シュニトケ ~ ベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》第1楽章のカデンツァ 

2012, 11. 05 (Mon) 12:00

10月に来日したクレーメルがサントリーホールの演奏会で演奏したのは、ベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》。私は聴いてはいないけれど、第1楽章のカデンツァは、シュニトケ版を弾いていたという。

このヴァイオリン協奏曲にベートーヴェン自身はカデンツァを書かなかったため、ヴァイオリニストや作曲家がカデンツァを書いている。
クレーメルは昔から、シュニトケ版や自作カデンツァ(ベートーヴェンによるピアノ協奏曲用編曲版を元にしたもの)を弾いている。(両方のバージョンともCDあり)

シュニトケ版は、普通演奏されているクライスラー版カデンツァ(昔はヨアヒム版が多かったらしい)とは全く違い、ちょっと異次元の世界を垣間見たような不思議な感覚がする。
シュニトケは、バッハやモーツァルトの”パロディ”版みたいに聴こえる曲もいくつか書いているけれど、このベートーヴェンのカデンツァは、パロディ色は全くなくて、とっても真面目な雰囲気。

面白いのは、ベートーヴェンの原曲のモチーフを織り込みながら、バッハのコラール、ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章とブラームスのヴァイオリン協奏曲第1楽章冒頭部分(この2つはすぐにわかる)、ベルクのヴァイオリン協奏曲、バルトークのヴァイオリン協奏曲(第1番か第2番のいずれか。あまり聴かない曲なのでどちらかわからない)のモチーフが聴こえてくるところ。
さらに、ヴァイオリンによるクラスター効果という現代的奏法も取り入れているというので、まるでバロック~現代に至る音楽史のようなカデンツァ。
好きか嫌いかはともかく、これほどユニークで斬新な(それに奇抜な)カデンツァはそうそう聴けるものではないでしょう。

Beethoven Violin Concerto - Schnittke Cadenza Mov 1 - Kremer



<過去記事>
シュニトケのカデンツァ ~ ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲、モーツァルト/ピアノ協奏曲

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