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ベートーヴェン/ディアベリ変奏曲
長大で面白味がなく退屈すると悪評(?)高いベートーヴェンの《ディアベリ変奏曲》。
私にはなぜか《ゴルトベルク変奏曲》の方が眠くなるのだけれど、確かにディアベルは60分近く集中力を持続して聴くのに苦労する曲には違いない。
でも、弾き方によっては、ディアベリだってとても魅力的。
私の好みとして、最初から最後まで面白く聴けたのは、ソコロフ、アンダ、ムストネン。試聴ファイルで聴いたウゴルスキも面白そう。


グレゴリー・ソコロフ
ソコロフは、このディアベリもライブ録音。多彩な色彩感のある音色と響き渡るフォルテ、緩急強弱の振幅が大きく彫りの深い表現は、喩えて言えば細部まで精巧な装飾を施された絢爛豪華で巨大な大伽藍のよう。

Beethoven - Diabelli Variations, Op. 120 [Grigory Sokolov]


ソコロフの既発naive/opus盤を全て収録したBOXセット。
Complete Recordings-Bach/Beethoven/Schubert/BrahmsComplete Recordings-Bach/Beethoven/Schubert/Brahms
(2011/10/28)
Grigory Sokolov

商品詳細を見る


ディアベリ変奏曲の分売盤。
Variations Diabelli/Op.120Variations Diabelli/Op.120
(2004/06/07)
Grigory Sokolov

試聴ファイル

過去記事:グレゴリー・ソコロフ ~ ベートーヴェン/ディアベリ変奏曲




ゲザ・アンダ
アンダのディアベリは、流麗というよりも、ちょっと骨っぽいゴツゴツした起伏の多い表現で、まるで物語りを聴いているような語り口。
緩急のコントラストが大きくて明快。ソノリティも色彩感があって響きも多彩でとても綺麗。
時に愛らしく優美かと思ったら、ユーモラスだったり、厳しかったり、アンダらしく表情がクルクルとよく変わる。
(たぶんほとんど)リピートしていないので、演奏時間が39分ほどと短い。(リピートする演奏なら50~55分くらいが多い。最短はたぶんバックハウスの43分)

Beethoven - Geza Anda - Variations Diabelli op. 120



分売盤、稀少な録音が多数入っているBOXセットとも廃盤。
Troubadour of the Piano (Spkg)Troubadour of the Piano (Spkg)
(2005/09/13)
Geza Anda、 他

試聴ファイル

過去記事:アンダ ~ ベートーヴェン/ディアベリ変奏曲


オリ・ムストネン
ムストネンのトレードマークみたいなチェンバロ的ノンレガート奏法のタッチとソノリティが独特。
速いパッセージをスタッカートで弾くと、ちょっとピアノとは違う楽器みたいな音がする。
私はとても好きなピアニストだけれど、好みははっきり分かれるはず。
蝶が舞うように軽やかで、微笑みたくなるように可愛らしくて優しくて、時にユーモアを通り越してコミカルだったりと、とっても明るくて健康的なディアベリ。
他のピアニストでは聴くことができないような不思議な魅力がある。

ベートーヴェン : ディアベリ変奏曲Op.120ベートーヴェン : ディアベリ変奏曲Op.120
(1999/04/21)
ムストネン(オリ)

試聴ファイル

過去記事:ムストネン ~ ベートーヴェン/ディアベリ変奏曲



ピョートル・アンデルジェフスキ
他にも面白い録音がなかったかと記憶をたどっていたら、アンデルジェフスキをすっかり忘れていた。
彼のディアベリ録音を聴いたのがきっかけで、ディアベリの面白さが以前にも増してよくわかったというのに...。
その後、ソコロフなど個性的なディアベリをいろいろ聴いてしまったので、今はアンデルジェフスキはほとんど聴かなくなってしまった。
色彩感や表現はそれほど多彩ではない気はするけれど、広いダイナミックレンジで強弱のコントラストが強く、とてもドラマティック。弱音はとても柔らかくて暖かくて優しい。
きわめて個性的なソコロフ、ウゴルスキ、ムストネン、アンダを聴いた後では、それほど変わったクセがなくて、オーソドックス(正統派的)なディアベリに思えてくる。

Beethoven: Diabelli VariationsBeethoven: Diabelli Variations
(2007/09/07)
Piotr Anderszewski

試聴ファイル



モンサンジョン監督による演奏録画のDVDもある。

Piotr Anderszewski plays the Diabelli Variations


ベートーヴェン:ディアベッリのワルツの主題による33の変奏曲 [DVD]ベートーヴェン:ディアベッリのワルツの主題による33の変奏曲 [DVD]
(2008/11/12)
アンデルシェフスキー(ピョートル)

商品詳細を見る

過去記事:アンデルジェフスキ ~ ベートーヴェン/ディアベリ変奏曲



アナトール・ウゴルスキ
CDは持っていないけれど、Youtubeで抜粋した演奏を聴くと、CDで全曲聴きたくなってくる。
ウゴルスキは、ブラームスとメシアンがとても素晴らしく思えたので、もともと相性がとても良い。
(ディアベリに限らず)ウゴルスキの演奏は、緩急の振幅が大きく、メリハリの利いたアーティキュレーションで、繊細さとダイナミズムが共存する。特に緩徐系の変奏のスローなテンポと曖昧模糊とした雰囲気が独特。

Anatol Ugorski.wmv



ウゴルスキのベートーヴェン録音は、このディアベリと、《ピアノ・ソナタ第32番》と最後の《バガテル集Op.116》などを収束した作品集の2種類。いずれも廃盤。
《ピアノ・ソナタ第32番》は第2楽章が超スローテンポ(演奏時間が26分くらい)で有名。
Beethoven: Diabelli VariationsBeethoven: Diabelli Variations
(1993/06/15)
Beethoven、Ugorski 他

試聴ファイル



<参考情報>
ベートーヴェンの「ディアベッリ変奏曲」を聴く この曲は何故生まれたのか、何故録音されるのか[An die MusikクラシックCD試聴記]

tag : ベートーヴェン ソコロフ アンダ ムストネン ウゴルスキ

※右カラム中段の「タグリスト」でタグ検索できます。
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ディアベリ
こんばんは。
ご紹介いただいたサイトには、ディアベリは駄作という風に書かれていましたが、基本的にベートーヴェンに駄作はほぼないように感じます(ウェリントンの勝利は例外かと)。
この曲も、先週にライヴで聴いて、とても面白かったです。
アンダは全曲が収録されているのですね。聴いてみます!
アンダのディアベリ、面白いです
ポンコツスクーター様、こんばんは。

”駄作”というのは、ヒドイ言い草ですね。
この曲をまともに聴かせるように弾くには、ピアニストの技量が問われるというところでしょうか。

「ウェリントンの勝利」というと、チャイコフスキーの「1812年」をすぐに思い出します。
ドンパチ飛び交うような賑やかな曲なので、機会音楽というのか、当時のご時勢ではタイムリーな曲だったのでしょうね。
音楽的内容はともかくとして、ベートーヴェンを一躍ヨーロッパ中有名にしたという功績はありますし、ベートーヴェンのフトコロも潤ったようです。

アンダのディアベリはあまり知られていないので、ぜひ聴いてみてください。
なぜリピートしなかったのかわかりませんが(やはり冗長に思えたのか、録音時間の制約があったのか?)、当時ではかなり斬新で変わった演奏だったようです。

アンダ聴きました。
こんにちは。
テンポは中庸なので、反復を省略しているのでしょうね(何曲か抜けていても気がつかないかもしれませんが。笑)。
姿勢の正しい、いいピアノだと思います。しかしあっと云う間に終わってしまった。このくらいの長さだと比較的気楽に聴けます。
リピートなしが正解かも
ポンコツスクーター様、こんにちは。
アンダがどうしてリピート省略したのか理由はわかりませんが(録音時間の関係?)、40分未満にコンパクトに凝縮すると、変奏の違いもよくわかって退屈しませんから、正解かもしれませんね。
アンダよりも少し長いバックハウスは、(たぶん全て)リピートありで43分くらい。猛スピードで演奏しているのであわただしいですが、勢いのよさで一気に聴けます。でも情趣があるのはアンダですね。
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yoshimi

Author:yoshimi
<プロフィール>
クラシック音楽に本と絵・写真に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭、ハルバースタム、アーサー・ヘイリー
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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