シマノフスキ ~ 12のエチュード Op.33

ミハイル・ルディの『シマノフスキ作品集』に収録されている《12のエチュード Op.33》は、シマノフスキらしい幻想性が漂う曲が多くて、練習曲とはいっても、とても面白い曲集。

有名な初期の作品《4つのエチュードOp.4》は、第2番と第4番がメカニカル、第1番と第3番はショパンやスクリャービン風のロマン派的叙情漂う曲。特に、叙情美しい旋律の第3番は有名。
ルディは《4つのエチュード》は録音していない。

《12のエチュードOp.33》は、《4つのエチュード》とは全く違った作風。
こちらの方が現代的なシマノフスキらしい曲集。
印象主義の影響をうけた頃の作品なので、同時期に作曲された《メトープ Op.29》や《仮面劇 Op.34》と相通ずるような幻想的な作風。リゲティのエチュードに似たところもある。
第2番Andantino Soaveは、スクリャービンの《Prelude Op.16》第4番の主題旋律が織り込まれている(ように聴こえる)。
第11番Andante soaveは《メトープ》の「L'Ile des Sirènes」のようにファンタスティック。
第8番Lento assai mestoの重く苦しい雰囲気は、近い時期に書かれた《ピアノ・ソナタ第3番Op.36》の第1楽章を連想する。
第1番Prestoも似たような旋律の曲をどこかで聴いたような気がする。

PrestoやVivaceの練習曲は、細かい音が連なるパッセージや和音が激しく行き来して声部が錯綜するなかに、主旋律が織り込まれているパタ-ンの曲が多い。
主旋律をはっきり繋げて浮かび上がらせないと、全体的に音がごちゃごちゃ雑然と並んだような曲に聴こえてしまう。(ルディやロスコーの演奏なら大丈夫)

Szymanowski - Etude No.11 Op.33 - Andante soave (Martin Roscoe, piano)


さすがに録音の多い曲集ではないので、Youtubeの音源もわずか。
そのなかで面白い音源は、Digital Performer”MOTU”とバーチャル・グランド・ピアノ音源”Synthogy Ivory”を使って人工的に作り上げたデジタル演奏。
最初はそれを知らずに聴いていたので、てっきりピアニストがアコースティックのグランドピアノで演奏していると思っていた。
”Ivory”には、グランドピアノ3台(Bösendorfer 290 Imperial Grand、German Steinway D 9' Concert Grand、Yamaha C7 Grand)の音が収録されているようなので、音はとても綺麗。
全曲聴いていると、どの曲の演奏も、テンポや強弱の幅・推移のパターンが一定で、流麗にスラスラとひっかかりなく流れていき、表現が似通って平板に思えてくる。そう感じるのはバーチャルピアノの演奏だという先入観があるからかも。
でも、ロスコーやルディの演奏と聴き比べると、やはり彼らの演奏の方が色彩感が鮮やかで起伏も多彩。微妙なテンポの揺れもあり、何よりピアニストの感情が篭められたような”生気”を感じる。

Szymanowski etudes op 33
(created, edited and mastered in Digital Performer (MOTU) using Ivory (Synthogy) sound banks.)




ロスコーのシマノフスキ作品集(Naxos盤)
シマノフスキ: ピアノ曲集 - 第3集シマノフスキ: ピアノ曲集 - 第3集
(2000/09/01)
マーティン・ロスコー

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ルディのシマノフスキ作品集(EMI盤)
Piano Works / Works for Violin & PianoPiano Works / Works for Violin & Piano
(2005/08/30)
Mikhail Rudy

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