シュニトケ ~ ベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》第1楽章のカデンツァ

10月に来日したクレーメルがサントリーホールの演奏会で演奏したのは、ベートーヴェン《ヴァイオリン協奏曲》。私は聴いてはいないけれど、第1楽章のカデンツァは、シュニトケ版を弾いていたという。

このヴァイオリン協奏曲にベートーヴェン自身はカデンツァを書かなかったため、ヴァイオリニストや作曲家がカデンツァを書いている。
クレーメルは昔から、シュニトケ版や自作カデンツァ(ベートーヴェンによるピアノ協奏曲用編曲版を元にしたもの)を弾いている。(両方のバージョンともCDあり)

シュニトケ版は、普通演奏されているクライスラー版カデンツァ(昔はヨアヒム版が多かったらしい)とは全く違い、ちょっと異次元の世界を垣間見たような不思議な感覚がする。
シュニトケは、バッハやモーツァルトの”パロディ”版みたいに聴こえる曲もいくつか書いているけれど、このベートーヴェンのカデンツァは、パロディ色は全くなくて、とっても真面目な雰囲気。

面白いのは、ベートーヴェンの原曲のモチーフを織り込みながら、バッハのコラール、ベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章とブラームスのヴァイオリン協奏曲第1楽章冒頭部分(この2つはすぐにわかる)、ベルクのヴァイオリン協奏曲、バルトークのヴァイオリン協奏曲(第1番か第2番のいずれか。あまり聴かない曲なのでどちらかわからない)のモチーフが聴こえてくるところ。
さらに、ヴァイオリンによるクラスター効果という現代的奏法も取り入れているというので、まるでバロック~現代に至る音楽史のようなカデンツァ。
好きか嫌いかはともかく、これほどユニークで斬新な(それに奇抜な)カデンツァはそうそう聴けるものではないでしょう。

Beethoven Violin Concerto - Schnittke Cadenza Mov 1 - Kremer



<過去記事>
シュニトケのカデンツァ ~ ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲、モーツァルト/ピアノ協奏曲

タグ:シュニトケ ベートーヴェン クレーメル

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

コメント

非公開コメント

◆カレンダー◆

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

◆ブログ内検索◆

◆最近の記事◆

◆最近のコメント◆

◆カテゴリー◆

◆タグリスト◆

マウスホイールでスクロールします

◆月別アーカイブ◆

MONTHLY

◆記事 Title List◆

全ての記事を表示する

◆リンク (☆:相互リンク)◆

◆FC2カウンター◆

◆プロフィール◆

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

◆お知らせ◆

ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿と思われるコメントや、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。