【新譜情報】スティーヴン・ハフ 『French Album』
2012.09.06 18:00| ♪ スティーヴン・ハフ|
スティーヴン・ハフの新譜は、久しぶりにピアノ小品を集めたアルバム『French Album』。
最近のハフの新譜は、ショパン、リスト、グリーグなどの名曲の録音が多かったので、オムニバスの小品集を録音するのは止めたのかと思っていた。
今まで録音した小品集アルバムのテーマは、英国、スペイン、現代アメリカ(の変奏曲)だったので、今回はフランス。
フランス人作曲家のピアノ小品を集めたごく普通のオムニバスCDならパスするけれど、ハフが今まで録音した小品集はどれも選曲がユニークで珍しい曲も多いし、ハフの演奏も鮮やかで素敵。
この『French Album』は、バロックから20世紀の音楽に、オペラの編曲ものまで多彩で、意外な選曲が多い。
9/6現在、amazon.jpでは予約受付中。HMVやamazon.ukではすでにリリース済み。
プーランクの《Mélancolie》は、9月のサンプラーになっているので、hyperionサイトで無料ダウンロード可能。
※9月のサンプラーアルバム:『Hyperion monthly sampler – September 2012』
hyperionのウェブサイトで『French Album』を試聴。
第1曲は、なぜかバッハの有名な《トッカータとフーガニ短調 BWV565》のピアノ編曲版。
この曲をピアノソロは、ブゾーニ編曲版が使われることが多いけれど、このバージョンはスイス生まれのピアニスト、コルトーの編曲版をさらにハフが編曲したもの。(『French Album』にしては、ややこじつけ気味のような気がしないでもないけれど)
ハフはリサイタルでも《トッカータとフーガ》を弾いていたので、それと同じバージョンのはず。
第2曲は、バッハの《チェンバロ(ピアノ)協奏曲第5番》第2楽章Largo。
「Arioso」として有名な曲で、ケンプもピアノ編曲している。ハフが弾いているのは、コルトー編曲版。
優しく甘美なハフのピアノの音色がとっても綺麗。
ほとんど聴かないフォーレやシャブリエ、シャミナード、マスネは美しい曲が多い。(似たような雰囲気がするけど)
好きな作曲家のプーランクの作品は、曲想の違った3曲。選曲がとっても面白い。
《Mélancolie》は、メランコリーにしては明るく優しい雰囲気。《Nocturne No 4 'Bal fantôme'》(幽霊たちの舞踏会)は、密やかでゆらゆらと頼りなげ。《Improvisation No.8》はちょっとシニカルでユーモラス。
ラヴェルの《Alborada del gracioso》(道化師の朝の歌)は、ハフの技巧が冴えている。
変わったところでは、アルカンの《La chanson de la folle au bord de la mer》(海辺の狂女の歌)やレオ・ドリーブの《Pizzicat》。
ラストはとても華々しいリストのオペラ・パラフレーズ。アレヴィのオペラ《La Juive》(ユダヤの女)の素材を使った幻想曲《Réminiscences de La juive》(「ユダヤの女」の回想)。
ハフの鮮やかな技巧と美しい色彩感の繊細な音色がとてもよく映えるアルバム。
試聴した印象がとっても良かったので、これはすぐにオーダー。ハフが最近リリースしたアルバムのなかでは、一番楽しめそう。
最近のハフの新譜は、ショパン、リスト、グリーグなどの名曲の録音が多かったので、オムニバスの小品集を録音するのは止めたのかと思っていた。
今まで録音した小品集アルバムのテーマは、英国、スペイン、現代アメリカ(の変奏曲)だったので、今回はフランス。
フランス人作曲家のピアノ小品を集めたごく普通のオムニバスCDならパスするけれど、ハフが今まで録音した小品集はどれも選曲がユニークで珍しい曲も多いし、ハフの演奏も鮮やかで素敵。
この『French Album』は、バロックから20世紀の音楽に、オペラの編曲ものまで多彩で、意外な選曲が多い。
![]() | Stephen Hough's French Album (2012/09/11) Stephen Hough 試聴する(hyperionウェブサイト) |
9/6現在、amazon.jpでは予約受付中。HMVやamazon.ukではすでにリリース済み。
プーランクの《Mélancolie》は、9月のサンプラーになっているので、hyperionサイトで無料ダウンロード可能。
※9月のサンプラーアルバム:『Hyperion monthly sampler – September 2012』
hyperionのウェブサイトで『French Album』を試聴。
第1曲は、なぜかバッハの有名な《トッカータとフーガニ短調 BWV565》のピアノ編曲版。
この曲をピアノソロは、ブゾーニ編曲版が使われることが多いけれど、このバージョンはスイス生まれのピアニスト、コルトーの編曲版をさらにハフが編曲したもの。(『French Album』にしては、ややこじつけ気味のような気がしないでもないけれど)
ハフはリサイタルでも《トッカータとフーガ》を弾いていたので、それと同じバージョンのはず。
第2曲は、バッハの《チェンバロ(ピアノ)協奏曲第5番》第2楽章Largo。
「Arioso」として有名な曲で、ケンプもピアノ編曲している。ハフが弾いているのは、コルトー編曲版。
優しく甘美なハフのピアノの音色がとっても綺麗。
ほとんど聴かないフォーレやシャブリエ、シャミナード、マスネは美しい曲が多い。(似たような雰囲気がするけど)
好きな作曲家のプーランクの作品は、曲想の違った3曲。選曲がとっても面白い。
《Mélancolie》は、メランコリーにしては明るく優しい雰囲気。《Nocturne No 4 'Bal fantôme'》(幽霊たちの舞踏会)は、密やかでゆらゆらと頼りなげ。《Improvisation No.8》はちょっとシニカルでユーモラス。
ラヴェルの《Alborada del gracioso》(道化師の朝の歌)は、ハフの技巧が冴えている。
変わったところでは、アルカンの《La chanson de la folle au bord de la mer》(海辺の狂女の歌)やレオ・ドリーブの《Pizzicat》。
ラストはとても華々しいリストのオペラ・パラフレーズ。アレヴィのオペラ《La Juive》(ユダヤの女)の素材を使った幻想曲《Réminiscences de La juive》(「ユダヤの女」の回想)。
ハフの鮮やかな技巧と美しい色彩感の繊細な音色がとてもよく映えるアルバム。
試聴した印象がとっても良かったので、これはすぐにオーダー。ハフが最近リリースしたアルバムのなかでは、一番楽しめそう。
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