2014_05
03
(Sat)12:00

シュ・シャオメイ ~ バッハ/6つのパルティータ 

シュ・シャオメイの弾くバッハ録音を聴いてみた。
数年前、森岡葉さんのブログ<May Each Day>の「中国人ピアニスト、シュ・シャオメイ(Zhu Xiao-mei)」の記事を読んで、初めて知ったピアニスト。
ライブ映像の《ゴルトベルク変奏曲》を少し聴いたけれど、その時はそれ以上聴きたいとは思わなかった。(たぶんその時は気分がゴルトベルクモードではなかったので)
その後、大久保賢さんのブログ<Le plaisir de la musique 音楽の歓び>でも何度か紹介されていたので(「朱暁玫のバッハ」「朱暁玫の《ゴルトベルク変奏曲》」「上善若水」(朱暁玫が弾く《平均律クラヴィーア曲集》))、ようやくまた聴いてみる気に。

シャオメイの《ゴルトベルク変奏曲》、《平均律クラヴィーア曲集全集》、《6つのパルティータ》のなかでは、一番有名な《ゴルトベルク変奏曲》よりも、曲自体が好きな《パルティータ》と《平均律クラヴィーア曲集》の方にずっと魅かれる。

《パルティータ》のなかで好きなのは、第1番・第2番・第6番。
軽やかで密やかなノンレガートは、まるで口ずさむような語り口。
儚げな繊細さを感じさせる弱音の響きとニュアンスが独特。
瑞々しく繊細さを感じさせる叙情感がとても美しい。
特に短調の第2番と第6番が素晴らしく、繰り返し聴くたびに味わいが深くなっていく。
いままでそれほど気に留めていなかった旋律や音が強調されて、浮かび上がってくるのも面白い。
繊細なだけではなく、力強いタッチで弾くときには、強い感情が噴出したり、強い意志を感じるところもあって、感情移入はかなり深い。
それにしては、しなしなともたれた表現になることなく、ウェットな情緒性も感じられず、不思議なくらいに自然な情感に満ちている。
個人的な好みから言えば、全集盤としては、バッハ挽きのシフとペライア、ヒューイットよりもはるかに好きで、マイベスト盤のヴェデルニコフに次いで素晴らしいと思えるくらい。

Bach - Sarabande from Partita No. 6 in E minor, BWV 830 - Zhu Xiao- Mei


《6つのパルティータ BWV825~830》(Mirare盤)。1999年録音(MANDALA)の復刻盤。
Partitas Bwv825-830Partitas Bwv825-830
(2012/01/12)
Zhu Xiao-Mei

試聴ファイル




《パルティータ》に比べて、あまり聴かない《平均律クラヴィーア曲集》、それも聴くのは第1巻の方がほとんど。全曲聴くのはかなりの集中力と時間が必要なので。
今この曲集を聴くとすれば、コロリオフ、フェルナー、ムストネン。それに加えて、シャオメイの録音も試聴ファイルで聴いただけでも、とても魅力的。
パルティータがあれだけ素晴らしかったのだから、平均律もCDで全曲聴いてみたくなる。
聴きたいのは第1巻の方だけれど、分売盤のCDを買うよりも、第1巻&第2巻の全集盤の方が良さそう。

Bach, Clavier bien tempéré, I, 1 Zhu Xiao Mei



J.S.バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻、第2巻 (全曲) (Johann Sebastian Bach : Le Clavier Bien Tempere | Das Wohltemperierte Klavier / Zhu Xiao-Mei (Piano)) (4CD Box) [輸入盤]J.S.バッハ : 平均律クラヴィーア曲集 第1巻、第2巻 (全曲) (Johann Sebastian Bach : Le Clavier Bien Tempere | Das Wohltemperierte Klavier / Zhu Xiao-Mei (Piano)) (4CD Box) [輸入盤]
(2013/09/30)
シュ・シャオメイ

試聴ファイル(第1巻)
試聴ファイル(第2巻)



《ゴルトベルク変奏曲》のLeipzig Bach Festival 2014のライブ映像。(Accentus MusicからDVDでリリース)
J. S. Bach - Goldberg Variations, Zhu Xiao-Mei (piano) + “The Return is the Movement of Tao”



こちらは《ゴルトベルク変奏曲》のスタジオ録音。
Goldberg VariationsGoldberg Variations
(2007/10/29)
Zhu Xiao-Mei

試聴ファイル

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4 Comments

ポンコツスクーター  

シュ・シャオメイ

こんにちは。
パルティータの2番と6番、聴かせていただきました。あまり多くの演奏を聴いていないので比較はできませんが、しっとりとしていてメリハリのあるいいピアノですね。彼女のピアノを始めて聴きました。
東京はいま雨模様。パルティータが沁みました。

2014/05/05 (Mon) 11:15 | EDIT | REPLY |   

yoshimi  

このパルティータは素敵です

ポンコツスクーター様、こんにちは。

中国人ピアニストだと、ランラン、ユジャ・ワン、ユンディ・リなど若手がとても人気ですね。
シャオメイ(やフー・ツォン)は、日本ではほとんど知られていませんが、本当に良いピアノを弾く人だと思います。
確かに、”しっとりとしていてメリハリ”があります。音が瑞々しく、繊細さと芯のしっかりした強さや激しさも感じます。
心に沁入るようなパルティータですね。

2014/05/05 (Mon) 11:33 | EDIT | REPLY |   

ANNA  

yoshimiさん、こんにちは。

ヴェデルニコフのパルティータ、おかげさまで入手して、時間が
あると聴いています。ヴェデルニコフの6番、やっぱりいいですね。
サラバンドでの静けさの中、瞑想に耽るような表現が特に。
ドビュッシーの「沈める寺」でも感じたのですが、ヴェデルニコフは
こういう表現が素晴らしいですね。

パルティータ、今度は、シャオメイさんの演奏で聴いてみようかな〜と
思ってます。おかげさまで、大好きな作品をいろいろな演奏家で聴く
楽しみをいただいております。いつもありがとうございます。

2015/08/01 (Sat) 11:11 | REPLY |   

yoshimi  

 

ANNAさん、こんばんは。

ヴェデルニコフのCD、無事入手できて何よりです。
ヴェデルニコフは、瞑想性が強く出てくるせいか、明るく伸びやかな曲よりも、ストイックで内面に沈潜していくような曲の方が素晴らしく感じますね。
やはり深みのある音楽をする人なのでしょう。

シャオメイのパルティータは、ヴェデルニコフと違って瞑想性とか構築性は薄いとは思いますが、”秘密の花園”(?)みたいに、美しく瑞々しい音楽が内面のなかで生き生きと息づいているような感じがします。
不思議と心に染み透るように響いてくる音楽ですね。

2015/08/01 (Sat) 22:51 | EDIT | REPLY |   

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