トランス脂肪酸 ~ 米国FDAが安全性を否定、使用禁止へ 

2013, 11. 08 (Fri) 12:00

今朝の日経オンラインで、「トランス脂肪酸、米が使用禁止「心臓発作を予防」」という記事が出ている。それによると、

「FDAはトランス脂肪酸を「食用として安全と認められない」と暫定的に判断した。60日間の意見聴取期間を経てこの判断が最終的に確定すれば、許可を受けた場合を除き使用を原則禁止する。」

情報ソースは、米食品医薬品局(FDA)のニュースリリース(Nov. 7, 2013)

詳しい内容が報道されているのは、米国メディアの日本版。
「米FDA、トランス脂肪酸の安全性否定へ転換―禁止に向かう公算」(ウォールストリートジャーナル)
トランス脂肪酸の安全性否定 食品への使用禁止も 米当局(CNN Japan)


海外では、トランス脂肪酸(トランスファット)の成分表示を義務付けている国も多いのに、日本では表示義務が全くない。
国産品でトランス脂肪酸の含有量を表示しているのは、私が見た限りでは、トランスファットフリーのマーガリンくらい。
海外からの輸入品には、トランス脂肪酸の含有量を表示しているものをよく見かける。

日本では、”欧米人とは食生活が異なる日本人は、トランスファット摂取量が平均的には多くはないので、表示しなくても問題ない”と、厚生省も業界団体(マーガリン工業会などの)も言い続けてきたと思う。
食品安全委員会の「『食品に含まれるトランス脂肪酸』評価書」(は2012年3月)では、日本人のトランス脂肪酸の摂取実態として、「大多数は世界保健機関(WHO)の目標である、総エネルギー量の1%未満を下回っている。通常の食生活では、健康への影響は小さい。ただし、脂質に偏った食事をしている人は、留意する必要がある」記載されている。(出典;「トランス脂肪酸」気にするくらいなら禁煙を 脂肪酸との付き合い方(前篇)(JB PRESS、2013.10.18)

FDAがトランス脂肪酸を「食用として安全と認められない」と明言したことには、どう反応するんだろうか。
日本でトランス脂肪酸が入った製品を販売禁止にすると、スーパーの特売品で大量に並んでいるマーガリン、食用油、それらを使った加工食品(パン、お菓子、惣菜など多くの加工食品)まで対象になるので、メーカーから消費者に至るまで、影響は甚大。
成分表示さえ義務付けていないのに、FDAのように(近い将来)禁止措置にするとはあまり思えない。
まず、トランス脂肪酸の含有量の表示を義務付けることが先。

それに、以前に調べた限りでは、トランス脂肪酸の使用を規制していても、今回のFDAのように食品への使用を原則として禁止している国は(おそらく)なかったはず。
トランスファットフリー製品といっても、トランス脂肪酸ゼロとは限らず、一定量以下のトランス脂肪酸を含有しているものもあり、その販売が認められている国が多い。
(摂らないに越したことはない)
トランス脂肪酸を摂らないに越したことはないと思うけれど、多量に摂取しなければ健康上の問題がどれくらいあるのだろうか。

WHO/FAOは、摂取量は全カロリーの1%未満にするよう勧告しているらしい。
ということは、全摂取カロリーが2000kcalなら、トランス脂肪酸(1g=9kcalとすると)の許容量上限は20kcal=約2.2g。
この程度の量なら、1日の食事(パン、揚げ物とか)とおやつ(お菓子・スナック)で、すぐに超えてしまいそうな気がする。

自分でトランス脂肪酸を極力摂らないようにするとすれば、
-トランスファットフリー以外のマーガリン・ショートニングは買わない。バターを買う。
-原材料表示を確認して、マーガリン・ショートニング・食用油が使われているものは避ける。(多くの加工食品が該当する)
-バター、トランスファットフリー製品、もともとトランスファットが含まれていない油(オリーブ油、ごま油などの搾油)を使って、手作りする。


<トランス脂肪酸に関する過去の記事>
食品中のトランス脂肪酸と飽和脂肪酸(2013.09.01)
トランス脂肪酸ゼロとトランスファットフリーは違う(2010.12.27)
トランスファットフリー・マーガリン(2007.04.30)
トランス脂肪酸(2) 国外の規制(2007.04.29)
トランス脂肪酸(1)(2007.04.28)

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