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チッコリーニ ~ リスト/詩的で宗教的な調べ 第2番 「アヴェ・マリア」
カッチーニの《アヴェマリア》に続いて、今回はフランツ・リストの《アヴェマリア》。
リストの《アヴェマリア》というと、シューベルトの歌曲を編曲したものが一番ポピュラー。
リストはそれ以外にも、「Ave Maria」というタイトルの曲を何曲も書いているので、どれがどの曲がこんがらがってしまう。
最近、ミッチさんのブログ<フランツ・リストに花束を>の「リストのややこしい事 -アヴェ・マリア編-」という記事で、リストの自作・編曲した《アヴェマリア》を一覧にしてわかりやすく解説してくれてます。

リストの曲というと、《超絶技巧練習曲》などの技巧煌びやかなイメージがあるけれど、リストが書いた宗教的な曲はそういう曲とは随分趣きが違う。
リストの《アヴェ・マリア》は美しくも宗教的な敬虔さや清らかさが漂い、静謐さのなかで聖なるものと一人静かに向き合っているような瞑想的な雰囲気を感じるものが多い。
特に好きなのは、《詩的で宗教的な調べ/Harmonies poétiques et religieuses S.154/R.13 A18 S.173》の第2曲。
《詩的で宗教的な調べ》は、リスト晩年のピアノ作品。
フランスの詩人ラマルティーヌの詩集「詩的宗教的諧調集」に感動したリストが、詩集と同名のピアノ曲集を書いたもの。[作品解説(Wikipedia)]

1. 祈り Invocation
2. アヴェ・マリア Ave Maria
3. 孤独の中の神の祝福 Bénédiction de Dieu dans la solitude
4. 死者の追憶 Pensée des morts
5. 主の祈り Pater Noster
6. 眠りから覚めた子供への賛歌 Hymne de l'enfant à son réveil
7. 葬送曲 Funérailles
8. パレストリーナによるミゼレーレ Miserere, d'après Palestrina
9. 無題(アンダンテ・ラクリモーソ) (Andante lagrimoso)
10.愛の賛歌 Cantique d'amour

特に有名なのは、第3曲「孤独の中の神の祝福/Bénédiction de Dieu dans la solitude」と第7曲「葬送曲/Funérailles」。
単独で演奏されることが多いこの2曲に比べて、第2曲「アヴェ・マリア」は、それに比べるとあまり演奏機会がないような気がする。
シューベルトの歌謡性のあるメロディアスな《アヴェ・マリア》とは随分違って、静謐で瞑想的・内省的。
世俗の世界とは隔絶したような清らかで澄み切った明るさと美しさに、心が洗われるような気がしてくる。


Aldo Ciccolini spielt Franz Liszt: Ave Maria.
これはチッコリーニの演奏(1960年代の旧録ではなく、1990年の新しい録音の方)



ミッチさんの「リストの定盤」という記事・コメントによると、この新録音を収録したCDセットは、次の3種類。
ピアノ作品集~『巡礼の年』全曲、他 チッコリーニ(5CD)
アルド・チッコリーニ EMI1950-1991年録音全集(56CD)
『ザ・ピアノ・コレクション』 チッコリーニ、シフラ、ルディ、ワッツ、アンスネス、他(10CD限定盤)

tag : フランツ・リスト

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No title
こんばんは。

リスト好きな人間として、このようなあまり知られていない名曲を一つの記事でクローズアップしてくださって、ありがたいです。

「有名な曲」=「エライ」というわけではありませんが、名曲を一人でも多くの方に知ってもらいたいと思うのも、また人情です。

リスト研究家の野本由紀夫さんは、ハンガリー狂詩曲の全集の録音が減っている傾向にあるととある本で指摘していましたが、曲集「詩的で宗教的な調べ」はその逆で近年全曲録音が増えつつあります。ピアニスト達が何の曲を録音するかの傾向の変化は面白いですね。
リスト
リストというと、編曲魔&超絶技巧魔というイメージしかなかったので、この「アヴェ・マリア」を聴いて、考え方を修正することにします(笑)。

これは晩年の作品なのですね。一人で座禅を組んで、何かを深く考え込んでいるような静かな曲で、なにかが終ってしまったような寂しさも感じられ、心惹かれます。
リストの知られざる名曲
ミッチさん、こんばんは。

先日のブログ記事とコメントは大変勉強になりました。ありがとうございました。
リストの「アヴェ・マリア」を聴き直していると、個人的な好みから言うと、やはりこの曲がメロディがとても馴染みやすく、静謐さと美しさが特に印象的でした。
リストの宗教曲は、私も昔はあまり知らなかったのですが、いろいろ聴いてみると、美しく敬虔な趣きがあって好きな曲が多いです。(ケンプの「伝説」のパオラは素晴らしいです!)
知られざる名曲の素晴らしい演奏というのは、もっと聴かれて欲しいですね。

リストというと、「超絶技巧練習曲」と「ハンガリー狂詩曲」が昔から人気があるのでしょうね。(私はあまり聴かないのですが)
「巡礼の年」も有名な曲が多いと思いますが、こちらは抜粋で弾く人が多いですね。
録音だけでなく実演でも、「ハンガリー狂詩曲」を弾く人はたぶん少なくなっているような気がします。
「詩的で宗教的な調べ」の全曲録音が増えているのは、リストに対する先入観や評価が変わってきたことの表れなのかもしれませんね。
それに、良い録音が増えると、それに触発されて新たに弾く人も増えていくのでしょう。
リストの宗教曲
Tea316さん、こんばんは。

「編曲魔&超絶技巧魔」というのは、リストの定番的イメージでしょうね~。
特に最近は、デビュー直後に「超絶技巧練習曲」を録音する若手ピアニストが多いような気がします。

リストの作品のなかでは、《巡礼の年》を一番よく聴いているのですが、《伝説》も好きですし、《詩的で宗教的な調べ》も聴けば聴くほど素晴らしい曲集です。
美しく瞑想的な「アヴェ・マリア」を聴かれて、リストのイメージが変わったのでしたら、大変良かったです!
この曲が気にいられたのでしたら、第3曲の「孤独の中の神の祝福」もお好みに合うかもしれません。
こちらはもっと清々しい明るさと幸福感に満ちてます。私はアラウの録音で初めて知った曲でした。
参考までに、Youtubeにアラウの音源があります。
http://www.youtube.com/watch?v=jN_corqaqgY
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Author:yoshimi
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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