2013_08
06
(Tue)12:00

【新譜情報】 アラウ&デイヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデン ~ ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集 

長らく廃盤になっていたアラウ&コリン・ディヴィス指揮シュターツカペレ・ドレスデンの『ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集』が、とうとうと言うか、ようやく来月9月に再発売される。

このリイシュー盤は、UNIVERSAL MUSICとタイアップしたタワーレコード限定盤で、“VINTAGE COLLECTION +plus”シリーズの一つ。(amazon・HMVでは取り扱っていない)
アラウは1903年生まれなので、今年2013年に生誕110年記念盤としてリリースされる。
既発の廉価盤(全集ではなく抜粋)とは違って、原盤と同じジャケット・デザイン。アラウの風格のあるポートレートが素敵。
なかなか全集が再発売されなかったのは、このタワーレコードの企画盤の計画が進んでいたのが影響していたのかも。

ベートーヴェン: ピアノ協奏曲全集, 他<タワーレコード限定>ベートーヴェン: ピアノ協奏曲全集, 他<タワーレコード限定>
(2013/09/06)
Claudio Arrau 、 Colin Davis 、 Staatskapelle Dresden

試聴ファイル(別盤にリンク):第4番&第5番
 

アラウのベートーヴェンのピアノ協奏曲全集は、EMI時代のガリエラ指揮フィルハーモニア管盤と、1960年代にphilipsで録音したハイティング指揮コンセルトヘボウ盤もある。
ハイティングとの録音は、Philipsが廉価盤を数種類出しているので、CDを探すときに結構まぎらわしい。

今回のリイシュー盤の収録曲は、ピアノ協奏曲第1番~第5番全曲に加えて、原盤の全集には収録されていなかったピアノ独奏曲(《アンダンテ・ファヴォリ》と《創作主題による32の変奏曲》)をカップリング。
《アンダンテ・ファヴォリ(Andante favori: WoO 57)》の録音は1984年、《創作主題による32の変奏曲》は、Philips盤では68年・85年録音の2種類があり、85年録音の方を収録。

名盤とされているのは、1984年に録音された第4番と第5番「皇帝」。
第1番~第3番は1987年録音なので、3年前の録音よりもさらに技術的な衰えを感じてしまうし、蒸留水みたいに淡白な演奏に思えるので、ほとんど聴いていない。
初めて聴いた第4番の演奏が、このアラウの全集だった。悠々と大河が流れるような超スローテンポで、慈愛で包み込むような包容力や深い静寂さには奥深い味わいがある。アラウの晩年の録音のなかでは、一番好きな曲。

第4番と第5番のカップリングで廉価盤が2種類出ている。今でも入手可能。
第1番~第3番は分売盤が廃盤になっているし、廉価盤も見かけない。
原盤の全集や分売盤は、かなりのプレミアムが上乗せされて売買されている。(ヤフオクでは、全集BOXが7000円~8000円台で落札されているのを何度か見かけた)
原盤とこのリイシュー盤の音質が同じなのかどうかはよくわからないけれど、3枚組で2500円(発売前に定価を2400円に値下げしていた)という手頃な価格なので、アラウが最後に録音したベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴きたい人にはお勧めのCD。

第4番と第5番だけ聴きたいなら、廉価盤はこちら。
Piano Concertos 4 & 5: EmperorPiano Concertos 4 & 5: Emperor
(2001/04/19)
Claudio Arrau 、 Colin Davis 、 Staatskapelle Dresden

試聴する


ジャケットデザインは全く好きではないけれど、発売年月が新しい廉価盤はこちら。
Beethoven: Piano Concertos Nos. 4&5Beethoven: Piano Concertos Nos. 4&5
(2009/01/23)
L.V. Beethoven

試聴ファイル



そういえば、今年はアラウの生誕100周年にあたるメモリアルイヤーなのを思い出した。
廃盤の再発売や未公開音源、それに協奏曲や独奏曲のBOXセットとかが、年内に出てくる可能性がある。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集BOX(旧盤)はすでに再発売ずみ。(でも、新盤全集の方は廃盤のまま)
Philips盤のショパン、リスト、モーツァルト録音は、それぞれ作曲家別の廉価盤BOXで再発売されているけれど、ブラームスとバッハのソロ録音は廃盤のまま。
ベートーヴェン以外をまとめたBOXセットが廉価盤で発売されるなら、手持ちのCDを処分して、BOXセットで買い直しても良い気がする。

                              

タワーレコードでは、独自企画盤をいろいろ出している。
アラウのタワーレコード限定盤でとても良かったのは、1976年10月17日に行われた"The Amnesty International Concert"(アムネスティ・インターナショナル・コンサート)でのピアノ協奏曲第4番のライブ録音。
伴奏は、珍しくもバーンスタイン指揮バイエルン放送交響楽団。
アラウとバーンスタインは、バーンスタイン夫人がアラウの弟子だったため、かなり懇意だったらしい。でも、演奏会で共演することはほとんどなかった。
このライブ録音は、“Leonard Bernstein Collectors Edition”(6枚組)にも収録されている。それを買うつもりは全然なかったので、この分売盤はとても嬉しい企画だった。

ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番, 交響曲第5番, 他<タワーレコード限定>ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第4番, 交響曲第5番, 他<タワーレコード限定>
(2010/06/04)
Leonard Bernstein 、 Bavarian Radio Symphony Orchestra 、 Claudio Arrau



このライブ録音の映像も残っている。
Philipsの最後のスタジオ録音よりも、テンポがやや速く、技巧的にもずっと安定している。
スタジオ録音独特の透明感としっとりと潤いのある音とは違うけれど、かなり前面から聴こえて来るピアノの音はクリアで細部までよく聴き取れるし、特に高音の煌きが綺麗。
どちらかというと、音質は別として、演奏そのものは最後のスタジオ録音よりもこのライブ録音の方が好きかもしれない。

Arrau Bernstein Beethoven Piano Concerto No. 4



<過去記事>
 アラウ~ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番
 アラウ~ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 アラウ&バーンスタイン指揮バイエルン放送響~ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番


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