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ストラヴィンスキー/カプリッチョ
ヤナーチェクの《カプリッチョ》を聴いていると、ストラヴィンスキーも《カプリッチョ》という曲を書いていたのを思い出した。
この曲は、レーゼルの協奏曲BOXに収録されていた。《ペトルーシュカによる3楽章》の録音とカップリングされていたので覚えていたけれど、しっかり聴いた覚えがない。

Igor Stravinsky: Capriccio per pianoforte e orchestra (1929)

Carlos Roque Alsina, pianoforte, Orchestre Philharmonique de France,Ernest Bour (1975.11)


3楽章形式。全てアタッカで途切れなく演奏される。
ヴィルトゥオーゾ向けのピアノ協奏曲らしく、ピアノパートの旋律は単音が多くてシンプルに聴こえるけれど、速いテンポでの同音連打、跳躍、スタッカート、変則的なリズムなど、かなり腕が疲れそう。

第1楽章 Presto
冒頭からちょっと騒然とした雰囲気で、ヤナーチェクの《カプリッチョ》と比べると、全体的にファンタジックな感じは稀薄。
逆に、いかにも「カプリッチョ」(気まぐれ、形式にとらわれない、快活で諧謔な曲、奇想曲)に相応しい、羽目を外したような自由さや、軽妙で奇想天外(?)な雰囲気漂うところが面白い。
特にピアノパートの目まぐるしく移り変わる旋律やリズムは、(私には)シニカルなところを薄くしたプロコフィエフ風だったり、ジャジーだったりする。
左手が打楽器的に力強いリズム感を刻むところは、オケの打楽器の一種のように聴こえる。
終盤はリタルダンドして、アタッカで第2楽章へ。

第2楽章 Andante rapsodic
密やかに忍び寄るような重たいテンポと暗い雰囲気の旋律で始まる。
ここは刑場へ向かう囚人のような足取りみたい。
やがて”rapsodic”らしい短調の悲愴感漂う曲想にかわり、スペイン風(?)のエキゾティックな感じがする。
ときどき軽妙な喜劇風の旋律が混在したりする。
ラプソディックな曲ではあるけれど、私にはなぜかパロディ的に聴こえたりする。

第3楽章 PrestoII. Allegro capriccioso ma tempo giusto
いかにも”capriccioso”風の終楽章。
まるでチャップリンの映画を思い出すような軽妙さが妙に可笑しい。


全体的に、ヤナーチェクの《カプリッチョ》より、旋律やリズムが明瞭でわかりやすい曲ではあるけれど、とらえどころのないところもかなりある。
部分的にはいろいろ面白いのだけれど、印象に残るかといえば、繰り返して聴く気にまではならない。
ヤナーチェクの《カプリッチョ》に限らず、ピアノ曲や室内楽曲を聴いても、総じてストラヴィンスキーよりヤナーチェクの作品が好きなので、どうやらストラヴィンスキーは私の好みとは違うらしい。

tag : ストラヴィンスキー

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