メンデルスゾーン/厳格な変奏曲、前奏曲とフーガ第1番ホ短調、スコットランド・ソナタ

2016.02.12 12:01| ♪ スティーヴン・ハフ
メンデルスゾーンはピアノ独奏曲をかなりたくさん書いているけれど、《無言歌》だけがやたらに有名な気がする。
《無言歌》は子供の頃にピアノのレッスンで数曲練習したけれど、どうも好きに慣れなかった。
それ以来メンデルスゾーンを聴く(弾く)気にならなかったけれど、ゼルキンCDを収集している時に聴いたピアノ協奏曲第1番で印象がすっかり変わってしまった。
ピアノ独奏曲をいろいろ聴いてみると、ロマン派のなかでは、ショパンやシューマンよりも、メンデルスゾーンの方が私の好みに合っている。

メンデルスゾーンのピアノ作品で好きな曲といえば、《ピアノ協奏曲第1番》、《ロンド・カプリチオーソ》、《前奏曲とフーガ ホ短調 Op.35-1》、《厳格な変奏曲》、《幻想曲嬰へ短調~スコットランド・ソナタ》、リスト編曲版の《歌の翼に》。
それ以外で比較的好きなのは、《7つの性格的な作品》や《アンダンテ・カンタービレとプレスト・アジタート ロ長調》、《カプリッチョ 嬰ヘ短調》、《「夏の名残のばら」による幻想曲》など。
それに、最近聴いたレーゼルのピアノ小品集アルバムに収録されていた《春の歌》が素晴らしかったので、全然好きではなかったこの曲がレーゼルの演奏ならメンデルスゾーンの作品のなかでも一番好きな曲のひとつになってしまった。


《6つの前奏曲とフーガ》Op.35(1827-37年)[作品解説]

メンデルスゾーンは、ルドルフ・ゼルキンの重要なレパートリー。12歳の時にピアノ協奏曲第1番を弾いてデビュー。
このコンチェルトや《ロンド・カプリチオーソ》と《前奏曲とフーガ第1番ホ短調 Op.35-1》も高齢になってからも演奏会で弾いていた。
《前奏曲とフーガ第1番》はゼルキンのライブ録音(BBC Legend)に収録されている。
ゼルキンの前奏曲は、がっちりとした構成と力強いタッチ。
この演奏を聴きなれているし、バッハを聴いている気もするので、個人的にはこれがスタンダード。NAXOS盤のフリスも似たような方向性。
逆に、ペライアやメジューエワを聴くと、やや柔らかなタッチでロマンティックな雰囲気が強くなるので、どうも気が抜けてしまう。

Serkin plays Mendelssohn Prelude & Fugue in E minor, op.35 no.1
(Royal Festival Hall, London on 3 Feb 1975.)


Mendelssohn: Prelude & Fugue; Brahms: 4 Piano Pieces; Beethoven: Diabelli VariationsMendelssohn: Prelude & Fugue; Brahms: 4 Piano Pieces; Beethoven: Diabelli Variations
(2007/07/31)
Rudolf Serkin

試聴する(allmusic.com)



《厳格な変奏曲》Op.54(1841年)[作品解説]

スティーブン・ハフのピアノソロアルバム『イン・リサイタル』の冒頭曲。
ハフはメンデルゾーンのピアノ協奏曲とピアノ&管弦楽曲をすでに録音しているので、メンデルスゾーンの作品は好みに合うらしい。
《前奏曲とフーガホ短調》と曲想が似ていて、曲名どおり厳粛な雰囲気が漂っている。

Stephen Hough plays Mendelssohn - LIVE (live recital at the Louvre in 2008)


Stephen Hough in recitalStephen Hough in recital
(2009/03/10)
Stephen Hough

試聴する(hyperion.co.uk)




《幻想曲嬰へ短調「スコットランド・ソナタ」》Op.28[作品解説]

もの哀しく幻想的な第1楽章。スコットランドの爽やかな夏のように楽しげな第2楽章。波が激しく打ち寄せるような第3楽章。
スコットランドの風景映像が次々と移り変わっていくように、明瞭に異なる曲想のコントラストが鮮やかで、ドラマティック。
私は名曲だと思うけれど、意外と知られていないような気がする。

Murray Perahia - Felix Mendelssohn, Fantasy in F#- ("Scottish Sonata") Op.28


<過去記事>メンデルスゾーン/幻想曲 嬰へ短調 <スコットランド・ソナタ>

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コメント

こんにちは。

イマイチ影が薄いですよね、メンデルスゾーン。良い曲が多いと思うんですが。作風もショパンやリストはともかく、シューマンよりは万人受けしそうな気がしますし。「厳格な変奏曲」は演奏効果も高そうですし、弾いてくれるピアニストがもっと増えるといいな、と思っています。

個人的には、(ロマン派の中では)作風が保守的なことと、才能がありすぎて、色々なジャンルに曲を書いたことが影が薄い要因かな、と思っています。オールマイティーさがかえって災いしてしまったような。そういう意味ではサン=サーンスに通じるものがありますね。もう少し見直されてもいいと思うんですが。

「前奏曲とフーガ」は六曲もあるのですね。全く知りませんでした(恥)。ペライアは確か一番だけ録音していたような。バッハ好きとしては聴くしかありませんね。NAXOSのフリス盤も聴いてみようと思います。

 

かかど様、こんばんは。

メンデルスゾーンの作品には、名曲が多いですね。交響曲に「フィンガルの洞窟」、ヴァイオリン協奏曲に弦楽八重奏曲、ピアノ三重奏曲など、好きな曲が多いです。

ピアノ曲について言えば、ショパン・シューマン・シューベルトを弾く人は多いですが、メンデルスゾーンでよく弾かれているのは「無言歌集」と(プロなら)「ピアノ協奏曲第1番」くらいでしょうか。
個人的には「スコットランドソナタ」は隠れた名曲のように思います。
「前奏曲とフーガ」で演奏機会が多いのは1番です。
全集録音以外で、他の曲を単独で録音している人は少ないでしょう。

メンデルスゾーンの作品は、情感もべたべたと深くなることはないですし、サン=サーンスほどにピアニスティックな派手さはないので、ロマン派のピアノ曲のなかではちょっと地味ですね。
均整のとれた叙情感と品のよさがあるので、(ブラームスは別として)情緒過剰気味のロマン派の名曲よりも私は好きですが。

お久しぶりです。  

メンデルスゾーンのピアノ曲良いですよね!上で挙げられている曲は僕も好きです。とても素晴らしいと思うのですが、なぜか知名度が低いですね。
上で挙げられてないものだと「3つのカプリッチョ Op.33」と「アンダンテ・カンタービレとプレスト・アジタート(変ロ長調とト短調のモノ)」が好きです。
https://www.youtube.com/watch?v=I9tb0f3ME7w
僕はこれらの曲はマーティン・ジョーンズの演奏でよく聴きます。彼の演奏は細部が曖昧で大雑把なんですが、勢いがあって好きです(笑)。

ゼルキンの演奏は初めて聴きましたが素晴らしいですね。動画のご紹介ありがとうございます。

 

ミッチ様、こんにちは。
ほんとうにお久しぶりです。

「3つのカプリッチョ」と「アンダンテ・カンタービレとプレスト・アジタート」は、たぶん聴いたことがありません。
「アンダンテ・カンタービレ....」は、メンデルスゾーンがよく使う前・後編(スローで叙情的な前半とパッショネイトで速いテンポの後半)の2段構えの曲ですね。

マーティン・ジョーンズは、ちょっとレアな曲集も含めて、全集物をよく録音しているので、NMLで何度か聴きました。
確かに勢いは良いですね。緻密で丁寧とは言えないところはありますけど...。

ゼルキンは、デビュー曲がメンデルスゾーンのピアノ協奏曲第1番だったそうですし(高齢になっても弾いてました)、録音も数曲残していますから、メンデルスゾーンを得意としていたのではないかと思います。


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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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