(EMI盤)。ピアノ伴奏がカツァリス。
3 Petrarch Sonnets/Lieder3 Petrarch Sonnets/Lieder
(2012/01/31)
Margaret Price,Cyprien Katsaris

試聴する(英amazon)


・ミニヨンの歌(君よ知るや)/Mignons Lied S275 : "Kennst du das Land"
・高き愛/Hohe Liebe S307
・私は死んだ/Gestorben war ich S308
・おお愛して下さい、愛しうる限り/O Lieb,so lang du lieben kannst S298
・静かな水蓮/Die Stille Wasserrose S321
・雲雀の歌のなんという美しさ/Wie singt die Lerche schon S312
・静かに響け、わが歌よ/Kling leise, mein Lied S301
・すばらしいことにちがいない/Es muss ein Wunderbares sein S314
・ローレライ/Die Loderey S273
・すべての峰に安らぎがある/Ubert allen Gipfeln ist Ruh S306
・嬉しくもあり/Freudvoll und leidvoll S280
[Fassung I]、[Vertonung]、[Fassung II]
・墓穴とバラ/La tombe et la rose S285
・ペトラルカの3つのソネット/
  No.1 Pace non trovo
  No.2 Benedetto sia 'l giorno
  No.3 Vidi in terra angelici costumi


Teldec/Apex盤はリヒャルト・シュトラウス歌曲とのカップリング。最後の5曲がリスト歌曲。
ピアノ伴奏者は、イギリスの指揮者であるジェイムス・ロックハート。プライスのモーツァルト・アリア集の伴奏指揮もしている。(シュトラウスのピアノ伴奏は、サバリッシュ)

A tribute to Margaret Price: Strauss/Liszt LiederA tribute to Margaret Price: Strauss/Liszt Lieder
(2011/05/23)
Margaret Price

試聴する




プライスの音源がYoutubeでは見つからず、他のソプラノの歌で。

ミニヨンの歌(君よ知るや)/Mignons Lied S275 : "Kennst du das Land"
(詩:ゲーテ/Johann Wolfgang von Goethe) )
[訳詩と解説:梅丘歌曲会館 詩と音楽]

Liszt - Mignons Lied (Kennst du das Land) - Fassbaender - Thibaudet



O lieb,so lang du lieben kannst /おお愛せよ、お前が愛しうる限り S.298
(詩:フライリヒラート/Ferdinand von Freiligrath)
[訳詩と解説:梅丘歌曲会館 詩と音楽]

リスト - 愛せる限り愛せ (グンドラ・ヤノビッツ)


ピアノ独奏曲のタイトルは《愛の夢第3番》。
Claudio Arrau plays Liszt Liebestraum No.3 in A flat



ローレライ/Die Loderey S273
[訳詩と解説:梅丘歌曲会館 詩と音楽]

Liszt - Die Loreley  
Soprano: Diana Damrau、Piano: Helmut Deutsch
Ferenc "Franz" Liszt - Die Loreley (Text: Heinrich Heine)

ダムラウの「ローレライ」も素敵。
リスト歌曲集のCDを試聴ファイルで聴くと、CDで全曲聴きたくなってくる。




リスト歌曲集リスト歌曲集
(2011/12/07)
ダムラウ(ディアナ)

試聴する(輸入盤へリンク)


tag : フランツ・リスト プライス カツァリス

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リストの歌曲
こんにちは~

僕はピアノ好きでそっちが鑑賞のメインなので、歌曲はあまり聴かないのですが、やっぱりリストだけあってピアノが重要な役目を担ってますね。

他の作曲家含めて多くの歌曲のピアノトランスクリプションをリストが作りましたが、リストの中では「ピアノ曲」と「歌曲」の垣根があまりないように感じます。シューベルトの歌曲のリストによるトランスクリプションを聴いても、それが原曲かのような自然なトランスクリプションになっていると思います。

上で言ったように歌曲は詳しくないのですが、リストのトランスクリプションでその存在を知り、原曲歌曲を聴いてみることがあります。ミニヨンはベートーヴェンもその詩に歌曲を作っているのですが、リストの編曲で知りました(笑)
リスト歌曲とトランスクリプション
ミッチ様、こんにちは。

先日ブログ記事を拝見したおかげで、プライスの記事が書きかけだったのを思い出して、早速完成させました。どうもありがとうございました。

リストのオリジナル歌曲を聴いていると、歌のパートでも、ピアノ伴奏でも、リスト的なものというか、他のピアノ作品を連想することがよくあります。
ピアノパートが凝っているのも、ピアノ好きにはとても魅力的です。

たしかに、リストのトランスクリプションは、原曲歌曲と編曲との隔たりを感じさせませんね。
それに、シューベルト歌曲は元々苦手だったので、ピアノ編曲の方が好きな曲が多いです。
ベートーヴェンなら、連作歌曲「遥かなる恋人に寄す」はリストのピアノ編曲の方を最初に聴いた覚えがあります。
編曲物を避ける人もいるようですが、ピアノ好きとしては、リストの編曲物の素材がバラエティ豊かで膨大なのは、とてもありがたいですね。

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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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