*All archives*



ブロッホ ~ コンチェルト・グロッソ第1番、組曲《バール・シェム》より「ニーグン」
20年ほど前に現代音楽を聴き始めた頃、米国の作曲家エルネスト・ブロッホの音楽に凝っていた時がある。
ブロッホといえば、ユダヤ教の典礼音楽やユダヤ民俗音楽を題材にしていることで有名。
現代音楽といっても、安定した調性感があり、ユダヤ音楽のエキゾティシズムにロマンティシズムが加わって、さらには新古典主義的な作品もあり、聴きやすい曲が多い。
今はほとんど聴くことはないけれど、何曲か聴きなおしてみると、ブロッホの音楽が好きなのは変わっていなかった。

ブロッホの代表作は、(チェロと管弦楽のための)ヘブライ狂詩曲《シェロモ》や《イスラエル交響曲》。
ブロッホの管弦楽曲はあまり好きではないけれど、例外的に一番好きな曲が《コンチェルト・グロッソ第1番》。
他に、コンチェルト・グロッソ第2番やピアノ独奏曲、ヴァイオリンソナタ第1番と第2番「poème mystique/神秘の詩」、ヴァイオリンとピアノのための《Baal Shem/バール・シェム》など。ピアノ作品と室内楽曲に好きな曲は多い。

《コンチェルト・グロッソ第1番》は、ピアノパートがない第2番と違って、ピアノもオーケストラの一部のように合奏している。
バロック様式を模したのか、Prelude、Dirge、Pastorale and Rustic Dances、Fugueの4楽章構成。
第1楽章冒頭からして、緊張感に満ちた主題がとても印象的。
全体的に旋律は馴染みやすいくて、リズム感は軽快、緩徐楽章の透明感のある叙情感が美しい。
バロック時代に使われていた”合奏協奏曲”という曲名が表わすとおり、古典的な端正さもあり、現代音楽離れしたような爽やかさと調和に満ちている。
第1楽章の主題をモチーフにした最終楽章のフーガは、ひたすら前進していく推進力とポジティブな開放感が気持ちよい。

《コンチェルト・グロッソ第1番》の手持ちのCDは3種類。定評のあるのは、ハンソン指揮イーストマン=ロチェスター管弦楽団の演奏。(Youtubeの音源はこちら。クーベリックの音源より音質は良い)
この記事を書いているときに、Youtubeでたまたまクーベリックの音源を発見。クーベリックがシカゴ響を指揮してこの曲を録音していたのは、全然知らなかった。

Ernest Bloch: Concerto Grosso n.1 (1925) / Kubelik
Chicago Symphony Orchestra diretta da Rafael Kubelik,George Schick, pianoforte



クーベリックのCDは、1950~53年のシカゴ時代に録音したマーキュリー盤。
カルショーの『レコードはまっすぐに』にクーベリックの話がいくつか載っていて、欧州で演奏活動をしていたとばかり思い込んでいた。
プロフィールを調べると、戦後チェコの共産化に反対して英国に亡命し、一時期シカゴ響の音楽監督に就任。結局、就任当初から複雑な事情があったシカゴ時代は短期間に終わる。
この《コンチェルト・グロッソ第1番》はその時代の稀少な録音で、1950年代初めのモノラル録音とは思えない鮮明な音質なので、聴きやすい。

管弦楽,打楽器とチェレスタの音楽管弦楽,打楽器とチェレスタの音楽
(1995/02/05)
シカゴ交響楽団

試聴する(英amazo、NAXOSの別盤にリンク)



ブロッホのユダヤ音楽をモチーフにした作品のなかで、一番聴きやすいと思う有名な曲は《バール・シェム》。
ヴァイオリンとピアノのための組曲で、「Vidui (懺悔)」、「Nigun (即興)」、「Simchas Torah (歓喜)」の3曲で構成。管弦楽版の編曲もある。
第2曲「Nigun/ニーグン」のみ、単独で演奏されることが多い。
「Nigun」は、ハイフェッツ、ギトリス、スターンなど、有名なヴァイオリニストも録音している。
いろいろ聴いてみると、グリュミオーの演奏が、深い音色ですっきりと整った端正さがあって、とても美しい。民族音楽特有のエキゾティシズムが薄く、洗練された気品が漂っている。
ピアノ伴奏はユダヤの民俗音楽的な響きがするけれど、グリュミオーのヴァイオリンの方はスペインあたりの音楽のようにも(私には)聴こえる。

Ernest Bloch (1880-1959): Baal Shem
(ARTHUR GRUMIAUX - Violin、Istvan Hajdu - Piano)



<過去記事>
エルネスト・ブロッホ/コンチェルト・グロッソ第1番

tag : ブロッホ クーベリック

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
Secret
(非公開コメント受付中)

ブロッホ
こんばんは!

ブロッホという作曲家は、初めて聴きました。
私、とても好きです~!
こういう感じを、ユダヤ音楽というんですね。
あまり馴染みが無い気がしたんですが、どこか懐かしいような感じがしました。現代音楽って大概とっつきにくいんだけど、そんなこと全くありませよね。

《バール・シェム》が特に気に入りました。
民族的な響きが、妙に心を締め付けますね!
ブロッホは現代音楽なのに聴きやすいですね
Tea316さん、こんばんは。

ブロッホを聴いたことがある人は、日本では少ないでしょう。
米国を中心に活動していたらしく、ユダヤ音楽の作曲家であることもあって、米国では現代音楽にしては聴かれているようです。

「コンチェルト・グロッソ」はとても素敵な曲ですね!
この曲を初めて聴いてから、ブロッホの曲をいろいろ聴くようになりました。
ユダヤ音楽の民俗性は薄いですよ。明るい雰囲気と古典的な端正さがあって、普通に聴けますね。隠れた名曲といっても良いかも。
《バール・シェム》はユダヤ音楽そのものという感じですが、これも馴染みやすいでしょう。
特にグリュミオーの演奏がとても美しいです。ギトリスの演奏(ライブ映像)の方は、シャープなタッチと濃い叙情感があって民俗色が強くなっています。

ブロッホのユダヤ音楽で一番有名なのは、チェロ協奏曲的な《シェロモ》です。私はチェロ協奏曲自体がちょっと苦手なジャンルなので、全部聴き通したことがないのですが..。
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
ブログ内検索
最近の記事
最近のコメント
カテゴリー
タグリスト
マウスホイールでスクロールします

月別アーカイブ

MONTHLY

記事 Title List

全ての記事を表示する

リンク (☆:相互リンク)
FC2カウンター
プロフィール

yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

お知らせ
ブログ記事はリンクフリーです。ただし、無断コピー・転載はお断りいたします。/ブログ記事を引用される場合は、出典(ブログ名・記事URL)を記載していただきますようお願い致します。(事前・事後にご連絡いただく必要はありません)/スパム投稿や記事内容と関連性の薄い長文のコメント、挙動不審と思われるアクセス行為については、管理人の判断で削除・拒否いたします。/スパム対策のため一部ドメインからのコメント投稿ができません。あしからずご了承ください。