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食品中のトランス脂肪酸と飽和脂肪酸
消費者庁が”製品中に含まれるトランス脂肪酸含有量の表示を義務づける”という方針がかなり以前に出ていたけれど、それにしては、マーガリンやファットスプレッドのパッケージには今でも表示が全くない。
調べてみると、結局、表示の義務づけは諦めたらしく、業界・企業の情報公開にまかせることになっていた。

欧米からの輸入食材には、私が見たことのあるものに限って言えば、「脂肪」の栄養成分表示として、「Total Fat」(脂質)、「Trans Fat」(トランス脂肪酸)、「Saturated Fat」(飽和脂肪酸)の3つの含有量がパッケージに記載されている。
アジア諸国からの輸入食品にも同様に表示されているものもある。

消費者庁の資料によると、「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」の表示を義務づけている国(例)は、米国・カナダ・韓国・アルゼンチン・ウルグアイ・パラグアイ・ブラジル・香港・台湾。
オーストラリア・ニュージーランドは「飽和脂肪酸」のみ義務付け。

日本の成分表示では、「エネルギー・炭水化物・たんぱく質・脂質・ナトリウム」が必須表示。
「脂質」は合計値の一括表示のみ。「飽和脂肪酸」と「トランス脂肪酸」の細目表示は任意。
店頭でいくつかマーガリン類の製品表示を確認すると、欄外に「飽和脂肪酸」の含有量が記載されている製品もある。

参考までに、日本では「炭水化物」に含まれる「糖質」「食物繊維」の2項目も任意表示。なかには「糖質」「食物繊維」を表示している製品もある。
輸入食材の場合は、「Total Carbohydrate」(炭水化物)、「Dietary Fiber」(食物繊維)、「Sugars」(糖類)の3種類が表示されている。
ただし、国ごとに成分表示の定義が違うらしく、日本の栄養表示基準で計算した含有量と海外のそれとが、完全に同一とは限らない。

<参考資料>
「栄養成分表示の規制に関する国際的動向」(『栄養成分及びトランス脂肪酸の表示規制をめぐる国際的な動向』(資料)[平成22年9月,消費者庁食品表示課]
「栄養成分表示をめぐる国際的な動向」[消費者庁]

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トランス脂肪酸の情報公開について
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【消費者庁のガイドライン】
「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針の概要」(消費者庁)
「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針について」(平成23年2月21日、消費者庁)

【関連業界の対応】
パン業界
パン業界は、業界団体とメーカーとも、積極的に情報公開している。
ここまで公開するなら、製品パッケージにも表示すれば良いのに..と思う。(いちいちホームページで確認する人は少ないはず)

「トランス脂肪酸等に関する情報開示について」(日本パン工業会,平成23年6月27日)
「主なパン類のトランス脂肪酸、飽和脂肪酸、コレステロール等の含有量」(日本パン工業会)
「主要製品のトランス脂肪酸、飽和脂肪酸、コレステロール及び一般栄養成分の情報」(山崎製パン)
主な商品の栄養成分値(神戸屋)

マーガリン業界
トランス脂肪酸の含有量が高いことで随分以前から問題となっているのが、マーガリン・ファットスプレッド・ショートニング。
業界団体であるマーガリン工業会が、表示には全く積極的ではない。
雪印メグミルク社は、ホームページでトランス脂肪酸含有量を公開している。(後掲)

食品油業界
主な食用油のトランス脂肪酸の含有量(日清オイリオ)

流通業界
セブン-イレブン トランス脂肪酸の低減

外食産業
低トランス脂肪酸オイル(ミスタードーナツ)
- 低トランス脂肪酸オイルの使用により、ドーナツ1個当たり平均1~1.5g含まれていたトランス脂肪酸を、平均約0.25gまで低減。


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トランス脂肪酸と飽和脂肪酸
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トランス脂肪酸の減少と飽和脂肪酸の増加はトレードオフ?
どうなるトランス脂肪酸規制 今後は飽和脂肪酸の方が危ない
- メーカーなどがトランス 脂肪酸を含まない「パーム油」への切り替えを進めた結果、パーム油に多く含まれる飽和脂肪酸の含有量が増える傾向にある。
- 飽和脂肪酸を多く摂取すれば動脈硬化の原因になるとされる。

科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化 日本人への影響は?
- 食品安全委員会の調査結果では、トランス脂肪酸の含有量は、一般用も業務用も大きく低減されている代わり、飽和脂肪酸の含有量が急増。
- トランス脂肪酸削減のために、メーカーが原料・製法を変更すると、飽和脂肪酸の含有量が増えるという「トレードオフ」が起きるのではないかと以前から指摘されており、それが現実化している。


トランス脂肪酸と飽和脂肪酸の概要
トランス脂肪酸ファクトシート(最終更新日:平成22 年12 月16 日)
飽和脂肪酸[簡単!栄養andカロリー計算]
- 血液中の中性脂肪やコレステロールを増やす。(動物性の食品を全く食べないのは問題で、コレステロールの不足の症状になる。)
- 血液の粘度を増す。
- 動脈硬化の原因になり、進むと、脳卒中、狭心症、心筋梗塞。
- 日本人は、肉や加工食品を多く摂るようになり、これ以上摂る必要はない。
- 多く含まれている食品:豚脂、牛脂、パーム油、バター等

バターの飽和脂肪酸含有量(表品100g当たり)
バター(無塩) 52.43g
バター 50.45 g


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食品中のトランス脂肪酸・飽和脂肪酸含有量データ
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食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量(農林水産省、2011年年3月9日)

食品に含まれるトランス脂肪酸の評価食品安全モニター会議 資料(2012.1.8)
我が国における食品中のトランス脂肪酸含有量の推移(p.9):全体としては減少。製品によるばらつきが大きい
我が国における食品中の飽和脂肪酸含有量の推移(p.10):全体としては増加。製品によるばらつきが大きい

新開発食品評価書:食品に含まれるトランス脂肪酸[食品安全委員会]
同一銘柄の製品の平成18年度および平成22 年度の測定結果を記載。(食品安全委員会による調査結果、13頁~17頁参照)
○トランス脂肪酸の含有量(100gあたり)
一般用マーガリンの平均値:5.28 g ⇒ 3.13 g (約41%減)
ファットスプレッドの平均値:2.48 g ⇒ 2.01 g (約19%減)
業務用マーガリン及びショートニングの平均値:1/10 以下に減少
ほとんどの試料で約1 g/100gを下回っているが、トランス脂肪酸含有量の低減されていない銘柄や含有量の高い銘柄も存在した。

○脂肪飽和酸の含有量
業務用マーガリンの平均値:29.9 g/100 g ⇒40.9 g/100 g(約1.4 倍に増加)
業務用ショートニングの平均値:23.9 g/100 g ⇒45.4 g/100 g(約1.9 倍に増加)

○測定結果表:表5 トランス脂肪酸、飽和脂肪酸測定結果(g/100 g)(参照4)(P.17)


主な加工油脂食品類のトランス脂肪酸、その他脂質成分含有量(雪印メグミルク、平成24年8月23日現在)
<商品10gあたりのトランス脂肪酸/飽和脂肪酸含有量>
  雪印ネオソフト    0.08g /2.4g
  雪印ネオソフトハーフ 0.3g /0.5g
  雪印ネオソフトべに花 0.5g /0.8g
  雪印リセッタソフト  0.3g /5.0g
  雪印ケーキ用マーガリン  0.06g /4.3g


<CO・OPマーガリン類、コーヒー用ポーションのトランス脂肪酸、不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸含有量(100 g当たり)>(COOP)
<マーガリン>     (飽和脂肪酸/トランス脂肪酸)
コーンソフト100マーガリン: 14.3 g/13.2 g
コーンソフト100(遺伝子組換え原料不使用)マーガリン: 14.3 g/11.8 g
ケーキ用マーガリン : 33.4 g/3.0 g
べに花マーガリン : 20.2 g/1.6 g

<ファットスプレッド> (飽和脂肪酸/トランス脂肪酸)
コーンソフト(製造者:明治油脂): 22.6 g/0.8 g
コーンソフト(製造者:丸和油脂): 20.4 g/1.9 g
コーンソフトハーフ: 6.4 g/3.9 g
コーンソフト バターの風味: 24.6 g/0.7 g
NEWソフト: 18.5 g/0.4 g
べに花ソフト: 16.0 g /0

※COOP販売製品では、マーガリンよりもファットスプレッドの方がトランス脂肪酸含有量が少ない。トランス脂肪酸含有量が少ない製品は、逆に飽和脂肪酸含有量が多い傾向があるが、両方とも少ない製品もある。


(追記:マーガリンのトランス脂肪酸含有量の最新データ)
危険なトランス脂肪酸、含有量ワースト5のマーガリン![2015.07.11,Business Journal]

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トランス脂肪酸に関する情報サイト
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トランス脂肪酸に関する情報[農林水産省]
トランス脂肪酸について[食品安全委員会]
トランス脂肪酸に関する情報[消費者庁]

植物油100%が危ない!トランス脂肪酸
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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