2014_02
27
(Thu)13:00

佐藤聰明/Homa 

日本人作曲家の佐藤聰明。名前だけは知っていたけれど、聴いたことはない。
プロフィールを調べてみると、珍しく独学で現代音楽を作曲する人で、日本よりも海外で人気があるらしい。

『LITANIA』
というアルバムが、ニューヨークタイムズの年間ベスト・レコードに選ばれたという。
試聴してみると、ミニマル風な曲が多い。ミニマルな曲は最初に聴いたときは面白いのだけど、すぐに飽きてしまって、ライヒやグラスの曲でも、何度も聴きたいと思うことはなく。
『LITANIA』の収録曲のなかでは、ライヒのようなミニマル風ではなく、ペルト風らしき曲も入っている。
ソプラノ&ピアノの《The Heavenly Spheres Are Illuminated By Lights: 1979》と、ヴァイオリンソロが入っている《Birds In Warped Time II: 1980》は旋律がとても綺麗なので、興味があるけれど、CDを買う気になるまでには至らず。

《Birds in Warped Time II》のピアノ伴奏はミニマル風。
時間の流れを水が流れるようなピアノのパッセージで表現しているみたいで面白い。
ヴァイオリンの旋律は、ときどき尺八の音色のように音が揺らいで聴こえる。

Satoh: Birds in Warped Time II



LitaniaLitania
(1994/04/05)
Somei Satoh、 他

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CDレビュー[S o n o r i t y A s S c e n e r y]


作品集『仄かなる闇』『Toward the Night/夜』に収録されている作品は、エストニアの作曲家アルヴォ・ペルトの作風によく似ている。(ペルトの作品にもミニマル的な特徴があるものは多いけれど)

『仄かなる闇』は、珍しくも近所の図書館が所蔵していた。
ペルト風のアダージョで静謐な曲が多くて、やはり作風は似ている。
《神の身売り》には、ソプラノ独唱と、時々チューブラ・ベルの音が入るので、他の3曲と違ってそれほど単調さを感じることがないし、特に密やかなソプラノの歌が美しい。

仄かなる闇仄かなる闇
(2009/08/25)
草津フェスティヴァル弦楽合奏団, 千葉理, 永曽重光 指揮: 工藤俊幸

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Youtubeにも音源がいろいろあって、特に気に入ったのは、ソプラノ独唱が入っている《Homa》
私はソプラノ独唱の歌が好きなので、《Homa》はとても聴きやすい。
息の長いシンプルな旋律と静謐さは、ペルトを聴いているような錯覚がする。
ペルトの和声の方が合奏時の響きに厚みがあり、独奏では透明感と純度がずっと高くて、たとえ不協和音が入っていても、より美しく聴こえる。叙情感が強く、ドラマティックなところもある。

佐藤聰明の不協和音は濁りを感じるので、ペルトのような澄み切った美しさとは少し違う気がする。
叙情性よりも、いくぶん陰鬱で抑制的で、音楽が沈潜して瞑想的な雰囲気が強い。
時々雅楽器のような響きが入っていることがあるので、これは日本的。

ソプラノは、まるで深海の深い闇のなかから聴こえてくるようでもあり、静謐な祈りのような美しさ。
ずいぶん昔に大流行したグレツキの《悲歌のシンフォニー》やペルトの音楽が好きな人なら、(ミニマル的ではない方の)佐藤聡明の作品は気に入るかも。

Somei Satoh: Homa (for Soprano and Strings)




このCDに収録されているのは、3曲。
《Toward the Night》は弦楽アンサンブルのみ、《Homa》にはソプラノ独唱、《Ruika》にはチェロ独奏が加わる。
作風がほとんど同じなので、こういう曲がかなり好きでないと、3曲続けて聴くのはつらいかも。

Toward the NightToward the Night
(1994/04/13)
Somei Satoh、 他

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