ベートーヴェン「葬送行進曲」 ~ 劇音楽『レオノーレ・プロハスカ』 と ピアノ・ソナタ第12番《葬送ソナタ》 

2013, 06. 06 (Thu) 12:00

私が持っていた数少ないアバドの録音のなかで、ちょっと珍しいのがベートーヴェンの『Incidental Music』(劇伴音楽)というCD。
すでに廃盤らしく、amazonのマーケットプレイスに出しておいたらすぐに買い手が見つかって、もう私の手元にはないけれど。

Beethoven;Incidental MusicBeethoven;Incidental Music
(1996/09/17)
Beethoven、Mcnair 他

試聴ファイルなし


このCD、全く買った覚えも聴いた覚えもなかったので、amazonに出す前にどんな曲なのかと思って聴いてみたら、《トルコ行進曲》や《葬送ソナタ》の聴きなれた旋律が流れてきた。
《トルコ行進曲》は、《「献堂式」のための音楽》の一曲。どうやら作曲する時間があまりなかったベートーヴェンが、《アテネの廃墟》を焼き直したものらしい。
《葬送ソナタ》の方は、《「レオノーレ・プロハスカ」のための音楽 WoO96》の一曲の「Funeral March」。
原曲は《ピアノ・ソナタ第12番(葬送ソナタ)》の第3楽章の「葬送行進曲」(副題”ある英雄の死を悼む葬送行進曲”)で、これを管弦楽曲版に編曲したもの。

ベートーヴェンの「葬送行進曲」というと、交響曲第3番《エロイカ》の第3楽章が有名だと思うけれど、私がすぐに思い浮かべるのは《葬送ソナタ》の方。
でも、どことなくエロイカの葬送行進曲と似ているところがあるので、時々どっちの旋律だったかこんがらがることも。


これは《レオノーレ・プロハスカ》の管弦楽曲版「葬送行進曲」
オケ演奏だと色彩感がカラフルでシンフォニックだし、葬送行進曲らしい荘厳さや哀感も強い。
ピアノ独奏で聴くのとは随分イメージが変わり、この管弦楽曲版は結構好き。(どちらかというと式典向きかも)

Ludwig van Beethoven - Funeral March from Leonore Prohaska WoO 96
Phyllis Bryn-Julsson, Soprano. Bach Society of Minnesota, David Laberge. Minnesota Orchestra, Stanislav Skrowaczewski.





こちらは原曲のピアノ・ソナタ第12番第3楽章「葬送行進曲」
演奏はアラウ(1960年代のスタジオ録音)。
このソナタは大好きだけれど、葬送行進曲だけは聴くのも弾くのも好きではないので、たいてい飛ばしている。
管弦楽曲版の後で改めて聴いてみると、ピアノのシンプルな音に、モノローグ的な淋しさと侘びしさが漂い、独りで心静かに英雄を偲んでいるような雰囲気がしてくる。
しんみりと心に染みてくるようなアラウのピアノを聴いて、ようやくこの曲の良さがわかってきた。
これがブレンデルの「葬送行進曲」となると、行進曲風に結構速いテンポでさらさらと弾いていくので、アラウのような情感深さはあまり感じない。(ブレンデルらしい弾き方ではあるとは思うけど)

Arrau - Beethoven sonata no.12 (III) - Marcia funebre sulla morte d`un Eroe




Brendel plays Beethoven Piano Sonata No.12, Op.26 (2/2)

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