ソコロフ ~ サン=サーンス/ピアノ協奏曲第2番、ショパン/ピアノ協奏曲第1番 

2013, 09. 16 (Mon) 12:30

サン=サーンスのピアノ協奏曲第2番で、ハフ以外に良い演奏がないかと探していたら、グレゴリー・ソコロフの音源を発見。
1966年という随分若い頃の演奏だけれど、ソコロフの数少ないスタジオ録音で音質はとても良い。
ソコロフの若い頃の録音といえば、ショパンのピアノ協奏曲第1番はショパンらしくない(?)清楚な雰囲気が漂っている。
その10年前くらいに弾いたこのサン=サーンスのコンチェルトも素晴らしく良い。
後年のソコロフの演奏を彷彿させるように、やや遅めのテンポで、切れのよい精緻な打鍵、研ぎ澄まされた透明感のある美音、細部まで緻密でニュアンス豊富な表現で、方向性は違ってもハフのサン=サーンスと同じくらいに聴かせてくれる。

Grigory Sokolov - Saint-Saëns Piano Concerto No. 2
Conductor: Neeme Järvi、Piano: Grigory Sokolov (1967)


ソコロフは、ハフとは違って、全体的にテンポが遅めで、打鍵も強いので、まるで音で彫刻しているかのように感じる。
特に第1楽章は、研ぎ澄まされた音がとても美しく、音が水の滴のような瑞々しさを帯びて、ロマンティック。
細部まで緻密で微妙なニュアンスのある表現で、かえってテンポが遅い方が、この曲の良さを隅ずみまで味わえると思ってしまうくらい。
ソコロフのショパンのピアノ協奏曲第1番を思い出したくらいに、私にはソコロフ流のショパン風にも聴こえる。
ソコロフには華麗なロマンティシズムとドラマティックなスケール感があるので、さっぱりとした清々しい叙情感のハフと比べると、この楽章はソコロフの方に強く惹きつけられる。
第3楽章は、テンポがかなり遅く、打鍵も一音一音を刻み込むように強く重い。
速いテンポで、シャープで軽やかなタッチのハフの方が、Prestoらしい疾走感があって、とっても爽快。



若い頃のソコロフがスタジオ録音したショパンのピアノ協奏曲第1番は、コロムビアの国内盤で聴ける。
表現は細部まで緻密でルバートも多用して濃密なくらいなのに、ベタベタともたれるセンチメンタリズムを感じさせない。
逆に、ショパンらしくない清楚で可憐なスミレのように美しくて、この曲では一番好きな演奏。

ショパン:ピアノ協奏曲第1番ショパン:ピアノ協奏曲第1番
(2006/12/20)
ソコロフ(グリゴリー), ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ロヴィツキ(ヴィトールド)、他

試聴ファイル


Grigory Sokolov - Chopin Piano Concerto No.1 Mvt.1 (Part 1)
Münchner Philharmoniker,Conductor: Witold Rowicki,Piano: Grigory Sokolov(1977)


Grigory Sokolov - Chopin Piano Concerto No.1 Mvt.1 (Part 2)


タグ:サン=サーンス ショパン ソコロフ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。

2 Comments

ハルくん  

ソコロフのチャイコフスキー

yoshimiさん、こんにちは。
今年も残り少なくなりましたね。

ソコロフの録音は本当に少ないですが、先日、海賊盤CDーRながら、チャイコフスキーのコンチェトのディスクを入手しました。1993年の録音です。
ソコロフの独奏曲のレパートリーからするとやや意外に感じますが、この人はロシア人ですからね。ゲルギエフ/キーロフ管の伴奏というのにも興味芯々でしたが、ピアノと伴奏が時にぶつかり合い、時に寄り添うという、巨人同士のスリリングで非常に素晴らしい演奏でした。それに何よりもソコロフの表現力には脱帽です。

2013/12/21 (Sat) 11:26 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

ソコロフならその通りでしょう

ハルくん様、こんにちは。

ソコロフの海賊盤はたくさん出てますね。私もラフマニノフとかを持っていたと思います。
チャイコフスキーはほとんど聴かないので、若い頃に録音したピアノ協奏曲を収録したCDセットも買わずじまいでした。
ソコロフなら、どんな指揮者、オケにもひけをとることない表現力で弾くだろうというのは想像できます。
そういえば、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のライブ音源を最近聴きました。好みとは違う濃厚な表現でしたが、そういうことを超えてソコロフの演奏は素晴らしいものでした。

2013/12/21 (Sat) 11:37 | EDIT | REPLY |   

Leave a comment