リスト/マゼッパ 

2014, 01. 23 (Thu) 18:00

Youtubeでツィンマーマンのヒンデミット《ヴァイオリン協奏曲》のライブ映像を聴いていたら、続いて聴こえてきたのがリストの《マゼッパ》のフレーズ。
ピアノ曲しか聴いたことがないので、オケが演奏しているのに耳がすぐに反応したらしい。
映像をよく見ていると、ティーレマン/ベルリンフィルが演奏する《マゼッパ》だった。

《マゼッパ》に管弦楽曲版があるとは全然知らなかったけれど、リストの交響詩の第6番が《マゼッパ》。
リストの交響詩では《前奏曲》以外の曲はあまり演奏されないらしい。

ピアノ演奏だと、左手の和音がペダルで響きが重なると混濁してあまり綺麗に聴こえないことが多い。
オーケストラ演奏だと、和声の響きがすっきり美しく、音響的なストレスを感じない。
ピアノ曲の編曲版というよりも、原曲の3倍の長さに拡大されたオリジナル曲といえるくらいに、ダイナミックなスケール感があって、聴いていてとても楽しい。
それに、ピアノ1台で演奏するよりも、オケで演奏する方が《マゼッパ》の持つ曲想の広がりやダイナミズムを表現しやすい気がする。
どちらかというと、『超絶技巧練習曲』よりも交響詩の《マゼッパ》の方が好きかも。


ティーレマンのライブ録音は3分ほどの抜粋版だったので、全曲演奏はMichel Plasson/Dresdner Philharmonieの音源。
Franz Liszt - Mazeppa - Symphonic Poem



ピアノで弾く《マゼッパ》なら、シフラ、ベルマン、ベレゾフスキー、横山幸雄など、名だたる超絶技巧のピアニストの録音がたくさん。
Youtubeの音源をいろいろ聴いてみると、シフラは左手のペダルを抜いた和音移動で、スタッカート的なタッチは他のピアニストとはちょっと違うところ。
ベルマンの1963年は凄い力技。横山幸雄の左手の和音移動の響きが(私には)あまり綺麗に聴こえない。

ベレゾフスキーの演奏が、テンポが結構速いのに、音の粒立ちが良く、響きの混濁感も少ない。力技のような強引さを感じさせない表現が美しくて、一番私の好きなタイプ。
かなり個性的な解釈と言われているようだけれど、こういう《マゼッパ》を弾く人なら、『超絶技巧練習曲』を全曲聴いてみたくなる。(スタジオ録音は、このライブ演奏とは少し違っているのかもしれない)

(HQ) Transcendental Etude No.4, Mazeppa (Berezovsky)




ユニークなのは、アラウの《マゼッパ》。
73歳頃の録音なので、↑のピアニストたちのような鮮やかな技巧で弾く《マゼッパ》とは違って、まるでスローモーションを見ているよう。
その代わり、左手の和音移動でもそれほど音が混濁せずに、それぞれの和音がわりと明瞭に聴こえてくる。
昔はこのスローテンポが気になってしようがなかったけれど、今はこのテンポで聴く《マゼッパ》は意外と美しくていいなあと思えてくる。(そう思わない人も多いだろうけど)

Claudio Arrau Liszt Transcendental Etudes No. 4 Mazeppa




《マゼッパ》には2台のピアノ版もある。
2台になると、速いテンポでぴしっと拍子もフレーズも合わせていくのは難いと思うけれど、この演奏はかなり合っている(ように聴こえる)。
ソロで弾くよりも、個々の音がよく分離して響きの混濁感がなく、音響的には綺麗なのだけれど、ソロで感じる超絶技巧の凄みや技巧的な難しさをあまり感じなくなるので、面白みが減ってしまった気がする。

Kanazawa Admony Piano Duo Plays Mazeppa by Liszt


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