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新譜情報:スティーヴン・ハフ 『French Album』
スティーヴン・ハフの新譜は、久しぶりにピアノ小品を集めたアルバム『French Album』。
最近のハフの新譜は、ショパン、リスト、グリーグなどの名曲の録音が多かったので、オムニバスの小品集を録音するのは止めたのかと思っていた。

今まで録音した小品集アルバムのテーマは、英国、スペイン、現代アメリカ(の変奏曲)だったので、今回はフランス。
フランス人作曲家のピアノ小品を集めたごく普通のオムニバスCDならパスするけれど、ハフが今まで録音した小品集はどれも選曲がユニークで珍しい曲も多いし、ハフの演奏も鮮やかで素敵。
この『French Album』は、バロックから20世紀の音楽に、オペラの編曲ものまで多彩で、意外な選曲が多い。

Stephen Hough's French AlbumStephen Hough's French Album
(2012/09/11)
Stephen Hough

試聴する(hyperionウェブサイト)

9/6現在、amazon.jpでは予約受付中。HMVやamazon.ukではすでにリリース済み。
プーランクの《Mélancolie》は、9月のサンプラーになっているので、hyperionサイトで無料ダウンロード可能。
※9月のサンプラーアルバム:『Hyperion monthly sampler – September 2012』


hyperionのウェブサイトで『French Album』を試聴。
第1曲は、なぜかバッハの有名な《トッカータとフーガニ短調 BWV565》のピアノ編曲版。
この曲をピアノソロは、ブゾーニ編曲版が使われることが多いけれど、このバージョンはスイス生まれのピアニスト、コルトーの編曲版をさらにハフが編曲したもの。(『French Album』にしては、ややこじつけ気味のような気がしないでもないけれど)
ハフはリサイタルでも《トッカータとフーガ》を弾いていたので、それと同じバージョンのはず。

第2曲は、バッハの《チェンバロ(ピアノ)協奏曲第5番》第2楽章Largo。
「Arioso」として有名な曲で、ケンプもピアノ編曲している。ハフが弾いているのは、コルトー編曲版。
優しく甘美なハフのピアノの音色がとっても綺麗。

ほとんど聴かないフォーレやシャブリエ、シャミナード、マスネは美しい曲が多い。(似たような雰囲気がするけど)
好きな作曲家のプーランクの作品は、曲想の違った3曲。選曲がとっても面白い。
《Mélancolie》は、メランコリーにしては明るく優しい雰囲気。《Nocturne No 4 'Bal fantôme'》(幽霊たちの舞踏会)は、密やかでゆらゆらと頼りなげ。《Improvisation No.8》はちょっとシニカルでユーモラス。
ラヴェルの《Alborada del gracioso》(道化師の朝の歌)は、ハフの技巧が冴えている。
変わったところでは、アルカンの《La chanson de la folle au bord de la mer》(海辺の狂女の歌)やレオ・ドリーブの《Pizzicat》。
ラストはとても華々しいリストのオペラ・パラフレーズ。アレヴィのオペラ《La Juive》(ユダヤの女)の素材を使った幻想曲《Réminiscences de La juive》(「ユダヤの女」の回想)。

ハフの鮮やかな技巧と美しい色彩感の繊細な音色がとてもよく映えるアルバム。
試聴した印象がとっても良かったので、これはすぐにオーダー。ハフが最近リリースしたアルバムのなかでは、一番楽しめそう。

tag : スティーヴン・ハフ

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(非公開コメント受付中)

No title
私は初めてハフのピアノを聴きました。
アルバムを視聴しましたが、良いですね~。
今まで聴いたことのない感じで、すごく新鮮です!

フランスのピアノ小曲集っていうのも、珍しいような?
私、フォーレ好きなんですが、4曲も入っていますね!
プーランクのメランコリー、なんて素敵なんでしょう!
ヴァラエティに富んだ選曲ですね。大人のアルバムですね~。
欲しくなってきました。
素敵なアルバムでしょう!
Tea316様、こんばんは。

ハフは日本ではあまり知られていませんね。
超絶技巧の持ち主ですが、音が美しく叙情表現も上手い人なので、欧米では非常に評価の高い人なんですが。
彼は小品集のアルバムが好きなのか、Virginレーベル時代から何種類も録音してます。
「French Album」は選曲がとてもユニークで良いでしょう!意外な作品が多くて新鮮です。(多少こじつけ気味ですけど)

参考までに、昔から特に人気があるのが、技巧的難曲・稀少曲の小品集『Piano Album』です。選曲・演奏とも冴えてます。
http://www.amazon.com/The-Piano-Album/dp/B000TETGZW/ref=tmm_other_meta_binding_title_0?ie=UTF8&qid=1347041377&sr=1-3

他に、ラフマニノフ(特に評判良いです)とチャイコフスキーのピアノ協奏曲全集、リスト曲集(Virgin盤)などの名曲も定評があります。
Youtubeにはライブ映像などいろいろありますので、ご興味があれば探してみてくださいね。

フランスの作曲家だと、ドビュッシー、ラヴェル、プーランクはCDを結構持っているんですが、フォーレは少ないですね。
そういえば、ロンクウィッヒのECM録音の中にメシアンと一緒に入ってました。メシアンが好きなので買っておいたのですが、また聴いてみます。

プーランクは、お洒落でユーモアのある作品も多くて、面白い作曲家です。
村上春樹はプーランクが好きだそうですよ。「日曜日の朝のフランシス・プーランク」というエッセイ(評論)を書いてます。
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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