スティーヴン・ハフ ~ ショパン/ワルツ集 

2013, 12. 05 (Thu) 12:00

ゲザ・アンダのワルツ集を数年前に買って以来、久しぶりに聴いたワルツ集はスティーブン・ハフの2010年録音。
ショパンのワルツ集(というかワルツという曲自体)が聴くのが得意な曲ではなく、アンダのほかにはアラウとキーシンのCDくらいしか持っていないかったはず。

ハフのブラームスのコンチェルトの新譜を聴いてから、急にハフ・モードに入ってしまったせいか、めったに聴かないショパンのCD3枚を試聴。その中の1枚がワルツ集。
いくら好きなハフの録音とはいえ、今までワルツ集には全然関心がなくて試聴したこともなかったのに、Youtubeの映像をたまたま見て(聴いて)、すっかり気が変わってしまった。

Stephen Hough plays Chopin's waltz in A flat major


ハンフリー・ボガート風(?)のダンディな扮装で、目深に帽子をかぶったハフが、暗がりのなかで小さなスポットライトの光に照らされながら、ワルツ(A flat major)を弾いている。
(このハフの姿が、「スター・トレック・ネクストジェネレーション」のピカード艦長に見えてしまうのは気のせい?)

このモノトーン映像も面白いけれど、それ以上にさりげないウィットを効かせたお洒落なワルツがとっても素敵。
コロコロと硬め音と柔らかい音色に軽やかなタッチ、ちょっとクセのあるリズムとアーティキュレーションが、妙に私の波長にぴったり。
他のワルツの演奏はどうなんだろう?と思って、ハフのCDを試聴してみると、A flat majorだけでなく、他の曲もとてもしっくりと自然に耳に入ってくる。
まるで昔から聴き親しんできた曲に再会したような懐かしさ。
ハフの弾くワルツは、情感の濃いロマンティックなワルツではなく、心のうちをさりげなくつぶやいているような穏やかさで落ち着いたワルツ。
それに、どこか醒めたようなクールさのなかに、淡い儚なげな哀感がふんわりと漂っているような..。
《夜想曲変ホ長調Op.9-2》が最後に聴こえてきても全然違和感がないくらい、全てが寝静まった夜更けに一人静かに聴いたくなるワルツ。
ハフのピアノの音色と色彩感、ソノリティの美しさも素晴らしくて、このCDも買ってしまいそう。

Complete WaltzesComplete Waltzes
(2011/08/08)
Stephen Hough

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2 Comments

Tea316  

ハフのワルツ

こんばんは!

とっても凝りに凝った映像ですね(笑)。
このアルバムのプロモーション用なのでしょうか?遊び心があって素敵です。

標準的な(?)ショパンではなくて、なんとなくジャズバー的ワルツではありませんか(お酒が飲めないから、ジャズバーに行ったことないけど・笑)?男の孤独を漂わせつつ、夜中にひとりでポロンと奏でるショパンのワルツ!お酒のグラスを傾けつつってかんじで。

私もこの1曲を聴いただけで、かなり気に入りました!アルバム視聴してみたら、ブラームスより、こっちの方が好きかも!?相変らず音が美しいですね~。

2013/12/05 (Thu) 19:30 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

とても素敵なワルツですね!

Tea316さん、こんばんは。

この映像は、なかなか面白いでしょう!
ワルツ集のリリースに合わせて撮ったようです。
ハードボイルド風(?)なハフの姿が結構ぴったりはまってますね~。
独りで静かにお酒のグラスを傾けつつ...という雰囲気には、ジャズバーとかショットバーが似合いますね。

このワルツの演奏はやっぱり一風変わっていますよね。
苦手なショパンのワルツが、随分違って聴こえます。
さすがに軽やかでいろいろ変化する響きがとっても綺麗ですね。レビューを読むと、ペダリングが絶妙なのだそうです。
ショパン後期作品集も聴きましたが(これもとても良かったです)、さらりとした叙情感とどこか静けさが漂うところは似ているような気がします。
ハフのブラームスは細部まで表情をつけていて、ハフにしてはかなり濃厚な表現に感じましたが、こっちは逆に軽やかでさっぱりした後味のショパンなので、気楽に聴けます。
こんなに正反対のブラームスとショパンを弾けるというのは、ちょっとした驚きでした。

2013/12/05 (Thu) 20:06 | EDIT | REPLY |   

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