立花隆の「思索紀行」 

2005, 06. 21 (Tue) 18:36

通勤途中の電車で読んでいるのが、立花隆の「思索紀行(書籍情報社)。

思索紀行 ――ぼくはこんな旅をしてきた 思索紀行 ――ぼくはこんな旅をしてきた
立花 隆 (2004/10/01)
書籍情報社
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彼の思索というのは、行動的思索であって、旅の途中で感慨にふけるというのでは全くなし。
常人には思いもつかぬ方法で、得た体験からいろいろと思考を展開するタイプでしょう。
まだ初めの数十頁を読んだところだけれど、月並みな紀行とは違う体験記で、ついつい引き込まれて行きます。

彼の断定的な文言は、ある人にとっては”知の巨人”のカリスマ性を感じさせ、ある人には独善性を嗅ぎ取るでしょう。
本人は「先生」と呼ばれるのが嫌いらしい。
編集者や秘書の人に「さん」付けで呼ぶようにと徹底しています。
しかし、本人の意図とは別に(いや、もしかして意図どおり?に)”知の巨人”だのなんだの、教祖的な地位に祭り上げられてしまったよう。

彼のサイエンスものに対するバッシング本がかなり出ています。
まだ読んだことはありませんが、文系出身の作家が科学の仕組みを正確に理解するのは、同じく文系出身の私からみれば、かなりの精度の荒さを伴うのではないかと推察されます。
彼は知識のインプット量も多く、それを体系的に再構成する力も並みの人間には太刀打ちできないでしょう。
しかし、自然界の法則に則った知識が基盤である科学と、セオリーがあるようでなく、ある視点からの解釈によってしか理解できない人間・政治・社会のあり方とでは、その根底において、必要となる知識のレベルや思考のプロセスが違うのではないでしょうか。

一度彼のサイエンス本を読めばいいのだろうけど、政治・経済・歴史、そして、人間をテーマにした時の筆の冴えをどの程度期待できるか?
そのうちトライしてみましょう。

「青春漂流」は、自分の進路、したいこと、将来に悩んでいる若者にとって、さまざまな人生観、職業感に触れることのできるまさに良質の読み物!
初めから自分の天職を見つけた人ばかりではない。実は、思考錯誤と紆余曲折と汗と涙と努力の末に見つけた天職というのもあるのだ、ということを教えてくれるインタビュです。

青春漂流 青春漂流
立花 隆 (1988/06)
講談社
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彼は、日経BPで「メディア ソシオ-ポリティクス」という連載を書いています。私はこれを読むのを結構楽しみにしています。
特に靖国問題はいろいろ考えるところの多い内容。韓国と日本との争いの種の歴史的な経緯から順に説き起こしており、初めて知るところも多いものでした。
日本の学校教育では、近現代史をきちんと学ぶことを小学校から高校まで、なおざりにしているのではないかと日々感じています。
太古の縄文土器やら弥生土器の世界を学ぶことが悪いとは言いませんが、やはり今の社会と生活と価値観に強い影響のある歴史について、良く知り、良く考えることが、まず重要でしょう。

立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」

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