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スティーヴン・ハフ ~ サン=サーンス/ピアノ協奏曲第2番
あまり人気があるとは思えないサン=サーンスのピアノ協奏曲のなかでも、有名なのは第2番、それに第5番「トルコ風」。
サン=サーンスの曲をいくつか聴くと、隠れた(?)メロディメーカーだと思うくらいに、旋律の美しさが印象的。
唯一の難点といえば、聴いている時はなんていい曲なんだろう!と思っていても、後になってみると、なかなか曲が思い出せないこと。
さすがに、第2番のコンチェルトは何度も聴いたので、しっかり記憶に定着。

このピアノ協奏曲第2番も、どの主題旋律も華麗でロマンティック。
珍しくも、第1楽章がAndante sostenutoと緩徐楽章になっている。そのわりには、深い憂愁が漂いつつも、とてもパッショネイト。
第2楽章は、Allegro scherzando。第1楽章とは曲想が一転して、ほんとにピクニック気分。拍子抜けするくらいに、明るく軽快で楽しそう。(両端楽章と比べると、ちょっと場違い(?)に感じるほど)
第3楽章Prestoは、フィナーレに相応しく、スピーディでダイナミック。
私は第2番と第4番が好きだけれど、この第2番は何度聴いても名曲だと思う。
どうしてあまり知られていないのかと考えると、演奏機会が少ないこと。
楽譜を見ながら聴いていると、ショパンのように譜面がごちゃごちゃと錯綜しているわけではなく、和音・アルペジオ・スケールとも、単音か音の少ない重音で、とてもシンプル。
幾何学的な美しさを感じるくらいに、すっきりとした音の配列なのだけど、これを速いテンポで一音一音明瞭にクリアな音で、タッチがきつくもバタバタすることもなく、さらりと滑らかに弾くのは、かなり難しそう。
ハフはかなり速いテンポで弾いているけれど、他のピアニストの演奏をいくつか聴くと、テンポが速いと音が団子状に聴こえたり、重音が連続していくと力んでタッチが荒っぽく音にデリカシーが無くなったり、とにかく譜面のシンプルなほどには、スラスラと弾けないみたい。

全集録音の昔からの定番は、パスカル・ロジェのDECCA盤。
比較的新しい録音では、スティーヴン・ハフのhyperion盤の評価がとてもよい。
技巧優れたハフだけあって、タッチも音の切れ良さも抜群、特に、第3楽章Prestoの速いテンポの疾走感は爽快。

ハフの録音では、全集録音と抜粋盤の2種類が出ている。
抜粋盤は、第2番、第4番、第5番の3曲。
全集コレクターでないなら、廉価盤の抜粋盤でも充分楽しめる。


Complete Works for Piano & OrchestraComplete Works for Piano & Orchestra
(2001/10/14)
Stephen Hough, City of Birmingham Symphony Orchestra,Sakari Oramo

試聴する(hyperion)


Piano Concertos Nos.2 4 & 5Piano Concertos Nos.2 4 & 5
(2011/04/04)
Stephen Hough, City of Birmingham Symphony Orchestra,Sakari Oramo

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tag : スティーヴン・ハフ

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No title
こんばんは!

サン=サーンスのピアノ協奏曲2番はメロディがいいですね。僕はジャン=フィリップ・コラールのCDをよく聴いていました。ハフの演奏は初めて聞きましたが、素晴らしいですね!

ご存知かもしれませんが、この曲と言えばサン=サーンス自身による録音も残っています。1904年の録音です。抜粋版で、しかも管弦楽もないですが
http://www.youtube.com/watch?v=Cdqcwm_NYcw
これも興味深いです。
第2番はやっぱり名曲です
ミッチ様、こんばんは。

コラールの録音は有名ですね。
昔はパスカル・ロジェの全集を聴いてましたが、今はハフが定番になってしまいました。

記事を書いた後でソコロフのスタジオ録音も見つけましたが、これも素晴らしく、特に第1楽章が良かったです。この楽章は、ハフ以上かも。
ソコロフはさすがに若い頃でも、その才能がきらきらと輝くような演奏でした。

サン=サーンスの自作自演盤は聴いたことがありませんでした。
音質が悪いと思って、眼にとまらなかったのかもしれません。
これは、ピアノ・ロールではなく、S-S録音?というのでしょうか、よくわかりませんが、この時代に自作自演の録音が残っているのは、貴重ですね!
No title
これはピアノロールではなく、アコースティック録音です。歴史的にすごく貴重な録音を復刻技師マーストンが復刻しました。彼のレーベルMarstonから「Legendary Piano Recordings」というCDに収録されて発売しました。
http://www.marstonrecords.com/legendary-piano/legendary_piano_tracks.htm

世界で最も古い録音会社のひとつといわれるGramophone & Typewriter社が録音したものです。この会社はHMVレーベルや、後のEMIレーベルの母体のようなものです。

ソコロフの演奏も素晴らしいですね!ご紹介ありがとうございます!
アコースティック録音
ミッチ様、こんばんは。

昨日、録音方式をWikipediaで調べてみたのですが、そもそもSPとLPの違いもわかっていない私には、さっぱりわかりませんでした。

アコースティック録音には、サン=サーンスの他に、グリーグ、ドビュッシーなどの復刻盤があるのですね。
他の作曲家も、20世紀初めくらいまで生きていたら、他にも復刻盤が出ていたかも。
教えてくださって、どうもありがとうございました。
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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