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アラウ ~ モーツァルト/ピアノ作品集 (2) (1964年&1973年録音)
珍しくも、”モーツァルトらしくない”アラウのモーツァルトが気に入っているので、今までリリースされたCDを調べてみると、録音年をチェックして聴くのが良さそうに思えてきた。

Philipsのスタジオ録音は、1973年、1983~88年の2回に分かれている。
1973年に録音したのは、ピアノ・ソナタ第14番、幻想曲ニ短調・ハ短調、ロンドイ短調の4曲。
1983年以降に、14番を除くピアノ・ソナタ全曲、アダージョ、ロンドニ長調を録音。
アラウのモーツァルトが、”遅い、重い”と言われているのは、おそらく1983年以降の録音について。
1973年の録音は、マルカート気味のタッチでゴツゴツとしてはいるけれど、テンポは遅すぎもせず、打鍵はしっかりして音の切れも良い。重心が低くて揺らぐことのない安定感と深い叙情感があり、技巧と表現のバランスが良い。

最近リリースされた未発表音源は、1964年のタングルウッド音楽祭のライブ録音(2枚組)。
ピアノ・ソナタ第5・8・14・17・18番と幻想曲ハ短調のCD2枚組。
Philipsの1980年代のスタジオ録音とは全く違い、第14番は1973年の録音よりもさらにテンポが速く(少し慌しい感じがしないでもないけれど)、ゴツゴツと骨っぽいタッチは堅牢。力強くてキビキビとした快活さは気持ちが良い。
アラウはライブになるとかなりテンポが速くなる傾向がある。どちらかというと、第14番については、スタジオ録音の方が、若干テンポが遅くなっているせいか、落ち着いた弾きぶりで、こちらの方が個人的には好み。
タングルウッドの方は、スタジオ録音よりもさらに昔のライブ録音なので、音はかなりデッド。
その分、小さな部屋で直接聴いているようなくらいに、細部まで克明。(やや左手側の音が大きめかも)
晩年のデジタル録音は音がはるかに美しいとはいえ、ベートーヴェンと同じくモーツァルトでも、技巧的にしっかりした全盛期の演奏は必ず聴いておきたい。
結局、今回はPhilipsのモーツァルト作品集BOX(廉価盤)は見送って、1973年に録音した曲だけを収録した分売盤(国内盤)を購入。このタングルウッド音楽祭のライブ録音ももうすぐ手に入れることになりそう。


モーツァルト:Pソナタ第8番モーツァルト:Pソナタ第8番
(2001/08/29)
アラウ(クラウディオ)

試聴ファイル
(第8番のみ1983年録音。他の曲は1973年録音)


Claudio Arrau Live at TanglewoodClaudio Arrau Live at Tanglewood
(2013/06/25)
Claudio Arrau

試聴ファイル(Presto Classical)




ついでに書いておくと、どのCDを買おうかと、試聴ファイルやYoutubeの音源でアラウのモーツァルトの演奏を聴いていたら、子供の頃によく練習したピアノ・ソナタ第16番の第1楽章にとても惹きつけられてしまった。
この曲は、ピアノの初学者が必ず練習するのではないかと思うくらいに、やさしくポピュラーな曲。
アラウが弾いているトリルは、まるで小鳥が囀っているように可愛らしい。
晩年のアラウが弾くモーツァルトは、(指回りが危なっかしくてたどたどしさがあるとはいえ)、同じく晩年に録音したバッハやベートーヴェンにも共通した独特の透明感と無垢な子供のようなピュアなものを感じるせいか、不思議な魅力がある。

Claudio Arrau - Mozart Sonata K.545 1 mov


tag : モーツァルト アラウ

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小鳥のさえずり
この間、16番を習い終えたところでした。
(あまり上手ではないので)
「小学生でも弾けるけれど、大人にならないと弾けないですよ。」
と先生がおっしゃっていました。
きれいな真珠の粒がころころきれいにころがる16番の1楽章。
アラウのトリルはなんであんなに可愛いんでしょうね。
音楽的に弾くとなると
Leaf Pie 様、こんばんは。

この曲に限らず、一見やさしく弾けそうに思える曲でも、音の粒・音色から表現に至るまで、音楽的に弾くのは難しいですね。
アラウのトリルは、昔から粒立ちがよくて、おしゃべりするように聴こえることがよくあります。
モーッアルト
私もモーツァルトは基本的にあまり好きでなく、演奏の仕方が好きだと聴くことができます(笑)。モーツァルトを聴かねばならないならば、フォルテピアノでの演奏の方を迷わず選択するでしょう。しかしそれも演奏者によりけりです(爆)。

一番好きなのは幻想曲ニ短調かな。8番もわりと好き。16番は最近食傷気味(爆)。

しかしアラウのモーツァルトは初めて聴きましたが、かなり独特な味わいがありますね。こういう感じは初体験です。アラウならでは!の演奏ですね。重くてごつごつして、モーツァルトっぽくなくて、かなり不思議な感じです。

苺大福を初めて食べた時みたいな、そんな感じがしました(笑)。
変わったモーツァルトですが
Tea316さん、こんにちは。

モーツァルトが好きではないのは、子供の頃にトルコ行進曲付きソナタを練習するのが嫌で嫌で仕方がなくて、そのトラウマ(?)かも。
例外的に短調系の曲はかなり好きです。幻想曲ニ短調と8番ソナタも好きですし、初めて全曲聴いた14番のソナタも気にいってます。(交響曲でも好きなのは39番です)

フォルテピアノは、ブラウティハムなど何人か聴いたことはあるのですが、楽器自体の音に違いはあっても、あのレトロな音色がどうも私の好みには合わないみたいです。
時代楽器で弾いた演奏が随分増えましたが、特にベートーヴェンをフォルテピアノで弾かれると、座り心地の悪い椅子に座っているように、もぞもぞと落ち着かない気分になってしまいます。

アラウのモーツァルトは、やっぱり変わっていますね。こういうモーツァルトらしくないところが、逆に聴きやすかったりします。
若い頃はゴツゴツしつつも男性的でキビキビしてましたが、晩年は独特の透明感があって、この感覚がかなり好きです。
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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