秋の夜長に聴きたい曲 (2) 

2012, 11. 11 (Sun) 15:00

秋と言っても、かなり冷え込んできたので、もう晩秋か初冬。
寒くなってくると、家で暖かいココアとお菓子をいただきながら、ほっこりできる音楽を聴くのが一番。

ブラームスの後期ピアノ小品集のなかで最も人気がある(と思う)Op.118の第2番インテルメッツォ(イ長調)
それと同じくらいに素敵な第5番ロマンス(ヘ長調)
第5番ロマンスの方はそれほど人気がある曲ではないようでも、遠い日のロマンスを追憶するような幸福感と哀惜感が美しすぎる。
中間部は蝶が舞うように軽やかで夢想的。過去の幸せな記憶が蘇ってくるような雰囲気に、カッチェンのふわふわとしたトリルのニュアンスがぴったり。


Brahms - Julius Katchen - Klavierstücke op. 118
第2番(1:53-),第5番(13:37-)

最後の第6番変ホ短調は、寂寥感と陰鬱な雰囲気に満ちていながらも、(運命への怒りなのか、抵抗なのか?)激情が噴出し、悲愴感の中にも力強い意志が流れているようなドラマティックな曲。


Op.117の第1番インテルメッツォ(変ホ長調)も、ブラームスらしい子守歌風の主題で、穏やかで包み込むような旋律。
中間部は憂愁が濃くなるけれど、主題があまりに美しくて印象的なので、暗鬱とした雰囲気も消え去っていく。
レーゼルの明るく透明感のある音色が暖かくてのどか。中間部も鬱々とせずにわりとあっさり。全体的に落ち着いたしっとりとした情感がとっても心地良い。
先日11月2日、東京の紀尾井ホールの演奏会でレーゼルが弾いたのはブラームスのピアノ協奏曲第2番。私は遠方なので聴きに行ってはいなかったけれど、アンコール曲がこのインテルメッツォだったそうです。

Brahms - Peter Rösel (1974) - Klavierstücke op 117 n 1,2,3




リッチー・バイラークが1977年にECMに録音したオリジナルのピアノソロ曲《Sunday Song》
硬質の住んだ響きと甘美なメロディが清々しくロマンティック。
北欧の冷たく澄んだ空気や清流をイメージさせるような叙情感が爽やか。

Sunday Song - Richie Beirach




明るい希望に満ちた曲といえば、タイトルも内容もそれに相応しいと思うラーシュ・ヤンソンの《Hope》
スウェーデンのジャズピアニストであるヤンソンらしく、明るさと温もりのある音色と澄んだ爽やかな叙情が心地良い。もう何度聴いたか数え切れないくらい。

Hope- Lars Jansson



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8 Comments

ポンコツスクーター  

秋の夜長

こんばんは。
ウィスキーの水割りを入れたグラスを傾けながら(笑)、ロマンス5番を聴かせてもらっていマス。
この季節にはぴったりの音楽ですね。赤く染まる葉っぱのような味わいがあります。6番も沁みます。
埼玉は今日は雨模様ですが、それがまた雰囲気をそそります。

2012/11/11 (Sun) 21:04 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

ロマンスはとても素敵な曲です

ポンコツスクーター様、こんばんは。

大阪も終日雨でした。雨が降るたびに寒くなっていきますね。
まだ暖房出していませんが、そろそろ一気に冷え込む日が来そうです。

「ロマンス」は、グールドも録音していないようですし、第2番と比べると弾く人が少ないように思います。
しみじみとした味わいのある曲なので、昔からとても好きな曲です。
過去を追憶して、万感が去来する...という気がしてくるので、物思いにかられる秋に似合うのかもしれません。
第6番になると、幸福な日々が過ぎ去ったかのように陰鬱になりますね。
Op.118の6曲は、一つのストーリーになった組曲のようにも思えてきます。

2012/11/12 (Mon) 00:24 | EDIT | REPLY |   

ひでくんママ  

ココアとお菓子

ほっこりしますね。あっブラームスも。

レーゼルさんのCDは伯父から貰った5枚の小品集が最初でした。徳間音工という会社から出ているもので、バラ売りの今となっては貴重なものです。
のちにセット物も購入しましたが、微妙に音が違います。私は国内盤の最初期が、良いように思います。
ブロムシュテットさんのドボ8とかスイトナーさんのブラームス交響曲全集(ブックオフで見つけて購入)を聴いても、音の潤いは徳間盤がいちばんでした。

ブラームスの小品集は、クラシック好きの男性と会話するときのリトマス紙みたい?
相手の嗜好、性向などを探るのに、うってつけの材料~罪なことをする女性もいますよ。殿方はお気をつけて下さい。笑

2012/11/12 (Mon) 21:19 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

レーゼルの国内盤

ひでくんママ様、こんばんは。

レーゼルの国内盤CDは、ドイツ・シャルプラッテンの録音で徳間ジャパンコミュニケーションズから発売されていたものですね。CDショップの中古品コーナーやオークションでときどき見かけます。
徳間のCDは昔から輸入盤よりも音質が良いと言われていたそうです。

キングレコードがその後、「HYPER REMASTERING Deutsche Schallplatten BEST」シリーズを出していますが、聞き比べた方によると、徳間のCDよりも音質が良いらしいです。
このシリーズのなかでは、ベートーヴェンのピアノ・ソナタのCDを持ってますが、録音年のわりに鮮明で残響も適度にあり音は良いように感じます。

2012/11/12 (Mon) 22:12 | EDIT | REPLY |   

momomama  

こんにちは


時期外れのコメントでもいいですか?

ずーっとグールドのブラームス・インテルメッツォop117を聴いていましたが、他の演奏家の物を購入したいと思っていました。レーゼルのはしっとりしてとてもいいですね。買いたくなりました。
ロマンスもいいですね。
ジャズもよく聴きました。かつて大西順子さんのファンでした♪

2012/12/20 (Thu) 11:58 | REPLY |   

yoshimi  

ブラームスと言えば

momomama様、こんにちは。

ブラームスのピアノ作品全集と言えば、ずっと昔はカッチェンの全集くらいしかなく、米国では今でも人気が高いです。
日本で一番人気があるブラームスの全集は、レーゼルの録音でしょう。価格的にも手頃ですし、透明感のあるさっぱりした叙情感を好む人が多いです。
私は最近聴いたコヴァセヴィチのブラームスもとても気にいってます。
いつも聴くのはこの3人のブラームスのどれかです。
ロマンスは、単独で演奏されることは少ない曲なのですが、素敵な曲ですね!

大西順子さんは、とうとう2度目(?)の引退宣言で、今度は本当に引退するみたいです。
私は初期の録音がとても好きだったので、カムバックした後はあまり聴いていませんが、独特の作曲センスと骨太の演奏は今の女性ピアニストでは聴けないですよね。
特に私が好きな曲は、ビレッジヴァンガードのライブ(最初の方)と、ユーロジアのシリーズです。

2012/12/20 (Thu) 12:31 | EDIT | REPLY |   

momomama  

色々勉強になります

クラシックもジャズも聴かれる方は少ないので嬉しいです。

ユーロジア、Ⅱと・・CDを探してみましたので久しぶりに車で聴きます。

前に書いたものが間違っていました。
momomama-pianonoheyayori お恥ずかしいですがよかったら覗いてください。猫と音楽の事など載せています。

2012/12/20 (Thu) 17:50 | REPLY |   

yoshimi  

ジャズピアノも良いですね

momomama様、こんにちは。

私が聴くジャズというと、ピアノソロかトリオがほとんどです。
それに、最近のCDはほとんど聴いていませんから、それほど詳しくはないのですが、好きなピアニストは何人かいます。特に好きなのは、リッチー・バイラークとブラッド・メルドー。

大西順子さんのビレッジヴァンガード・ライブでは、「How Long Has This Been Goin' On」が一番好きです。これは初めて聴いた時にゾクゾクするものを感じました。
「ユーロジア」も素敵な曲ですよね。クラシカルな雰囲気も漂っているところが私の好みに合うようです。

2012/12/20 (Thu) 20:15 | EDIT | REPLY |   

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