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スリキズをサランラップで治す ~ 湿潤療法を試してみる
自転車でうっかりスリップして転倒したときに、膝小僧のところを500円硬貨2枚分ほど擦りむいてしまった。
家には消毒液がなかったはず...。それなら、あの”温潤療法”を試す良い機会だと思いついた。
買い物をしてから自宅に戻って、湿潤療法を自分でするにはどうすれば良いのか、調べてみた。

最近、よく見ている夏井睦医師のホームページ<新しい創傷治療>は、専門の温潤療法に加えて、糖質制限や医学関係の話がいろいろ。さらに、ピアノに関する記事もあって、話題にバラエティがあって面白い。
たとえば、ティファール製の電気ケトルによる子供の火傷の患者が多いという。
昔からお湯はガスコンロで沸かしているので、湯沸保温ポットも電気ケトルもほとんど使ったことがない。
ティファール製品は、倒れたときにお湯がこぼれだす構造なので、(使い方によっては)かなり危険な商品。
昔ながらのヤカンと同じく、床に置くのはやめておいた方が良い。
関連報道記事:後絶たないやけど事故 ティファール電気ケトル[中日新聞,2013年6月6日]


スリキズの湿潤療法の話に戻ると、この療法の理論と具体的な処置法は、以下のサイトに載っている。

新しい創傷治療「消毒とガーゼの撲滅を目指して」(トップページ)

「家庭でできるすりむき傷,裂傷,熱傷の治療-皮膚外傷の湿潤療法-」

「薬局・ネットで買える創傷被覆材」
絆創膏のように便利な創傷被覆材も市販されている。ラップ&ワセリンが面倒なら、こちらを使うのもありかも。


この情報を参考にして、スリキズの手当てをしてみた。
「必要なもの」のうち、自宅にないのは、白色ワセリンかプラスチベース。
水道水、食品用ラップ(ポリエチレン製)、絆創膏、包帯、ガーゼは全て揃っていた。

「絶対に必要ないもの,絶対に使ってはいけないもの」は、消毒薬(マキロン,イソジン,オキシドール,赤チン,ヨーチンなど)、傷を乾かす粉末剤(キズドライ,キズアワワなど)、消毒薬の入っている軟膏,クリーム基剤の軟膏(オロナインH軟膏など)。
全て私の救急箱には入っていないものばかり。使いたくても使えない。
包丁で間違って自分の指とか手を切りつけてしまうことを除けば(これは1年に数回ある)、怪我は滅多にしないので、絆創膏・ガーゼ・包帯は常備しているけれど、消毒薬の類はここ10年以上は買いも使いもしたことがない。
消毒液は細胞を破壊して、自然治癒力を奪ってしまうので、傷口は絶対に消毒してはいけないという。
それに、「表皮再生の鍵」の真皮は非常に丈夫な組織だけれど、乾燥には弱い。なので、傷口を乾燥させてはいけない。

スリキズの方は、出血もない軽傷。水で洗ってから、乾燥しないように食品用のポリエチレン製ラップを貼り付けるのみ。
乾燥するとひりひりと痛みが強くなっていた傷口も、痛くなくなってきた。

白色ワセリンもプラスチベースも当然自宅の救急箱には入っていない。
「ラップ単独でもいいのだが,ワセリンを塗ったほうが痛みが早く治まり,治療効果もよいようだ」とある。
様子を見てワセリンを買わないといけないかも...と思ったけれど、もともと痛みはすぐに消えたし、軽傷なので3日もすれば傷口の上皮化が進んでいたので、ラップだけにしておいた。

毎日1~2回ほど、傷口を水であらって、ラップを取り替え。
自然治癒のための浸出液が細胞から分泌されているので、傷口よりも下側にティッシュをあてて、垂れ落ちないようにして、そのあたりまでラップと包帯で覆っておく。
シャワーのときに、石鹸・シャンプー液がかからないように注意しておけば、傷口に水がかかっても良いし、ほとんど傷みはない(お湯だと、ちょっと痛いけど)。

そうすると、3日目には、傷口が普通の皮膚のようになめらかに復元してくる。
傷口の部分は、段差、陥没、かさぶたが全くできずに、新しい皮膚が周辺の肌と地続きになって、傷口を覆っている。
まだ皮膚の赤みがかなりあるけれど、それも徐々に薄くなっているし、傷が治ると、表面が乾燥する。(乾燥させると治る..のではなく)

傷口全体が乾燥してきたのでラップを外して数日すると、乾燥した皮膚はちょっとごわごわしているし、色は赤みが消えて痣のようにグレーになり、それも薄くなって、徐々に肌色に近づいている。(これで良いんだろうか?)
直射日光に当てると、新しい皮膚は色素沈着を起しやすいそうなので、日光が当たらないようにしないといけない。
とにかく、今までかさぶたができて治っていった傷とは随分違う。
水道水とサランラップだけで、痛みも化膿することもなく、こんなに簡単にスリキズが治っていくというのは、眼からウロコ的に面白い。
こういう新しい療法は、自分で実地で試してみると、その効果が納得できる。
今回は軽傷だったので医者にも行かずに済んだけれど、もっとひどい外傷や火傷の場合は、たまたま近くにある大きな病院や開業医ではなくて、湿潤療法で治療している医師を探した方が良い気がしてきた。


夏井医師の湿潤療法に関する書籍は数冊出ている。
最近のもので価格が手頃でレビューが多いのは、光文社新書の『傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学』。
今読んでいる途中。そのうち要点だけメモしておく予定。

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 (光文社新書)
(2009/06/17)
夏井睦

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(非公開コメント受付中)

ラップで!?
こんにちは!
いや~、とても興味深いお話でした。
私もすりむいたらやってみようかな。

火傷の水泡がやぶれた時とか、包丁などで少し深めに切った時は、バンドエイドのキズパワーパットを使っています。5日くらい貼ったままにしておくと、奇麗に治るので。でもこれ、お値段がとても高いんですよね。ラップならお安いし、いつでもあるし良いですよね。

ちなみに先日手術で10センチくらい切ってもらったのですが、縫ったあとには透明のラップのちょっと厚めのようなシートが貼ってあって抜糸まで8日間そのままの状態でした。

私は毎日このシートをはがして傷口を消毒するのか?と思っていたので、ちょっと驚きでした。医師も透明シートの上から傷口を見て「あ、傷は奇麗ですね。」で1秒で診察終了なので、楽ちんそうでした(笑)。

シートは防水だけど、さすがにシャンプーすると端っこがはがれそうになってくるので、そのあたりはあまりお湯をあてないようにしました。
眼からウロコでした
Tea316さん、こんにちは。

湿潤療法というのは、夏井医師のホームページを見て初めて知ったのですが、実際に自分で試してみると、ほんとに不思議なくらい簡単。
全然痛くないし、サランラップで覆うだけで、自然に治っていきます。
ただし、本を読むと、医者の診察が必要な傷の状態が列記しているので、何でも自分で治せるというわけには行かないようです。

キズパワーパットは使ったことがありませんが、商品説明を見ると、ハイドロコロイド素材を使ってますし、「キズをピッタリ覆って、傷口に出てくる体液(滲出液)を保持した方が、キズは早くきれいに治る」というのが、「キズケアの新しい考え方(“モイストヒーリング”)」と書いてました。
これって、まさに湿潤療法のことですよね。
「薬局・ネットで買える創傷被覆材」にも、キズパワーパットと類似商品が載っています。
http://www.wound-treatment.jp/title_hihukuzai.htm

最近は、手術の切開傷でも消毒&ガーゼではないのですね。
これが今や標準治療になっているのか、新しいトレンドなのかよくわかりませんが、いつの間にかキズの治し方も随分変わったものです。
夏井医師のホームページで面白いのは、昔ながらの治療法を続けているので、痛い、治らない、皮膚移植手術をしたがるお医者さんの話がたくさんでてくるところです。
患者が報告する実例なので、リアリティ充分。ほんとに医者を選ぶのも注意しないといけない気になってきます。
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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