ストラヴィンスキー/火の鳥(ピアノ編曲版) 

2013, 11. 27 (Wed) 12:00

私がマメにチェックしている唯一のスポーツがフィギュアスケート。
演技そのものを見るのが好きという以外に、どんな音楽が使われているのか聴くのが面白いので。

最近の大会のなかで、演技&音楽の両方が一番印象的だったのが、町田樹選手のフリーの演技とストラヴィンスキーの《火の鳥》。(《火の鳥》というと、手塚治虫のアニメの方がすぐに思い浮かぶけど...)

ストラヴィンスキーの《火の鳥》は、今まで断片的にしか聴いたことがない。
たしかジュリーニが録音していたような覚えがあるので、シカゴ時代の録音を集めた「シカゴBOX」を確認してみると、やっぱり《火の鳥》(1919年組曲版)が《ペトルーシュカ》と一緒のディスクに入っていた。
ジュリーニは、この曲が好きだったらしく、56年フィルハーモニア、70年シカゴフィル、90年アムステルダム・コンセルトヘボウと、3回録音している。
《火の鳥》は、少し聴いただけでもとても面白そう。
管弦楽曲版は全曲版と組曲版(3種)があるので、まずジュリーにのCDから聴くことにして、探してみるとピアノ編曲版がいくつかある。


ストラヴィンスキー編曲版
ストラヴィンスキー自身の編曲版は、1910年全曲版を元にしたもの。
ストラヴィンスキーはピアノを使って作曲していたため、《春の祭典》や《火の鳥》のスコアよりも先にピアノ譜が完成し、それを元にオーケストレーションにとりかかっていたという。
自作自演版(ピアノロール)の録音があるらしく、そのほかに、イディル・ビレット(NAXOS盤)、Lydia Jardon(Ar Re Se盤)、田中理恵(オクタヴィアレコード盤)が録音している。
全曲聴くならやはり色彩感豊かなオケの方が良さそうな気はするけれど、ピアノで聴くと鋭く尖った音で細部までくっきりと浮き上がってくるので、曲の骨格がよくわかる。

travinsky - L'Oiseau de feu (extraits), transcription pour piano solo

CDの試聴ファイル(NAXOS):ストラヴィンスキー:バレエ音楽「火の鳥」(ピアノ編曲版)


アゴスティ編曲版
一番よく演奏されているのが、アゴスティ(Guido Agosti)編曲版。
”Danse infernale/凶暴な踊り”、”Berceuse/子守歌”、”Finale/終曲”の3曲で構成しているので、演奏時間は11分前後と短い。
3曲ともピアノで聴いても聴き映えする編曲。
フランチェスコ・ピエモンテージが弾く”凶暴な踊り”は、一気呵成な急迫感と荒々しさで、とてもスリリング。
”子守歌”は、<火の鳥>の神秘性を表現したかのようにとても妖しげな雰囲気。
”終曲”は「展覧会の絵」のような荘重華麗。
ピエモンテージのピアノは、音色がカラフルで力感・量感も豊かなので、管弦楽曲版とは違ったピアノ編曲版の面白さが楽しめる。

Stravinsky The Firebird, piano Francesco Piemontesi




ナオモフ編曲版
ナオモフ(Emile Naoumoff)編曲によるピアノ独奏版。

編曲した曲は、Introduction(序曲)/Ronde des princesses(王女たちのロンド)/Danse infernale(凶悪な踊り)/Berceuse(子守唄)/Tableau final. Allégresse générale(カスチェイの死と終曲)。
ライブ映像を見ると、ナオモフの編曲と演奏は凶暴な嵐が吹き荒れているような激しさ。
原曲の管弦楽曲版に劣らないくらい(それ以上に)テンション高いかも。

Stravinsky Infernal Danse from "Firebird" Piano Transcription by Naoumoff -Live-


Emile Naoumoff plays Excerpts from Stravinsky's Firebird


タグ:ストラヴィンスキー ナウモフ アゴスティ ピエモンテージ ビレット

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2 Comments

ポンコツスクーター  

火の鳥

こんばんは。
ジュリーニはこの曲の組曲が好きだったようで、ご紹介の録音に加えて、82年の来日公演でも取り上げています。このときのオケはロスアンジェルス・フィルでしたが、金管楽器と打楽器の音が大きくて驚いた印象があります。
できれば全曲を残して欲しかったと思います。
ピエモンテージのピアノもなかなかです。迫力は損なわず、ピアノの匂いをうまく残した編曲であり演奏ですね。

2013/11/30 (Sat) 21:58 | REPLY |   

yoshimi  

「火の鳥」のバージョン

ポンコツスクーター様、こんばんは。

ジュリーニは、ロスフィルとは録音がないようですね。
フィギュアの演技を見ていると、キンキンと金管がよく鳴って、「火の鳥」にはぴったりでした。
これは実演で聴くと、かなりの迫力になるような気がします。

ストラヴィンスキーが4種類も作ってしまったので、どれがどの曲か混乱しそうです。
ジュリーニがよく使っていた1919年組曲版は、適度な長さと終曲で終わるドラマティックな構成なので、一番聴きやすそうな気がしました。
全曲版はバレエ付きで聴いてみたいですね。

ピエモンテージは、初めて聴きましたが、確かにいい演奏してますね。
編曲自体も良いのでしょうが、ピアニストが弾きこなせなければ、演奏効果が上がらないでしょう。(ビレットは、曲によってはテンポが遅すぎて迫力不足でした)
彼はソロアルバムを出しているのですが、デビュー版にしては選曲が意欲的で、試聴した限りでは演奏もかなり良い感じでした。CDで聴いてみたくなる人です。

2013/12/01 (Sun) 02:11 | EDIT | REPLY |   

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