ルプー ~ ブラームス/ピアノ小品集

クラシックを聴き始めた学生時代にCDコレクターをしていたピアニストの一人が、ラドゥ・ルプー。
その頃は、Deccaから出ていたブラームス、ベートーヴェン、シューベルトのCDはほぼ揃えて、特にブラームスを良く聴いていた。
カッチェンのブラームスを知ってしまってからは、ルプーはほとんど聴かなくなったけれど、久しぶりに聴くと今でもやっぱり好きなブラームス。
特に好きだったし、今でも好きなのが、《2つのラプソディ》第1番、Op.118の第2曲「インテルメッツォ」、弦楽六重奏曲第1番第2楽章のピアノ編曲版「主題と変奏」。(どの曲もあまりに気に入ってしまったので、自分で弾きたくてよく練習した)

《2つのラプソディ》第1番は、異聴盤をたくさん聴いてきたおかげで、感じることも多い。
疾風怒濤のような激しい曲とはいえ、やたらに強打して力感を強調することなく、まろやかでややねったりとした響きがほの暗く重みがあり、抑制された情熱が滲みだしてくるよう。
”千人にひとりのリリシスト”と呼ばれたルプーのリリシズムには、繊細ではあるけれど線の細い華奢なところは全くなく、ほの暗く濃密な情感が織り込まれて、厚みのあるタペストリーのような質感がある。
今聴きなおしてみても、やっぱり第1番はルプーの演奏が誰よりも好みにぴったり。(第2番はカッチェンの方が好きだけれど)


Brahms 2 Rapsodies Op.79



「インテルメッツォ」は、細かなルバートと起伏が多いカッチェンよりは、表情がやや穏やかでややさっぱり。
Op.118の他の5曲とOp.117、Op.119も聴きなおしてみても、今も昔もルプーのブラームスは素敵。
昔は好きだったのに、今はほとんど聴かなくなってしまったピアニスト(ツィメルマンやポリーニとか)は結構多いけれど、ルプーのブラームスはまた繰り返し聴きたくなったのが嬉しい。

Brahms Intermezzo A Major Op 118 No 2 Lupu Rec 1976.wmv


Brahms Intermezzo Op. 117 No. 1 - Radu Lupu




(たぶん20年以上前から)ルプーは録音しない主義になったので、それ以降は、演奏会の実演でしかルプーを聴くことができない。今手に入るCDは、若い頃の録音のみ。今ならどういうブラームスを弾いているのだろうか?


ルプーの録音のなかで、一番よく聴いていたブラームスの小品集。(廉価盤も出ている。)
ダークな色合いとレトロな雰囲気のジャケットが、ブラームスアルバムによく似合っている。
録音の少ない《主題と変奏》は、別盤でピアノ・ソナタ第3番とカップリング。

ブラームス:ピアノ小品集ブラームス:ピアノ小品集
(2010/05/26)
ルプー(ラドゥ)

試聴ファイル



ルプーのブラームス録音集。分売盤3枚をまとめたお得なセット。
Plays BrahmsPlays Brahms
(2005/11/25)
Radu Lupu、Edo de Waart、London Philharmonic Orchestra

試聴ファイル


タグ:ブラームス ルプー

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コメント

ルプーのブラームス

こんにちは!

ルプーは今まで多分一度も聴いたことが無く、初めて聴きました。
数年前京都コンサートホールでリサイタルに来ていて、
幻のピアニスト?みたいな宣伝されてたような…行かなかったけど。
録音しない主義なのですか?色々有るんですね…こだわりが。

先日買ったペライアのブラームス、微妙でした…
特別良くもなく悪くもなく普通?!(爆)。
あまり聴いてません。

ルプーのブラームスとても良いですね。
なんというか、ぼたん雪のように音が静かに
心に降り積もって行って、一面ブラームス色に染めてくれます。

ルプーのブラームスはやっぱり素敵です

Tea316さん、こんばんは。

ルプーのブラームス、お気に入られたようで良かったです。
ずっと昔は、ルプーのブラームスとシューベルトは定番として人気がありましたね。
”レコーディングは演奏家として生き続ける手段でもある”とアラウは言っていましたが、ルプーの場合は、録音しないことで伝説化しているようです。
実演でないと、ルプーの音の美しさはわからない..と言う人もいます。
もうかなりのお年ですので、体調が悪くてキャンセルすることもあったりして、実演で聴ける機会もそう多くはないでしょう。

ペライアのブラームスは、透明感があってあっさりしてますね。
聴いているときは綺麗に思えるのですが、特に印象に残るものがなかったです。私も一度聴いただけです。

昔はブラームスのソロはルプーばかり聴いていましたが、今でもルプーのブラームスは心に響きます。
情感はかなり濃密なのですが、センチメンタルな感傷や情緒過剰なところはなくて、自然に伝わってくるものがあります。
ルプーのベートーヴェンも好きだったので、また聴き直してみようと思ってます。
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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