ラフマニノフ/2台のピアノのための 《組曲第2番》  

2012, 11. 29 (Thu) 12:00

エンリコ・パーチェの演奏会情報を探していたところ、2013年3月6日にイタリア・サチーレにあるファツィオリ社の”Fazioli concert hall”で、イゴール・ローマとDuoリサイタルを開催予定。
パーチェとローマは、同じイタリア人ピアニストで、リスト国際コンクールの優勝者でもある縁からか、時々デュオで演奏している。
ファツィオリ・ホールでの演奏会プログラムを見ると、2台のピアノの有名なレパートリー曲のなかでも、技巧的難度の高い曲が多い、かなりヘビーな選曲。
ライブで弾くとなると、技巧に自信のあるデュオでないと組まない(組めない)プログラムかも。

<前半>
シューマン/アンダンテと変奏曲(Andante e variazioni op.46):ピアノ独奏曲の編曲版
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲 (Variazioni su un tema di Haydn op.56b):管弦楽曲版より先に作曲。
ルトスワフスキ/パガニーニの主題による変奏曲(Variazioni su un tema di Paganini)

<後半>
リスト/ 悲愴協奏曲(Concerto Pathetique)
パリ・コンセルヴァトワールのコンクールのために作曲した「大演奏会用独奏曲」をピアノ&管弦楽用と2台のピアノ版に編曲。ソナタ形式の単一楽章。エンディングは2種類。1866年版リストのオリジナル版と1884年のビューローによる改定版。
ラフマニノフ/組曲第2番(Suite per due pianoforti n.2,op.17):組曲第1番「幻想的絵画」(エピグラフ付き)よりも演奏機会が多い。


プログラムのなかで、とても面白いのがルトスワフスキの《パガニーニの主題による変奏曲》。
《パガニーニの主題による変奏曲》はいろんな作曲家が書いている。
一番有名なのは、ブラームスが書いた難曲のピアノ独奏曲。
このルトスワフスキの曲も、難易度ではブラームスと良い勝負ではないかと。
以前にパーチェとローマがオランダのTV番組のライブで演奏している。

Lutoslawski - Paganini variations


過去記事:ルトスワフスキ/パガニーニの主題による変奏曲


プログラム5曲のなかで、2台のピアノ曲のレパートリーとして一番有名なのは、ラフマニノフの《組曲第2番》。[ピティナ作品解説]
ブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》は管弦楽曲の方は有名でも、2台のピアノ版の方はあまり聴いたことがない。
《組曲》には第1番もあるけれど、第2番の方が構成曲4曲の曲想の違いが明瞭で、旋律や和声も美しく、ずっと完成度が高いように思える。


《組曲第2番》は、序奏(Introduction)、ワルツ(Valse)、ロマンス(Romance)、タランテラ(Tarantelle)の4曲構成。
最も人気が高いのが、技巧華やかでステージ映えする「タランテラ」。
冒頭はピアノ前奏曲《鐘》の終盤(「鐘」が鳴る前)に出てくるのようなオドロオドロしいドラマティックな旋律。
続いて、《パガニーニ狂詩曲》に似た馬が駆け抜けていくのような疾走感のある旋律や、同時期に作曲していた《ピアノ協奏曲第2番》のようなロマンティックな旋律がほんの少し現れるし、キラキラと宝石のように輝く高音のタランテラの旋律はちょっと妖しげな雰囲気。
2台のピアノで弾いていることを忘れるくらいに豪華な響き。華麗で勇壮でゾクゾクするくらいにとってもスリリング。
相性の悪いラフマニノフでも、べったり濃厚なロシア的憂愁のないピアニスティックな曲は大好き。

Rachmaninov Suite No.2 Op.17 for 2 Pianos (3/3) - Demidenko, Alexeev



「ロマンス」は、夢のなかでフワフワしているような軽やかさと甘いロマンティシズムが漂っていて、これもとっても好き。
もしかして、曲を選べばラフマニノフは意外に好みに合うのかも。
色彩感豊かな厚みのある和声の響きがとても綺麗。こういうところは2台のピアノならでは。
全然ウェットな叙情感がなくて、柔らかい響きと夢想的な雰囲気似ているせいか、シューマンの《ペダル・フリューゲルのための練習曲(カノン形式による6つの練習曲》をすぐに思い出した。

Rachmaninov Suite No.2 Op.17 for 2 Pianos (2/3) - Demidenko, Alexeev


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4 Comments

Tea316  

ラフマニノフ

おはようございます。
このクリスマス仕様のテンプレート、素敵ですね!

ルトスワフスキの《パガニーニの主題による変奏曲》ですが、
私はアルゲリッチが演奏しているのを聴いて、あまりの凄さにぶっ飛んだ記憶があります。超絶技巧の極みでしょう。
ブラームスのは、知らなかったので、You Tubeで探して聴いてみましたが、ルトスワフスキを聴いた後に聴くと、とても真っ当な(?)編曲に聴こえます(笑)。確かにブラームスも難しそう。

ラフマニノフの組曲1番と2番は、アルゲリッチのアルバムで持っていて、大好きです。 交響的舞曲op.45 も、2台のピアノで演奏したものが入っていて、気に入っています。

苦手だなと思う作曲家でも、中には一つ二つくらい気に入るものがあるものなのかもしれません。




2012/12/01 (Sat) 10:37 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

2台のピアノ曲も面白いですね!

Tea316さん、おはようございます。

このテンプレート、素敵でしょう!
とても気に入っているので、この時期になると毎年使ってます。
これで気分はすっかりクリスマスになりますね~。

アルゲリッチのパガニーニの演奏は、Youtubeで聴いたことがあります。
デュオのお相手はキーシン?だったような気がしますが、この曲は腕に自信のある人しか弾けませんね。
ルトスワフスキは、15年くらい前に、ピアノ協奏曲(ツィメルマンが録音してますね)とか交響曲・歌曲などいろいろ聴きました。
その時はどうにも合わなかったのでCDはほとんど処分してしまいました。パガニーニは、唯一、面白くて好きな曲です。

ブラームスの2台のピアノ版は、私も聴いてみましたが、オケ版よりも好きかも。
新しいブラームスの曲を発見したようで、とっても新鮮でした。

交響的舞曲と組曲が入っているアルバムというと、ラビノヴィチとデュオしているCDのことですね。
私も持ってますよ。随分昔に聴いたので、すっかり曲を忘れてました。
Youtubeで組曲を両方とも聴いてみると、第2番がこんなに面白い曲だったとは...と、これも再発見。
交響的舞曲もあとで聴いてみます。

2012/12/01 (Sat) 10:59 | EDIT | REPLY |   

くま  

ロマンス

久しぶりにロマンスを聴きました。
yoshimiさんのおっしゃるように、夢見るようでいいですね。

モスクワの街並を少しだけ思い出しました。
現実は(私にとっては)苦い街でしたが・・・w

2013/05/31 (Fri) 23:13 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

モスクワというとパルナスのCMを思い出します

くま様、こんばんは。

私の場合、ラフマニノフは曲によって相性が大分違いますから、いろいろ聴いてみると面白いですね。
管弦楽曲よりも、やはりピアノが入った曲の方が、好きな曲が多いのがわかりました。

そうそう、くまさんはロシア語が流暢なのですから、モスクワに行かれた(住まれた)こともありますよね。
私はロシアには行った事がありませんが、モスクワというと、幼少期にTVで何回も見たパルナスのCM(ロシア正教会(?)のモスクが映ってます)とCMソングが、なぜか今でも記憶に残っています。
ロシア関係の本は少しは読みましたが(トロワイヤの歴史物、佐藤優氏のロシア関係の著作、米原万里さんのエッセーとか)、本で読む限りは興味をそそられる国です。
でも、かなり異質な文化のようですから、旅行に一時滞在と長期滞在とでは、見えるものが随分違うのでしょうね。

2013/06/01 (Sat) 01:05 | EDIT | REPLY |   

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