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ジェシー・ノーマン 『ヨーロピアン・ライブ』 (1987年)
20年ほど前に声楽曲を聴き始めた頃に買ったCDが、ジェシー・ノーマンの『ヨーロピアン・ライブ』。
1987年の欧州ツアー・リサイタルのライブ録音で、ピアノ伴奏はジェフリー・パーソンズ。
シュヴァルツコップの伴奏者として有名なパーソンズが伴奏しているので、この欧州ツアーにはかなり力を入れてようだ。

アルバムの収録曲はかなりユニーク。古典派のハイドン、ヘンデル、時代を飛び越して後期ロマン主義のマーラー、ベルク、シュトラウス。
オランダと西ドイツの2つのリサイタルから収録。同じプログラムらしいので、実際の演奏順もこの通り、マーラーとベルクを交互に歌い、リサイタルの締めくくりはシュトラウス。
ベルクの《私の眼をとざしておくれ》は、1907年と1925年の2バージョンを歌っているので、20年近い歳月の間にベルクの作曲技法が大きく変わったことがよくわかる。
どれがアンコールかCDには書かれていないけれど、多分16曲目の黒人霊歌以降はアンコールではないかと。
ノーマンの歌う後期ロマン主義の曲がかなり気に入ったせいか、ベルクのピアノ・ソナタやマーラー歌曲を聴くきっかけになったという思い出のあるアルバム。

ヨーロピアン・ライブヨーロピアン・ライブ
(1994/09/05)
ノーマン(ジェシー),パーソンズ(ジェフリー)

試聴ファイル(別盤にリンク)

<収録曲>
1. ナクソス島のアリアンナ(ハイドン)
2. 歌劇「リナルド」~わが泣くがままに(ヘンデル)
3. 主よ、汝に感謝す(ヘンデル)
4. ラインの伝説(マーラー)
5. 愛(ベルク)
6. 私の眼をとざしておくれ(1907年第1作)(ベルク)
7. この歌をひねり出したのはだれ(マーラー)
8. 私の眼をとざしておくれ(1925年第2作)
9. うき世の暮らし(マーラー)
10. 夜うぐいす(ベルク)
11. ミニヨン(ベルク)
12. 別離(マーラー)
13. 愛を抱いてop.32-1(R.シュトラウス)
14. あなたの眼が私の眼に見入った時からop.17-1(R.シュトラウス)
15. 鳴りひびけ!op.48-3(R.シュトラウス)
16. 大いなる日(黒人霊歌)
17. ぼくらは踊りだしたい気持ちだ(R.シュトラウス)
18. すべては主の御手に(黒人霊歌)
19. ヴォカリーズ=エチュード(ラヴェル)

このアルバムの曲はほとんどが好きだったのでよく聴いたし、今聴き直してもやっぱり飽きることなく何回でも聴ける。
特に好きなのは。ヘンデルの「主よ、汝に感謝す」、ベルクの「愛」「夜うぐいす」「ミニヨン」、シュトラウスの「愛を抱いて」。
マーラー・ベルク・シュトラウスの歌曲集は昔から好きだったけれど、最初に聴いたのがノーマンの歌だったこともかなり影響しているかも。

主よ、汝に感謝す(ヘンデル)
このアルバムの中では最も好きな曲。歌詞も旋律もシンプルで感動的なくらい。
主への感謝の気持ちや喜びが、ノーマンの伸びやかな声と堂々とした歌から伝わってくる気がする。

 <歌詞>
 主よ、汝に感謝す
 汝に感謝す
 汝は汝の民を汝とともに導き
 今は、約束の地にあり
 我らの前に敵が現れ我らを攻めても
 汝の手は我らを護り
 汝の慈悲により我らに
 救いをもたらさん


Jessye Norman - "Dank sei dir, Herr" - (Händel)
1987年のリサイタルで、伴奏がGeoffrey Parsons。ヨーロッパツアーの時のものらしい。





歌劇「リナルド」~わが泣くがままに(ヘンデル)
この曲は、映画『カストラータ』でも使われていた。

Jessye Norman - Lascia Ch'io Pianga by G.F.Handel




夜うぐいす(ベルク)
「夜うぐいす」(ナイチンゲール)は《初期の7つの歌》のなかの一曲。Youtubeの音源は管弦楽伴奏版。

Jessye Norman - A Portrait - Die Nachtigall (Berg)



<過去記事>
ジェシー・ノーマン~アルバン・ベルク/7つの初期の歌

tag : ノーマン ヘンデル ベルク シュトラウス マーラー

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ノーマンの最盛期
こんにちは。
ノーマンは80年代後半頃が最盛期だったのじゃないかと思います。オペラやマーラーなども歌いましたが、リサイタルでこそ彼女の本領を発揮できたのではないかと。
「大いなる日」と「すべては主の御手に」は素晴らしいですね。
リサイタルのノーマン
ポンコツスクーター様、こんにちは。

ノーマンのCDは十数枚持っていますが、このライブ録音は最初に買ったCDで、今でも一番好きなものです。ノーマンの最盛期のリサイタルなら、それも当然ですね!

「大いなる日」は、次のシュトラウスの歌以上に、踊り出したくなりそうです。
バーバラ・ヘンドリックスも好きな歌手ですが、彼女も黒人霊歌をよく歌っています。
ノーマンの歌の方が好きなのですが、ざらついて肌にぴたっと触れてくるような感覚(とでも言えば良いのかわかりませんが)を感じるからかもしれません。
おかげさまで
yoshimiさん、こんにちは。

ジェシー・ノーマン「ヨーロピアン・ライブ」、おかげさまで入手できましたので、聴いています。
ジェシー・ノーマンの歌唱もすばらしいし、演目もいいです。とても気に入りましたよ。黒人霊歌がまたいいですね。ソウルを感じます。


yoshimiさんがお気に入りとおっしゃっているシュトラウスの「愛を抱いて」…私も好きになりました。
それから、ベルク。これまで親しんでこなかった作曲家なのですけれど、これから聴いていこうかなーと気になる作曲家のひとりとなりました。

ご紹介ありがとうございました。
ベルクにも良い曲がいろいろあります
ANNA様、こんにちは。

廃盤ですが、早速入手できて良かったですね!
それにお気に入られたようで、安心しました。(音楽は嗜好の塊りで、好みは人それぞれですから)
ヘンドリクスも黒人霊歌をよく歌ってますが、ノーマンの方がソウルフル..という感じがします。

「愛を抱いて」はいい曲ですよね。さすがにリサイタルのプログラムに入れるだけのことはあります。
ノーマンはベルクを得意としているらしく、いろいろ録音がありますが、「7つの初期の歌」(伴奏指揮はブーレーズ)を収録したアルバムはとても好きなCDです。

ベルクは、無調に移行する前の時代の作品なら聴きやすいですね。
ベルクの有名なピアノ曲といえば、作品1の「ピアノ・ソナタ」ですが、数ある録音のなかでも、グールドの演奏は素晴らしく思います。
グールドに極めて批判的だったブレンデルでさえ、ベルク(や現代曲)の演奏は高く評価していました。
ベルクのピアノ・ソナタ
yoshimiさん

こんばんは。
先日ご紹介いただいたジェシー・ノーマンのアルバムでベルクの歌曲を聴いたことがきっかけとなって、グールドの演奏でピアノ・ソナタを聴いてます。

 手持ちの「20世紀の偉大なピアニスト」というアルバムにこの作品が収録されていたのですが、私にとって守備範囲外の音楽のように思えて、これまでまったく聴いてこなかったのでした。

 専門的なことやベルクの他の作品にどういったものがあるのかという事も、今の私には分からないのですけれど、ジャズピアノの作品に近いような印象を持ちました。それからグールドの演奏!とってもいいですね。

 ベルクの作品に親しんでこなかった私でも聴きやすく感じられて「こういう感じの音楽も好きかも…」と繰り返し聴いているところです。

 ベルクは無調に移行するまえの作品が聴きやすいとのこと。過去の記事を参考にさせていただいて、少しずつ聴いてみようかなと思っています。



ベルクの作品について
ANNA様、こんばんは。

現代音楽というと、とっつきの悪いイメージがありますが、決してそういうわけではないですね。
作曲家によって作風が極端に違いますし、同じ作曲家でも年代によって作風が随分違うことも多いです。
新ウィーン楽派(ベルク、師匠のシェーンベルクとその弟子のウェーベルン)は、無調・十二音技法の作品で有名ですが、シェーンベルクの《浄められた夜》など、比較的初期の作品は聴きやすいです。

ベルクのピアノ・ソナタがジャズ風だとしたら、フリージャズ風(?)なのかもしれませんね。
ベルクは、ピアノ曲に限らず、早世したため残した作品が少なく、初期の頃の作品もわずかです。
歌曲がお好きなら、ノーマンのベルク歌曲集が個人的には好きです。
有名な逸話のあるヴァイオリン協奏曲は、ベルク最後の作品ですが、人気のある代表作です。
昔はクレーメル、最近ではハーンの録音などが評判は良いようです。
Youtubeに音源がたくさんありますので、ご興味があれば聴かれてみると良いと思います。
ありがとうございます
yoshimiさん

こんばんは。
いろいろと教えてくださってとても嬉しいです。
ありがとうございます!

今回yoshimiさんがお薦めくださった曲を含め、聴きやすそうなもの、心にすうっと自然に入ってくる音楽をYoutubeで探してみようと思います。

yoshimiさん、いつもありがとうございます。





時間はかかりますが
ANNA様、こんばんは。

私の好みと知っている範囲で書いていますから、探せば他にも良い曲があると思います。
経験から言えば、(ベルクを含めて)現代物はそれ以前の調性音楽と比べて、自分に合う作曲家や作品に出合う確率がかなり低いです。
そういう音楽を見つけたり、小難しい作曲技法の曲を聴き慣れるようになるには、リスナーの方で結構努力する必要がありますね。
何回か聴いてようやく聴けるようになる...という曲もありますので、時間をかけて、いろいろな曲を聴いてみると良いと思います。
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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