ストラヴィンスキー=ドゥーシキン編曲/《ペトルーシュカ》より「ロシアの踊り」(ヴァイオリンとピアノ編曲版)

先日14日、トッパンホールで行われたカヴァコスのリサイタルに関するレビューをいくつか読むと、アンコールは3曲で、最初の曲がストラヴィンスキーの《ペトルーシュカ》。
超絶技巧が鮮やかな曲で、演奏する方も聴衆もかなり盛り上がっていたらしい。

《ペトルーシュカ》の編曲版はピアノ独奏曲しか聴いたことがない。
ヴァイオリン&ピアノの編曲版があるのも知らなかったので、調べてみると「ロシアの踊り」をドゥーシキンが編曲したバージョンがある。
この編曲版は、庄司&カシオーリのデュオが、10月のリサイタルのアンコールでも演奏していたようだ。

Youtubeで《ペトルーシュカ》のヴァイオリン&ピアノ版の音源を探してみると、「ロシアのダンス」しか見つからない。どうやらカヴァコスが弾いていたのはこの曲らしい。
Youtubeの音源は知らない演奏者のものしかなく、演奏時間が2分半前後と短いので名曲オムニバスとかでしか、ほとんど録音しない曲なのかも。

Youtubeにある数少ない音源を聴くと、色彩感がとてもカラフル。ヴァイオリンの音色や奏法が多彩なので、表現の幅はピアノソロよりも広くて、軽妙だったり、優雅だったり、とっても面白い。
この演奏時間は2:40くらい。ピアノ独奏と比べてもテンポは遅くはないけれど、体感的に遅く感じる。
ピタッと合わせるのが難しいのか、ヴァイオリンとピアノが拍子をきちっと刻んで、互いの旋律の動きに合わせながら演奏しているような間合いを感じるので、勢いとスピード感はもう一つ。

Danse Russe Petrushka Stravinsky Gerardo Ribeiro violin James Howsmon piano



ピアノソロの《ペトルーシュカ》は、音色がガラスのようにキラキラと煌き、力強さとスピード感もあり華やか。
若かりし頃のポリーニのスタジオ録音が有名だけど、枝葉の少ないゴツゴツとした木の幹のような感じがする。
私にはキーシンの《ペトルーシュカ》の方が聴いていて楽しい。
第1楽章「ロシアの踊り」。ポリーニの方が勢いと迫力はあるけれど、キーシンの演奏は、指回りの良さが前面に出てくるのではなく、多彩な色彩感と艶やかな音色で、ソノリティが綺麗。旋律の歌いまわしにも歌心が感じられるし、旋律の中に埋め込まれている音がポンポンと飛び跳ねて、楽しげで鮮やか。

Evgeny Kissin - Stravinsky Petrushka (part 1/3)



タグ:ストラヴィンスキー キーシン

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コメント

ペトルーシュカ

こんばんは!
私、ペトルーシュカ大好きです!
私も編曲は、ピアノは聴いたことあるけど、ヴァイオリンは無いなあ。
そりゃ、こんなのをカヴァコスが演奏すれば、盛り上がるでしょうよ。

しかしキーシンは、流石でございますね~。
綺麗で楽しくて美しくて脱帽です。
やはり彼は天才なんだなあ。

アンコールにぴったり!

Tea316さん、こんばんは。

ペトルーシュカのピアノ編曲版は、この第1楽章の「ロシアの踊り」が楽しくて特に好きです。
ヴァイオリン版は珍しいですね。技巧的に難しいので、アンコールで弾くにしては、体力と集中力が入りそうです。
それに、ヴァイオリニストが弾けても、ピアニストが技巧達者でないと無理だろうと思うので、演奏機会が少ないのでしょう。
カヴァコスのデュオなら、このYoutubeの録音よりも、技巧が冴えて派手な(?)演奏になっているはずです。

ピアノソロだと、ポリーニの演奏は凄いのは確かなのですが、技巧の凄さで押し通していくようで、ちょっと聴き疲れします。
キーシンのペトルーシュカは、音も響きも美しくて、きらきらと輝いてますね!
新しい音楽のように、新鮮で面白く聴かせてくれるのは、いつもの彼らしいところです。
キーシンのCDは昔からかなり集めていますが、このCDはラックで眠っていたような...。探し出して、ちゃんと聴きたくなってきました。

ヘビイですねえ

こんにちは。
アンコールが「ペトルーシュカ」含んで3曲というのはすごいボリュームですね。
はるか昔、初めて聴きに行った外タレのコンサートは、ベロフのリサイタルでした。そのときにアンコールで演奏されたのが「ペトルーシュカ」だったんです。どういう演奏だったか覚えていないのですが、ずいぶん長いアンコールだなと思いました。そんなことを思い出しました。

アンコールも楽しみです

ポンコツスクーター様、こんばんは。

カヴァコスのアンコール曲は、ペトルーシュカは「ロシア人の踊り」のみで、これが6分前後です。
その後は、ベートーヴェンのヴァイオリンソナタの第6番&第8番から、それぞれ第2楽章を弾いたようです。

リサイタルの場合は、アンコールを数曲弾く人が多いですね。
先日のゲルギエフの演奏会では、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番のアンコールとして、マツーエフがチャイコフスキーの四季の「10月」、グリーグの「山の魔王の宮殿にて」の2曲。
コンチェルトのアンコールで2曲も弾くソリストは珍しいです。まあ若いから元気なものです。

キーシンは、リサイタルのアンコールは7曲くらいは弾いているようです。彼は表情は無愛想ですが、サービス精神旺盛ですね~。でも、本人は単に弾くのが好きなだけだと思います。

ペトルーシュカ(全曲でしょうか?)をアンコールで弾くというのは、体力いりますね。聴くほうもエネルギーが必要ですけど。
若い頃のベロフは、強靭な打鍵でパワフルなピアノを弾いてましたから、エネルギーが有り余っていたのかも。
プログラム本体に入れるような曲をアンコールで弾くとは、よほど演奏に自信があったのでしょう。

トッパンホールで聴いていました(^^)

こんばんは!はじめまして(^^)

いつも面白く参考になる記事ばかりで、楽しく拝見しております。

先日のカヴァコスのトッパンでのコンサート、聴いてきました。
ヴァイオリンが好きなので、色々なコンサートで聴いておりますが、
人生で一番感動したコンサートでした。

帰宅時はある意味ショックで(笑)ボーッと夢見心地で帰宅しました。
文才がないので、文章でうまくお伝えできないのがとても残念です(涙)。

アンコールのペトルーシュカは、まさにカヴァコスの超絶技巧が炸裂した…
夢のようなあっという間の時間でした。
ご指摘のとおり、カヴァコスさんのほうがピッチもすこし早い感じで、
youtubeのものよりはなんというか…
私には宝石のように音がきらきらと輝いて聞こえました。本当です。

アンコール前は観客も割れるような拍手があったものの、みなさまおとなしめで
派手なブラボーを言う方はほぼいらっしゃいませんでしたが…

ペトルーシュカのあまりの超絶技巧に会場はまさに興奮のるつぼ…
一斉にブラボーの声が飛びかいました。

余談ですが、終演後CD売り場で「あのアンコールの曲が入ったCDはないのか」
と係りに詰め寄っているおば様もお見かけしました。
(あっさりございませんと言われてがっかりされてました)
帰り道でも「あの曲すごかったねえ、でも何ていう曲だっけ、聞いたことあるよね」
などと話されながら帰るお客さんを多くおみかけしましたよ。

それでは、本当にいつも素敵な記事をありがとうございます。

カヴァコスのペトルーシュカ、聴きたいですね

すわん様、はじめまして。
コメントをどうもありがとうございます。

「人生で一番感動したコンサート」と出会えたのは、本当に良かったですね!
クロイチェルソナタの演奏も凄かったようですが、カヴァコスのペトルーシュカも、やはり凄かったのですね。
ペトルーシュカの方がカヴァコスの超絶技巧がよくわかる曲なのでしょう。
レビューを書かれているブログがいくつかあったのですが、どれも超絶技巧で聴衆も盛り上がって...ということだったので、どんな曲なのか探してみたのです。
youtubeの演奏は、わりときちっと音を刻んでいて折り目正しい感じなので、それほどテンションが上がらない気がしますよね。
カヴァコスは、テンポも速かったでしょうし、音の切れも鋭かったのではないかと思いました。
この曲は、ピアノ演奏でも高音がキラキラと煌いてます。ヴァイオリンでもそういう音色が出るのでしょうね。

そのおば様のお気持ちもよくわかります。録音でも良いので、聴きたくなってきます。
リサイタルでも時々弾いているでしょうから、いつかYoutubeでライブ音源が出てくるかもしれません。

リサイタルの様子を教えてくださって、どうもありがとうございました。
いつもお読みいただいているとのこと、大変嬉しいです。
今後ともよろしくお願い致します。

全曲でした

こんにちは。
ベロフのアンコールは全曲(3楽章)でした。本プログラムは「ベルガマスク」とリストの「ロ短調」等だったのですが、アンコールがやたらと印象に残っています。
しかし、キーシンの7曲というのはスゴイですね!

ほんとはペトルーシュカを弾きたかったのかも

ポンコツスクーター様、こんにちは。

ベロフは全曲演奏だったのですね。若い頃だったので、体力も気力も充実していたのでしょう。
プログラムが「ベルガマスク」とリストの「ロ短調」とかであれば、「ペトルーシュカ」の方が圧倒的に迫力ありますよね。
ベロフといえばドビュッシーが有名ですから、「ベルガマスク」をプログラムに入れたのでしょうが、ベロフとしては「ペトルーシュカ」をプログラムに入れたかったのかも..と思えてきます。

キーシンも以前はアンコール曲が多かったのですが、神童だった彼ももう40歳過ぎになってますから、今は何曲弾いてくれるでしょうか。
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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