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サンドリーヌ・ピオー 『Après un rêve』
サンドリーヌ・ピオーの『Évocation』がとても良かったので、コンセプトアルバムの第2弾『Après un rêve』も購入。
「夢」にまつわる歌曲を集めたアルバムなので、フォーレの名曲『夢のあとに』はこのCDに相応しいタイトル。
「眠るときに見る夢、夜の象徴である夢、恋人とみる夢、恋人のことを見た夢、さらに夢には魔女やネズミなど様々な不思議な生き物が登場するちょっとおかしな夢・・・」など、色とりどり。

視聴した時、とても印象が良かったけれど、CDで聴いてみても、『Évocation』と同じく、とても素敵な歌と選曲。
作曲家は、シュトラウス、フォーレ、メンデルスゾーン、ショーソン、ヴァンサン・ブショー、プーランク、ブリテン。
ドイツ・フランス・英国のロマン派、印象主義、現代音楽からの選曲。
フランス歌曲集、ドイツ歌曲集といったアルバムと違って、似たような作風の曲が少ないし、特に良かったのは、ピアノ伴奏がソロ並に凝った曲もいくつかあるので、歌とピアノと両方が楽しめる。
スーザン・マノフのピアノ伴奏も、ピアノの音色がピオーの歌声によく似合っていて、どちらかというと、テンポの遅い叙情的な曲の方が良い感じ。特に、神秘的・夢想的な曲のピアノ伴奏が素晴らしく、雰囲気がよく伝わってくる。


Apres un reveApres un reve
(2011/03/22)
Sandrine Piau

試聴ファイル



R. シュトラウス:夜op.10-3、秘めごとop.17-3、あすの朝op.27-4
シュトラウスの「Die Nacht/夜」「Morgen/あすの朝」は、以前から好きな曲だったけれど、ピオーの歌で聴くと、余計に素晴らしく聴こえる。
特に「Morgen」が絶品。ゆったりとしたテンポで、静けさとしっとりした叙情感のピオーの歌に加えて、マノフのピアノ伴奏がとても素敵。この静謐さにはマーラー歌曲に通じるものを感じる。

Sandrine Piau - Susan Manoff - Richard Strauß - Die Nacht & Morgen!


フォーレ:夢のあとにop.7-1、月の光op.46-2、ゆりかごop.23-1
「Apras un reve/夢のあとに」は、聴き慣れたシュトゥッツマンの歌と比べると、儚げというよりは、かなり元気。
「Clair de lune/月の光」は、ドビュッシーのピアノ独奏曲の同じ曲名でも、曲想は全く違う。「Les Berceaux /ゆりかご」は子守歌のような曲かと思っていたら、どこかで聴いたことのある短調の悲しげな曲だった。

メンデルスゾーン:夜の歌op.71-6、新しい恋op.19-4、眠れぬ瞳のともしび、魔女の歌op.8-8
私が知っているメンデルスゾーンは、ピアノや室内楽曲が中心。
歌曲はほとんど聴いたことがないか、記憶に残っていなかったけれど、ピオーが選んだ4曲はどれも印象的。他の歌曲も聴いてみたくなってくる。
「Nachtlied/夜の歌」と「Schlafloser Augen Leuchte /眠れぬ瞳のともしび」は、ロマン派というよりは、古典派の歌曲に近い感じで、かっちりとしたフォルムで端正な叙情感がとても美しい曲。
それとは作風が随分変わり、ちょっとコミカルな「Neue Liebe/新しい恋」と、魔王の女性版(?)みたいな疾走感と切迫感のある「Hexenlied/魔女の歌」は、オペラ風。
劇中の登場人物の動きが思い浮かんでくるようなところがあって、これはかなり好きなタイプの曲。
それに、ピアノ伴奏が、メンデルスゾーンの室内楽曲と同じく、ピアニスティックで華やか。

ショーソン:昔の恋人op.2-2、魔法と魅惑の森でop.36-2、時の女神op.27-1
第1曲と第3曲はいずれも深い哀感のある詩情がとてもロマンティック。
「Dans la fort du charme et de l'enchantement/魔法と魅惑の森で」がかなり変わった作風。
特に、ピアノ伴奏はまさにタイトル通り、まるで”ラビリンス(迷宮)”の世界に迷いこんだような摩訶不思議さ。歌よりも印象的で、ピアノソロとして聴いても違和感がないかも。

ヴァンサン・ブショー:Galgenlieder(絞首台の歌)~月のこと、カワカマス、真夜中のネズミ、水、絞首台の子供の子守歌
ブショーは現代の作曲家なので、録音も少なく、Youtubeでも音源がほとんど見つからない。
『Galgenlieder(絞首台の歌)』という不気味なタイトルの歌曲集。
不協和的な和声もつ不安定感や、摩訶不思議な雰囲気の旋律とピアノ伴奏は、このアルバムのなかでは異色。
なぜか私の波長にぴったり合ってしまって、どの曲も面白い。
「DerHecht/カワカマス」は、パイクという魚のこと。カモのくちばし状の口から”カモグチ”とも言うらしい。いかにも現代音楽風のナレーティブでモノローグ的な歌。エキセントリックというか、ねじのハズレたような危なさ。
「Das Wasser/水」はまるで生き物のように思えるし、特にピアノ伴奏が”水”のもつ神秘的な雰囲気を出している。
この歌曲集は、このアルバムのなかでは思わぬ掘り出し物だった。

Sandrine Piau & Susan Manoff: Mondendinge - Galgenlieder - Vincent Bouchot


プーランク:モンパルナス、ハイド・パーク、セー(C)、華やかな宴
《Deux poemes d'Apollinaire》の「Montparnasse/モンパルナス」と「Hyde Park/ハイド・パーク」、
《Deux Poemes de Louis Aragon》の「C/セー」と「Fetes galantes/華やかな宴」。
「Montparnasse」と「C」は叙情的で美しく、「Hyde Park」と「Fetes galantes」はプーランクらしい軽妙でコミカル。
「Fetes galantes」のラストで、旋律が下行していくところは、ガクッと脱力してしまいそう。

ブリテン(民謡編曲):サリーの園、なぐさめる人もなく、なにゆえイエスは
珍しいブリテンの民謡編曲。
「I Wonder as I Wander/なにゆえイエスは」は、クリスマスとかに良く歌われているし、「サリーの園」も聴いたことがある(たぶん有名な)メロディ。
編曲に面白さがあるのかもしれないけれど、元々の民謡に詳しくないと、それがわからない。(メロディはそんなに変えられないだろうから、ピアノ伴奏のつけ方に特徴がある?)
ブリテンの編曲で聴かずとも民謡の録音は多数あるので、同じブリテンを歌うなら、ブリテンらしさが味わえるオリジナル曲を歌って欲しかった。
それでもピオーの歌声で聴いた民謡は美しく、ブリテンの選曲を除けば、とても満足感のあるアルバムだった。

tag : ピオー フォーレ メンデルスゾーン プーランク ブリテン

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綺麗ですね!
こんにちは!

ビオーのアルバムが欲しいな!と思いつつ、まだ買ってません。色々欲しいアルバムがあって、困っちゃいます(笑)。こういう声質の歌手って、珍しいというか希少価値があるように思います。

私は試聴した感じでは、『Après un rêve』の方が好きかも。

シュトラウスの2曲、とても美しいですね!!メンデルスゾーンの歌曲、初めて聴きました。他も聴いてみたいな。
とても素敵なアルバムです
Tea316さん、こんばんは。

ピオーのコンセプトアルバムはどちらも良いですね。
ここ数年買ってきた女性歌手の歌曲集のなかでも、大ヒットでした。
これもTeaさんのブログでご紹介されていたおかげです。どうもありがとうございました!

シュトラウスはとってもいいですよ。
このアルバムのなかでは一番好きな2曲ですし、歌も(それにピアノ伴奏も)素晴らしいです。
そういえば、メンデルスゾーンは、シュトゥッツマンの歌曲集を持っていたのを今思い出しました。全然歌の記憶がないので、探し出して聴いてみます。
今回はピオーの歌で聴いたから、印象に残ったのかもしれませんが..。

最初に買うなら『Après un rêve』の方がオススメです。
聴けば聴くほど、私もこのアルバムの方が好きになりそうです。
緩急取り混ぜた選曲で曲想もバラエティがありますし、現代音楽風の曲は少なく、有名な曲がいくつも入っているので聴きやすいです。
特に素晴らしいシュトラウスの歌は、CDでじっくり聴きたいですね。
ピオーのMorgen、とってもいいです
yoshimiさん

こんばんは。
こちらのアルバム、私も入手して聴いていますよ。
おかげさまで、お気に入りのアルバムとなりました。

やはり、リヒャルト・シュトラウスの歌曲が、とくにMorgenが絶品と思います。仰る通りマノフのピアノ伴奏もすばらしいですね。繊細な表現にうっとりしてしまいます。

私にとって特別な曲「Morgen」。とっておきの演奏に出会えて、とてもうれしいです。yoshimiさん、ありがとうございました。

それから、この場をお借りしましてピオーのアルバムをご紹介くださったTeaさまにも心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

「Morgen」が素晴らしいですね!
ANNA様、こんばんは。

このアルバムは本当に素敵ですね!
とても気に入られたようで、私も嬉しいです。

「Morgen」は曲自体がとても良いのですが、ピオーの歌と、ピオーにぴったり寄り添ったマノフのピアノの美しさとが相まって、素晴らしいです。
この曲は何度聴いても聴き飽きることがありませんよね。
この1曲聴ければ、CDを手に入れた甲斐があったと思えるくらいです。
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Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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