ゴンサロ・ルバルカバの《イマジン》

キューバの天才的ジャズピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバが、1993年~94年にかけて国交断然中の米国でライブを行ったときに弾いた曲のひとつが、ジョン・レノンの《イマジン》。
ルバルカバは、高校時代に初めて聴いたジャズピアニストの一人。もう一人は小曽根真だった。
ジャズピアニストのなかではとりわけ技巧鮮やかな2人のCDは、レンタルショップで偶然見つけたもの。両方ともデビューアルバムだった。
聴いてみたらとっても気に入ったので、それからCDコレクターになって、新譜が出るとたいてい買っていた。

ルバルカバは”超絶技巧”と言いたくなる様な滅法速い指回りとスピード感が凄い。
鋼のように硬く張りつめた音が突き差すように鋭く、こういう力強く硬質で澄んだ音色はジャズピアニストには珍しい。(もっと線が細ければ、キース・ジャレットの音色に似ているかも)
このタッチでどんな高速フレーズでも間違いなく弾き切って行くので、それだけで圧倒されるくらい。
でも、彼のピアノは技巧優れているだけでなく、ベタベタとしたメロウなところがない、澄み切った叙情がとても美しい。

その頃はルバルカバをよく聴いていたけれど、ここ10年(かそれ以上)はほとんど聴いていない。(新譜は時々出ているようだけれど、私自身がジャズピアノを聴くことが随分減ったので)
先日、CDを整理していたら、ルバルカバのCDが何枚も出てきて、懐かしくて聴きなおしていた。
そのなかでもとりわけ美しかったのが、リンカーン・センターなどで行った米国でのライブで弾いたピアノソロの《イマジン》。
静かでも力強いピアノの音と、しっとりとした叙情感がピュアで美しくて、とても素敵。

ライナーノートを読むと、当時、キューバ人が国交断絶中の米国で演奏会を行うことは、(共和党政権下なのでなおさら)政治的に非常に難しく、ルバルカバのトリオのコンサートを実現させるために、ウィントン・マルサリスやリンカーン・センターのスタッフ、ブルーノートのブルース・ランドヴァル、それにルバルカバが師と敬愛する(亡き)ディジー・ガレスピーの未亡人など、多くの人が尽力したという。
ジョン・レノンの《イマジン》の歌詞を思い出すと、ルバルカバがこの曲を弾いた理由がわかる気がする。

Imagine - Solo Piano /Gonzalo Rubalcaba (1993)



イマジン~ゴンサロ・ルバルカバ・イン・USAイマジン~ゴンサロ・ルバルカバ・イン・USA
(1995/05/24)
ゴンサロ・ルバルカバ

試聴ファイル


コメント

しっとりとした、いい感じ

Yoshimiさま

ところどころ、とても力強いところもあり、ちょっとびっくりしましたが、聞いた時間が夜ということもあり、しっとりとしたいい感じで聞かさせて頂きました。ルバルカバ、最初はちょっと舌を噛みそうな名前ですね。ちょっと興味を持ちました。

意味深い選曲です

Hiroshi様、こんばんは。

昔、私がルバルカバのCDを探していると、タワーレコードの店員さんは「ゴンサロのCDですか?」と言ってました。
”ゴンサロ”の方が言いやすいですね。

彼は、鋼のように力強く弾力のあるタッチで、凄い切れ味の技巧を持ちながらも、叙情深いピアノを弾く人です。
久しぶりに聴きましたが、やっぱりいいですね。
当時の政治情勢を考えると、深い想いが込められているのでしょう。

ルバルカバは多数CDを出していますが、その中では『Nocturne』、モントレーのライブ録音『Discovery』、富士山のライブ録音『Images』、『ロマンティック』などが人気があるようです。
ご興味があれば、Youtubeにいくつかライブ映像もありますので、聴いてみてください。
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クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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