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コロリオフ ~ バッハ=リスト編曲/前奏曲とフーガ BWV543
先日コロリオフのゴルトベルク変奏曲を久しぶりに聴いてから、コロリオフの『フーガの技法』や『平均律曲集第2巻』をまだ買っていなかったことを思い出して、ディスコグラフィを確認すると、珍しいデュオ録音が収録されている『The Korolio Series vol.12/Bach: Original Works & Ttanscriptions』もリリースしている。

収録曲には、あまり見かけたことのないピアノ編曲版が多い。
コロリオフのソロ演奏は、『音楽の捧げ物 BWV.1079』より「リチェルカーレ ト短調」の原曲、『クラヴィーア練習曲第3巻』(コラールのピアノ編曲11曲)、『前奏曲とフーガ イ短調BWV.543(リスト編曲)』。
4手ピアノのデュオ演奏は、ジョルジ・クルターク編曲のコラール集とコロリオフ編曲『パッサカリア ト短調BWV.582』など。

"Piano Duo Koroliov"のプロフィールを読むと、コロリオフとリュプカ・ハジ=ゲオルギエヴァ(Ljupka Hadzigeorgieva)は、チャイコフスキー音楽院在学中に知り合い、1976年にデュオを結成したというから、かなり年季が入っている。
デュオとして数々のコンクールで、"Jeunesse musicale" prize(1977年、Belgrade)、prize of the Russian Composers' Association for the best interpretation of 20th century music(2000年、International Duo Festival,Jekaterinburg/Russia)などを受賞。CD、ラジオ・テレビ放送のレコーディングも多いという。

<追記>
コロリオフの英文プロフィールを調べてみると、”in piano duets, he often performs with his wife Ljupka Hadzigeorgieva.”と書いているので、リュプカ・ハジ=ゲオルギエヴァはコロリオフの奥さん。夫婦でプロのピアニストというのは、珍しいかも。(パスカル・ロジェも奥さんとDUOを組んでいるけど)
コロリオフが師事していた先生は、ゲンリヒ・ネイガウスとマリア・ユーディナ、レフ・オボーリン、レフ・ナウモフなど。
チャイコフスキー音楽院卒業後、モスクワ音楽院で教職につくという、ソ連では順調なピアニスト人生を歩んでいた。1976年に結婚を機にユーゴスラヴィアへ渡り、(たぶん)音楽アカデミーで教えていた。その2年後に、ハンブルクで教授職に任命されたため、ハンブルクに移住し、現在もAcademy of Music and Dramaの教授職についている。

Vol. 12-Koroliovol. Series-Bach-Original Works & TVol. 12-Koroliovol. Series-Bach-Original Works & T
(2010/11/15)
Duo Koroliov

試聴ファイルなし
収録曲リスト(HMV)

TacetのCDは試聴ファイルがなかなか見つからないので、買うときにかなり迷うことが度々。
Youtubeにあるのは、バッハのリスト編曲でとても好きな『前奏曲とフーガBWV543』、このDUO演奏で初めて聴いた『Passacaglia in c BWV582』の音源。

リスト編曲の方は、私が一番好きなユーディナのパッショネイトなライブ録音とは趣きがかなり違うけれど、コロリオフの演奏も同じくらいに素敵。
まず最初に感じるのは音の美しさ。一つ一つの音の色彩感が鮮やかで、しっとりとした潤いと叙情感も含んだようなクリアな音色がとても綺麗。
多彩な音色に、全ての声部の線が太くしっかりとして明瞭に浮き出て、堅牢な骨格と建造物のような構築性を感じさせるところがコロリオフらしい。
やや粘り気のあるタッチで、拍子を均一に揃えずに、ルバートをかけたように、最初の音をほんの少し引き伸ばし気味にして微妙にずらして入ってくるところは独特な弾き方。不均等でカクカクとしたひっかかりのあるリズム感は、ピアノよりもチェンバロの奏法に近いような気がしてくる。
強弱のコントラストもそれほど強調せず、終盤の盛り上がり(8:10くらいから)でもフォルテはやや抑さえ気味。(ここはフォルテを大きく鳴らす人が結構多い)
ゆったりしたテンポで、起伏はあまり大きくはないのに、一音一音を着実に踏みしめていくような弾き方に平板さを感じることなく、底からじわじわと立ち上ってくるような強い叙情感が滲み出ている。
繰り返し聴けば聴くほど、力強くも流麗で格調高い美しさと静かに燃え立つようなパッションが感じられて、これだけ編曲もののバッハが素晴らしいのなら、他の編曲の演奏も聴きたくなってしまう。

BWV543 Prelude & Fugue in a (F.Liszt) Evgeni Koroliov 2010




デュオ演奏の『パッサカリア ト短調BWV.582』の冒頭の厳粛な雰囲気の旋律を聴くと、どこかで聴いたことがあるような気がする。
4つの声部がごちゃごちゃと混濁することなく、低音部の和音の響きが重厚で厳粛で、それと対象的に高音部の主旋律と対旋律の響きと旋律は美しく、くっきりと明瞭に浮かびあがってくる。

BWV582 Passacaglia in c Evgeni Koroliov (Piano duo) 2010


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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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