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パンと添加物
いつもホームベーカリーで食パンを焼くのがすっかり習慣になってしまい、パンを買うことがほとんどない。
そもそも菓子パン・惣菜パンの類はめったに食べないので、食パンにベーグル、フランスパン、フォカッチャ、ナンが自分で作れれば、充分。
ほんのたまに、焼きたてパンを出すベーカリーショップでハード系のパンや菓子パンを買うこともあるけれど、その時に気になるのは、袋詰めしていないパンには成分表示がないので、原材料が確認できないこと。(未包装の食品や、焼きたてパンや食品の量り売りなど店頭で包装されるものなどは、法律で成分表示が免除されている)
食パンは、普通は袋詰めして販売しているので、成分表示を見ると、添加物がいろいろ入っている。
ベーカリーショップと言っても、シンプルな食パンでこの状態なら、菓子パン・惣菜パンの類も推して知るべし..という気がする。天然酵母を使ったりしている有名な高級ベーカリーショップとかだと違うのかもしれないけれど、近くにお店がないので未確認。

<ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)>というブログに、パンと添加物をめぐる詳しい解説記事があって、科学的な情報がかなり多い。
- 「ヤマザキパンはなぜカビないか」 ~FOOCOM.NET記事より
- 続「ヤマザキパンはなぜカビないか」
- 続々「ヤマザキパンはなぜカビないか」臭素酸カリウムについて
- 続×3 「ヤマザキパンはなぜカビないか」 ~食品に生えるカビとその毒性について

ヤマザキパンは添加物が多いと昔から言われているけれど、それは同社に限ったものではなく、袋物のパンメーカーはどこも似たようなもの。
スーパーの店頭にたくさん陳列されている大手・中小パンメーカーの袋入りパンの成分表示を見ていると、一部の食パンを除いて、複数の添加物を使っている製品がほとんど。
神戸屋、パスコ、フジパン、第一パンなどの大手から、最近よく見かけるオイシス、ニシカワ食品(それに、スーパーのPB)のパンも、菓子パン・惣菜パンには、ヤマザキパンと同等かそれ以上(数種類~10種類前後)の種類の添加物が表示されている。
”イーストフード・乳化剤無添加”の食パンを売り物にしているメーカーであっても、食パン以外は添加物を減らすのは難しいらしい。

添加物が比較的少ないのは、シンプルな食パン、フランスパン、昔ながらのアンパン、ドーナツなど。
菓子パン・惣菜パン・デニッシュパンなど、ホイップクリーム・カスタードクリーム・ソース・チーズ・ハム・ソーセージ・マヨネーズなどを使っているものは、特に添加物が多い。
フィリングに使われている材料自体に添加物が数種類使われているので、最終的に添加物の表示も増えてしまうのだろう。

ヤマザキパンの食パン(芳醇、超芳醇)に特徴的なのは、「臭素酸カリウム」が使われている点。
原則として使用が禁止されている「臭素酸カリウム」が、パンだけに使用許可された経緯には興味深いものがある。
「臭素酸カリウム」は、EUでは使用禁止、米国では使用OK(ただし、1991年にFDAは自主的に使用中止するよう求めているという)。日本では、パン以外は使用禁止。
なぜ、パンに使っても良くて、他の食品には使ってはいけないのか?
不思議なものがあるけれど、パンの場合は、焼成中に臭素酸カリウムが高温で分解し、「残存が検出されない」ため、使用が認められている。(分析機器の測定限界があるので、「残存ゼロ」とは言えない)
それなら、他の食品でも、焼成中に分解して(ほとんど)残存しないことが確実なら使えば良いのに、どうやら厚生労働省がパンへの使用を承認しているのは、業界の主張を認めたためらしい。(そもそも当初、厚生労働省は使用自粛するよう業界団体へ指導していた)

厚生労働省の指導により、「臭素酸カリウム」を使用したパンにはその旨が表示されている。
ヤマザキパンの角食では「超芳醇」「芳醇」には使用されているが、それ以外の食パンには表示はなし。
山食(イギリスパン、ダブルソフト)には使用されていない。(焼成時に型を密閉しないので、臭素酸カリウムの残留量が多くなる)

「臭素酸カリウム」を食パンに使っているのは、どうやらヤマザキパンのみ。
それほど「臭素酸カリウム」の使用に拘るのは、他社とは違った品質のパンを製造するために重要な添加物だからなのだろうと思う。他メーカーは、ビタミンC等を代用している。


ヤマザキパンのパッケージに印刷されているの「臭素酸カリウム」に関する表示は以下の通り。

「超芳醇(レーズンを含む)」「芳醇」は品質改善と風味の向上のため臭素酸カリウムを使用しております。
その使用量並びに残存に関しては厚生労働省の定める基準に合致しており、第三者機関(日本パン技術研究所)による製造所の確認と定期検査を行なっております。
((社)日本パン工業会 科学技術委員会小委員会)


同社ホームページに記載されている解説資料:
●臭素酸カリウムに関する解説:社)日本パン工業会科学技術委員会小委員会のホームページ
●論文:「パン用生地改良剤である臭素酸カリウムの安全使用について」(PDF)「パン用生地改良剤である臭素酸カリウムの安全使用について」(PDF)


                            

最近、「浅漬けによるO157集団食中毒」がニュースになっている。
今回の事件の原因は、通常の倍量の野菜を使ったため、消毒液の濃度が低下して、十分に消毒・殺菌ができなかったためらしい。
<時代おくれの漬物屋ブログ>に、「漬物と添加物」の情報が載っている。漬物を大量生産するメーカーでは、漬ける野菜を「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒するという。

<生協の宅配パルシステム>の製品例では、市販の浅漬けタイプの漬け物の賞味期限は、ほぼ1週間から2週間。
浅漬けの場合は塩が少ないので、日持ちも悪い。しっかり消毒しておかないと雑菌が繁殖して、今回のように食中毒を起すことになる。
家庭で作るお漬物は、消毒しないし、ソルビン酸カリウムなどの保存料も使っていないので、日持ちするのはせいぜい1週間。

市販の漬物は、じっくり"漬ける"というよりは、多種類の添加物混合液に浸しているようなもの。
成分表示に添加物がズラズラ並んでいるのを見ると、どうにも買う気がしなくなる。
自宅で食べるお漬物は全て自家製。たいてい2~3日で食べ切ってしまうし、塩や酢も入っているので、今までお腹を壊したことはないので安心。
自家製といっても、ぬか漬けは手間がかかるので、作るのは浅漬け・甘酢づけ・醤油づけ。材料が塩、お酢、砂糖、しょうゆ、こんぶくらい。作り方もいたって簡単。(ただし、市販の「浅漬けの素」は添加物が数種類入っているので使わない)
特に、今流行っている「塩こうじ」で野菜(大根、なす、きゅうり、白菜など)を漬けると、これがとても美味しい。好きだった甘酢漬けにかわって、今は塩こうじ漬けのお漬物がほとんど。
冬になると、酒粕の大パックを買うので、手づくりの酒粕づけの季節。みりんで酒粕をのばしてから野菜を漬けると、これも美味しい。

                            

『食品の裏側―みんな大好きな食品添加物』は、食品添加物を売る側・買う(使う)側のインサイドストーリー。
実話で面白いことに加えて、加工食品別に使われている添加物が書かれているので、商品を買う上でいろいろと役に立った。
科学的に間違った記述が多く"トンデモ本"と言われた『買ってはいけない』と違って、実際の食品添加物メーカーの営業マンが書いた話なので、実体験に裏付けられたリアリティと説得力がある。
添加物を使うのは造る側・売る側の都合なのだろうけれど、その添加物によって、加工食品が安く作れて、品質も安定し、長期保存もできるので、消費者にとっても便利な代物。
そういう意味で、製造メーカー、小売業者、消費者は、”互恵”関係にでもあるというところだろうか。

食品の裏側―みんな大好きな食品添加物食品の裏側―みんな大好きな食品添加物
(2005/10)
安部 司

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<過去記事>
安部 司 『食品の裏側 - みんな大好きな食品添加物』
無知というのはオソロシイ『食品の裏側』


amazonを探していると、無添加食品の危険性について書いた本がある。これは未読。発行が日経BPコンサルティング。
どんなことが書かれているのかちょっと興味があるので、参考までに読んでも良さそう。

無添加はかえって危ない ―誤解だらけの食品安全、正しく知れば怖くない無添加はかえって危ない ―誤解だらけの食品安全、正しく知れば怖くない
(2011/08/01)
有路昌彦

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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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