2014_03
15
(Sat)12:00

クラシック音楽史に残る有名な詐欺事件 

件の代作騒動で思い出した過去の詐欺事件は、「ジョイス・ハット事件」と「架空のピアニスト”ポール・プロコポリス”」。

「ジョイス・ハット事件」は、世界のクラシック音楽史のなかでもかなり有名な詐欺事件。(「ハットー」と記載されることもある)
亡くなった女流ピアニスト、ジョイス・ハットの夫が、他のピアニストたちの録音を無断で編集し、ジョイス・ハットの録音と称して、100枚以上のCDをリリース。
一連の録音を聴いた批評家などからハットは絶賛されたけれど、結局、他のピアニストの録音だとたまたま気がついたリスナーの指摘で、盗作であると発覚。
音源は有名なピアニストのものが多いので、演奏を絶賛した批評家の耳が確かだったとは言えるだろうけど、タッチも音質も演奏スタイルも違うピアニストたちの録音を使っていたので、一人のピアニストが弾いているにしては変だと思わなかったのかな?という気がしないでもない。
「現存する最高のピアニスト」という評価もあったそうなので、批評家やリスナーは、”様式や作風の違いに応じて奏法や表現を見事に変えられる素晴らしいピアニスト”だと思ったのではなかろうかと。

「ジョイス・ハット事件」の詳しい顛末はこちらのブログで。
ジョイス・ハットー事件続報[書き散らしの日々]
ジョイス・ハットーのCD録音はニセモノ!?[「おかか1968」ダイアリー~いっそブルレスケ~]


「ポール・プロコポリス」は、サーガレーベルがでっちあげた幽霊ピアニスト。
サーガレーベルが保有している音源をピアニストに無断で使って、架空のピアニスト「ポール・プロコポリス」の録音として発売したもの。
ミッチさんのブログ<フランツ・リストに花束を>の記事「セルジオ・フィオレンティーノのサーガ録音」で紹介されていたので知りました。

当時サーガレーベルに在籍し、ポール・プロコポリスの録音を捏造したRobin O'Connorという人がその経緯を語っている。
SAGA REMEMBERED by Robin O'Connor[musicweb-international.com]

この記事によると、サーガのManaging DirectorであるMarcel Roddが、コンピレーションのピアノ曲集を制作するという企画を思いつき、'Best Loved Gems of Piano Music'というアルバムを制作。
同社の保有音源からショパン、リスト、ラフマニノフなど目ぼしい曲をピックアップ。
マーケティング上の観点から、一人のピアニストが弾いたことにするため、”ポール・プロコポリス”という(架空の)ピアニストが誕生。プロフィールも捏造。
若い頃のセルジオ・フィオレンティーノの録音も無断で使われている。
(注)プロコポリスのファースト・ネームは、日本語Wikipediaでは「マルセル」とあるのは誤り。英文記事と英文Wikipediaでは「ポール」となっている。

2 Comments

matsumo  

No title

yoshimiさん、こんにちは

そう言う事件があったのですか! 初めて知りました。同じものならばともかく、演奏時間まで変えると言うのは、テンポを変えると言うことですから悪質ですね。幸いにして私は2人とも初めて聞いた名前ですので、被害にあっていませんが。

指揮者だと、一時期、東欧放送局の録音を元にしたらしい廉価盤CDで、「幽霊指揮者」と言われる実在しない指揮者の録音が結構、出ていました。私も「アルベルト・リッツィオ」と言う指揮者による「ベートーベン:交響曲第9番」のCD(確か、石丸電気で1枚100円でした)を持っていますが、中々、良い演奏でした。

2014/03/15 (Sat) 18:55 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

世の中いろんな事件があるものです

matsumo様、こんにちは。

世界には、いろんな事件があるものですね~。
「ジョイス・ハット事件」は、何かのCDの情報を探していると、何度か見かけましたから、有名な話のようです。
ハットを絶賛する人が続出..というのは、今回の代作騒動と同じなので、いつでも最初は騙されてしまうものなんですね。
CD時代なので、プレーヤーの表示から発覚してしまったそうで、これがLPならそのまま”伝説のピアニスト”として音楽史に残ったかもしれません。

作家なら別名義で作品を発表することもありますが、作曲家や演奏家ではあまり聞かないですね。
全く架空の演奏家を仕立ててCDを売り出すというのは珍しいので、営利目的以外なら、政治的な事情があるのでしょうか。

2014/03/15 (Sat) 19:30 | EDIT | REPLY |   

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