2012_10
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(Tue)09:00

グリーグ/チェロソナタ 

アルフレッド・パールのディスコグラフィをチェックしていてたまたま見つけたのが、グリーグの《チェロソナタイ短調 Op.36》。
カップリングは、ラフマニノフの《チェロソナタ》。
グリーグはピアノ協奏曲以外はほとんど聴かないので、ピアノ作品でさえどういう曲があるのか、《叙情小曲集》以外はわからない。

グリーグが書いたチェロソナタは1曲のみ。(ヴァイオリンソナタは数曲書いている)
グリーグとラフマニノフというのは、作風が全然違うというイメージがあるけれど、グリーグのチェロソナタを聴いてみると、第1楽章と第3楽章の急速部分はかなりラフマニノフ風。
ロシア音楽のような粘着性のあるパッションではなくて、もっとストレートで後味すっきり。(ラフマニノフもあまり聴かないので、この印象はもしかしたら違うかも..)
ピアノ伴奏のヴィルトオーソ的なパッセージがとても華やか。
疾風怒涛の如くテンションが高くて、激しさが静けさと頻繁に交代し、ほの暗い情熱が燃え立つようなロマンティシズム溢れる曲。

第1楽章Allegro agitato
主題部分でピアノが和音で弾いている旋律は、一度聴くと記憶にしっかり残るようなとってもパッショネイトな旋律。
まるでラフマニノフの曲のように思えてきて、ラフマニノフのチェロソナタとこんがらがってしまった。
突然静まりかえったアダージョ風な第2主題になると、これはラフマニノフの世界とは違って、北欧の明るく透明感のある清々しい叙情感が漂っている。

楽譜を見ないで聴いていたので、中間部に入るところが少しわかりにくい。
最初は比較的テンションを抑えてほの暗い叙情感のある旋律だったのに、徐々にパッショネイトになっては、テンションが再び下がって、また激しさを増していき、再現部へ。
緩急・静動の差が激しく、それがたびたび(ときに突如として)交代する。
動的な部分は情熱を叩きつけるように激しい曲だったのに、緩徐部分になると全く雰囲気が変わって、大らかで伸びやか。
曲のところどころでピアノ協奏曲に出てきたような旋律(ピアノのアルベジオ伴奏とか)が聴こえてくる。

Grieg Cello Sonata Opus 36 Rostropovich Richter 1. Movement



第2楽章 Andante molto tranquillo
冒頭主題は、北欧の寒い夜に、暖かい家のなかでゆったりとくつろいでいるようなのどかさと静けさがある。
窓の外ではしんしんと雪が降っているような旋律のピアノ伴奏。と思っていたら、途中で感情が昂ぶったように激しくなる。

Grieg Cello Sonata Opus 36 Rostropovich Richter 2. Movement



第3楽章Allegro
第3楽章は序奏付き。主題に入ると、第1楽章のようにテンション高く、疾走感のある舞曲的な旋律。
馬が疾走するようにリズミカルで躍動的。ラフマニノフの《チェロ・ソナタ》や《パガニーニ狂詩曲》を連想するような雰囲気がある。
Allegroの最終楽章にしては緩徐部分がかなり多く、そこでは穏やかに始まるけれど、徐々にパッショネイトになっていく。
旋律自体はあまりメロディアスではなく、一気に疾走するかと思うと、急にテンポが変わって穏やかになったりする。(このチェロソナタはどの楽章もそういうところがある)

Grieg Cello Sonata Opus 36 Rostropovich Richter 3. Movement


タグ:グリーグ リヒテル

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2 Comments

mimiha  

グリーグのチェロソナタを、アルゲリツチのピアノ・マイスキーのチェロで試聴していて、3楽章が見つからず、こちらにたどり着きました♫ そうしましたらナント! ロストロポーヴィチとリヒテルという、まさに鬼に金棒のような組み合わせの演奏じゃございませんか^^ なんて素敵な^^
アルゲリッチのピアノも素敵で、迫力―満点でしたが、こちらも凄い^^ うれしい記事、ありがとうございました^^

2016/04/29 (Fri) 13:52 | REPLY |   

yoshimi  

 

mimiha様、こんばんは。

このチェロソナタは、まるでラフマニノフを聴いている気分になります。
アルゲリツチ&マイスキーは聴いたことがありませんが、ロストロポーヴィチ&リヒテルの演奏はいいですね。
記事がお役に立てて何よりです。

2016/04/29 (Fri) 21:39 | EDIT | REPLY |   

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